スポーツでよく耳にする『ゾーン』とは? ゴルフでゾーンに入るコツが3つあった!【心理学者が紹介】
トップアスリートがときどき入るという『ゾーン』。トーナメント中継でもよく使われる言葉だが、果たして、その正体とは? 心理学者の児玉光雄氏が解説する。
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「ゾーンに入るためには、どうすればいいのか」。アマチュアゴルファーからそういう質問をよく受けます。
本来、ゾーンというのは、“無の境地”のこと。何も考えていない状態のときに生まれるということが、最近のスポーツ心理学でも明らかになっています。
無の境地というのは古くから重要だとされているもので、禅宗にも「思い出せば地獄、思い出さなければ極楽、考えれば地獄、考えなければ極楽」という教えがあります。例え好ましい考えであっても、それが脳内に浮かぶと地獄。つまり、頭の中は何にもない、空っぽの状態がベストだといっているのです。この教えをより分かりやすくするために、私は「思わず、思い出さず、比べず」という言葉で表現しています。
ゴルフに当てはめると「思わず」というのはスコアのこと。プレー中、スコアのことは考えない方がいいのです。次に「思い出さず」ですが、これは結果のこと。ミスショットはもちろんですが、ナイスショットも「あれは良かった」と思い出すことで、無の境地を手に入れることはできなくなります。最後の「比べず」は、ライバルとのスコアの比較をするなということ。少しでも人のスコアを気にした時点で、無の境地を手放すことになりますが、ここに競争意識が芽生えると、さらにゾーンは遠のいてしまいます。
また、「18番でバーディを獲れば、ベストスコアだ」など、過去の自分のスコアと比較することもNGです。まずは練習のときから、頭の中を空っぽにすることを意識してください。
■解説・児玉光雄
追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員。
※『アルバトロス・ビュー』899号より抜粋
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