解説・奥田靖己「試合は100%だと失敗する。30%がちょうどええ」 50歳から出場可能なタイシニアプロテストで2人合格!
2月20日タイのバンコク(レガシーGC)で、TS(タイシニア)PGA公認のタイシニアプロテストの実技2日目が開催。50歳以上から参加でき、2日間合わせて12オーバーで合格できるテストで、日本人が多く参加している。50歳以上の部門では17名が参加し、合格者は2人。その模様をツアー通算6勝を挙げた奥田靖己の解説とともに送りたい。
主宰者・レッスンプロ中村映禅の元師匠でもある奥田靖己(64)が、開催コース・レガシーGCの印象を教えてくれた。「タイで一番難しくて、レイアウトも素晴らしいコースだと思います。特に14~18番は嫌なレイアウトが続きます。特に14番は以前タイシニアツアーに出たときも思いましたが、左に池があり、右のバンカーも怖い。プロでもゾクっと恐怖を抱くコース。今まで回った中でも相当難しいと思いました」(奥田)。
タイの芝の攻略法も聞いてみた。「バミューダとティフトンが混じったラフは、打ち込むと距離感が合いません。バミューダ芝のグリーンは速くないけど、ラインが読みづらいと思います。白色と黒色のところを見て、逆目か順目かを読めないと、難しいですね。今日はみんなパットに苦しみましたが、ラインがつかめてないのが一番大きいと思いますね」(奥田)。
シニア屈指の業師・奥田は試合に臨む極意を教えてくれた。「100%で寄せよう・飛ばそうとすると、絶対ミスします。30%の結果が出れば最高と思うことです。ゴルフはミスが絶対出るもの。ミスしちゃいけないと思うと、ボロが出る。僕も1993年ミズノオープンで立ってられないほど頭痛がひどくて、ラウンドが終わればいいと思っていたら、逆転優勝しちゃった。結果とはそんなものだと思います」と奥田は指摘する。
初日は+3の2位で終えたレッスンプロ関雅史(50)は、2日目を76で回りトータル+7で合格を果たした。ドラコンプロ安楽拓也が一度目に失敗していることを考えると、重圧に見事耐えたといえる。関に合格した気持ちを聞いてみた。
「正直うれしいです。順位で決めるテストよりもスコアのボーダーラインで決めるテストは、壁が迫ってくる感じがあり、難しい。アンダーで回れればいいですが、ダボなど叩くと余裕がなくなり焦ってしまう。僕は14番・17番で叩いたときに余裕がなくなった。このテストは悪魔がいますね(笑)」(関)。
タイシニアプロテスト合格後、何にチャレンジするのか? 「これでタイに試合に行くきっかけがもらえたと思います。自分に自信をつけるステップのうちの一つにできればと思います。もし50歳で何かに挑戦しようと思う人は、このプロテストを目指すのはいいと思いますよ」(関)。
この日+1でトータル2オーバーでトップ合格を果たした松本清造さん(50)はプロテストに並々ならぬ決意を持って挑戦していた。「実は父が50歳で亡くなったときに、自分が50歳になったときは自分の新しい道をいきたいと考えました。新しい自分を見せたいと思っいたんです。ちょうど先輩から誘ってもらっていい機会だと挑戦しました」(松本さん)。
実は松本さんは、関西アマ決勝に出るなど実力十分なトップアマでもある。「今日は1オーバーでしたが、アンダーで回りたかったです。今後は(タイシニアなど)いろいろな大会で出れたらいいですが、実力がまだまだなので、また頑張りたいです」(松本さん)。
50歳になって、大好きなゴルフで新しい挑戦をしてみたいという方。タイシニアプロテストは一度経験するのもありかもしれない。
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