1Wのキャリー250ヤードが目標 プロテスト合格を目指す19歳のアマ・川畑優菜の道標【マイナビチャレンジマッチ】
<マイナビ チャレンジマッチ THE Heroines 2025 一日競技◇12日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6427ヤード・パー72>
ドライバーショットのキャリーは240ヤード越え。プロをもしのぐ飛距離を武器に、19歳が沖縄で輝いた。今年3回目のプロテストで合格を目指す川畑優菜が、ツアー外競技の『マイナビチャレンジマッチ THE Heroines2025』で、3バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「74」で回り、2オーバー・13位タイでローアマを獲得した。
今大会はレギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアーを戦うJLPGA会員とプロテスト合格を目指す選手が出場する「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」(以下、マイネク)の2024年ポイントランク上位選手、そして予選会を勝ち上がった10名(アマチュア4名)と異なったカテゴリーの選手39名が同じ土俵で戦った。
強風が吹いたこの日、ツアー優勝経験者も苦戦する難コンディション。「ちょっとイージーミスが多かった。もう少し耐えられたと思います。10点満点中4、5点です」と振り返る。15番パー4では風の読み間違いで1打目を池に落としてダブルボギーにするなど悔やまれる場面もあったが、飛距離を武器に、3つのバーディを奪えたことには及第点をつける。
川畑は稲見萌寧や吉田優利らを輩出する麗澤高校を卒業し、この4月には日本ウェルネススポーツ大学の2年生になる。これまで合格率約3パーセントのプロテストに2回挑戦しているが、いずれも最終まで進めずに敗退している。1年半ほど前から上田桃子らを指導する辻村明志コーチに師事し、今年は拠点を千葉に移して本格的に指導を受けて“3度目の正直”を目指している。
この日のスタートホールで度肝を抜かれた。380ヤードの1番パー4では、ティショットで快音を響かせてフェアウェイをキャッチ。2打目はピンまで115ヤード地点まで飛ばした。「(1番は)めっちゃ飛んでましたね。最近、飛距離が伸びているんです」とオフの取り組みの成果を実感する。
技術的な面でいえば力の入れ方だ。「私はアドレスの時から力が入っていて、(手先で)ピュンと上げるクセがありました。今は、ゆったり上げて、インパクトでビュンって力を入れて振るように辻村さんと一緒にやっています」とリラックスした状態を長く作ってインパクトからフォロースルーにかけてパワーを放出する。
プロとして戦う体作りも忘れていない。「今年はヒナノ先輩と一緒にトレーニングをやっています」。3歳年上だが高校時代から親交があり、昨年、5回目の挑戦でプロテストに合格した六車日那乃のことである。同じ辻村コーチに師事しており、飛距離や安定感を出すためにタイヤ引きなどハードトレーニングも一緒に汗を流す。「体が筋肉痛になるのはもちろんですが、泣きそうになるぐらい、メンタルに来ます」。歯を食いしばりながら先輩と切磋琢磨して強度を高めている。
スイング面の改善と体力強化で「関東の寒い時に、(弾道計測機で)キャリー245ヤードという数字が出ました。今年はキャリー250ヤードを目指しています」。プロの世界でもトップクラスの飛距離を目標としている。
今大会には、プロテスト合格を目指す“同士”であり“ライバル”のマイネクの選手が大勢出場していた。多くは、アマチュア資格を放棄してプロ活動を行っている。川畑の周囲もアマチュアマークを外してプロとして活動する選手も少なくないが、アマチュア資格を保持したままだ。
アマチュア資格を放棄することも考えたが、「レギュラーツアーに出たいという思いがありまして…。レギュラーツアーでしか経験できないことがありますから」。昨年の「富士フイルム・スタジオアリス」では27位タイに入りローアマを獲得したほか、レギュラーツアーは過去3試合に出場してすべて予選通過を果たしている。
JLPGA会員以外でアマチュア資格を放棄すると主催者推薦でもレギュラーツアーに出場できない。川畑はアマチュア資格を保持したまま、今季レギュラーツアーのマンデー(主催者推薦選考会)から本戦への出場をもくろむ。すでに6月までに数試合のマンデー出場を予定しており、プロテストに向けて多くの経験を積むかまえだ。
「ツアープロと同組で回ると勉強になることが多い」と肌で感じるものがある。今大会は、ツアー通算4勝の若林舞衣子、昨年ツアー初優勝を遂げ、メルセデス・ランキング14位の天本ハルカと同組だった。「今日思ったのは、パッティングはしっかり打っていて、絶対にショートしません。それぐらい強い気持ちじゃないとレギュラーでは勝てないと思いました。一緒に回れてすごく勉強になりました」といいお土産を持ち帰った。
プロテストまでにはバンカーショットやアイアンショットの精度を上げる課題を持つ。過去2回のプロテストは「準備不足」と話す。「今年はちゃんと準備をしていけたらいいなと思います」。今季は「日本女子アマ」などアマチュア競技に出場する予定はない。レギュラーツアーやミニツアーを中心に実戦の経験を積みながら2025年最大の目標、プロテスト合格に挑む。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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