小栗旬、13年ぶりに監督業に挑んだ「1／96」で藤森慎吾を疲れ切った父親に演出

更新日：2025年02月21日

イチオシスト：イチオシ編集部旬ニュース担当

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短編映画製作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」のSeason6がLeminoで配信中。今回、1月24日から配信が始まったSeason6から、小栗旬が監督を務めた短編映画「1／96」などを紹介する。(以下、ネタバレを含みます)

多彩な短編映画が集まる「MIRRORLIAR FILMS」

2020年、“誰でも映画を撮れる時代の幕が開く”を合言葉に始動した「MIRRORLIAR FILMS」はand picturesの伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らのプロデュースによる、メジャーとインディーズの垣根を越えて映画を作り上げる短編映画製作プロジェクト。

これまで、Season1～5では俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンらが監督した42本の短編映画を劇場公開し、著名クリエイターの作品から一般公募作品まで、多彩な短編映画が集まっている。

仕事と育児で疲れ果てた男が父親らしい本音をこぼす

監督・小栗、主演・藤森慎吾による「1／96」。仕事と育児に追われて疲れ果てた男が、“逃避行”を通じて父親の本音をあふれさせ、つかの間の自由を謳歌(おうか)する様子を、モノローグ形式で描き出した短編映画。

約16分間の作品には、40歳の父親・成田(藤森)のせりふはほとんどなく、彼の独り言のようなぼやきや心の声を、藤森のナレーションで構成している。

主演の藤森は2024年に結婚し、同年に第一子が誕生。劇場公開記念の舞台あいさつの際、本作の撮影当時はまだ独身だったとで明かし、「こんなこと言っていいのか分からないですが、今のところこの作品に全く共感していないんです(笑)。監督に怒られちゃいますね」と冗談交じりに話していた。

監督の小栗は、そんな“共感していない”藤森を一変させ、仕事や子育て、そして人生に疲れ切った主人公に見えるよう演出。劇中、さまざまな不満を垂れ流す成田。その逃避行には、独身だった人たちが懐かしく感じ、共感してしまうような“平凡でぜいたくな日常”が組み込まれている。

カップラーメンを無心ですする場面、趣味に没頭していた自分を回顧する場面など、とてもリアルな場面が印象的で、成田も今の生活が嫌なわけではないと吐露しながらも、独身のころのふとした瞬間が懐かしく恋しくなる“心の叫び”が自然な形で表現されている。

小栗旬が13年ぶりに監督業に挑んだ「1／96」

小栗は今回の「1／96」で2010年公開の映画「シュアリー・サムデイ」以来、13年ぶりに監督業に再挑戦。「シュアリー・サムデイ」では、バンドを組む高校生の5人組が文化祭中止を抗議するために起こした行動によって学校で爆破事件を起こし、中退後に人生をやり直す姿を描いた。

公開当時は今ほど名が通っていなかった若手俳優の小出恵介、勝地涼、綾野剛、鈴木亮平、ムロツヨシをキャスティング。小栗が俳優仲間たちともに全力で製作した青春映画で、多くのファンから共感の声を得た。

そして現在、20代後半だった小栗も40代に。今では日本を代表する実力派俳優としてキャリアを積み上げた小栗が、満を持して再び監督を務めたのが「1／96」だ。

今回は「シュアリー・サムデイ」のような青春群像劇は描かれていないが、どこか“青臭さ”が抜けない主人公・成田の“青春時代”が劇中の余白から感じ取れ、エモさあふれる映像と藤森の表現力が見事にマッチした見応えのある作品に仕上がっている。

なお「1／96」の他には、“TAO”名義でモデルとして活躍し、ハリウッドデビューも果たしている岡本多緒の企画、監督・脚本・出演による会話劇「サン・アンド・ムーン」が1月31日、ショートフィルムを中心に製作している鬼木幸治監督作で、チンピラとゴルフクラブを握り締めて笑顔を浮かべる異様な男のやりとりと、その後の展開が面白い「FAAAWWW!!!」が2月7日から配信されている。

【制作・編集：WEBザテレビジョン編集部】

記事提供元：Lemino ニュース

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仕事と育児で疲れ果てた男が父親らしい本音をこぼす

小栗旬が13年ぶりに監督業に挑んだ「1／96」

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