ついにガラケー終焉?スマホ出荷比率が96.7%に達し、3,000万台を突破【MM総研調べ】
2011年以降、携帯電話市場におけるスマホの台頭に伴い、フィーチャーフォン・いわゆるガラケーの利用人口は急速に減少。技術進歩により、目まぐるしく変動する令和の時代において、携帯電話市場は今いったい、どのような動きを見せているのだろうか。ICT市場専門のリサーチ・コンサルティング企業「MM総研」は、2024年度通期(2024年4月~2025年3月)における「国内携帯電話端末の出荷台数」の調査を実施。調査結果から、現在の携帯電話市場の実態や今後の見通しについて紹介します。
スマートフォンの出荷台数は携帯電話全体の約97%に!

MM総研が行った調査より、「2024年度通期における国内携帯電話端末総出荷台数」は前年度比16.4%増で3,106万台を記録したことが判明。うちスマホの出荷台数は前年度比17.9%増で3,003万7,000台となり、出荷比率としては過去最高の96.7%という結果となった。スマホの出荷台数が3,000万台に乗ったのは3年ぶりだ。
一方、フィーチャーフォンは前年度比15.7%減と落ち込み、102万3,000台となった。さらに、2026年3月末にはドコモの3Gサービスが終了予定のため、2025年度のスマホ買い替え急増が予想される。また、5Gスマホのシェア率は2023年度で99%となっており、2028年には100%に達すると予測されている。2030年度には6G対応端末の登場で、出荷台数のシェア拡大が一層進む見通しだ。今回、全体的な総出荷台数は3年ぶりの増加となったものの、2000年度以降の出荷統計としてはワースト2位となっている。
2024年度のスマホ出荷台数の回復については3点の要因が考えられる。1つ目は、移動体通信事業者(MNO)4社による買い替え需要の促進。2つ目は、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)獲得に向けた継続的な施策の展開。そして3つ目はオープン市場でのAndroid端末の人気の高まりである。世界中で物価インフレが続く中、携帯電話市場には、ようやく明るい未来が見えてきたのかもしれない。
スマホの出荷台数は今後、最大規模に拡大する見通し

スマホの出荷台数シェアは、2025年度以降もさらに拡大するようだ。2025年度は、総出荷台数が前年度比11.2%増で3,454万台、2026年度は3,362万台、以降は3,275万台、3,407万台、3,327万台、3,513万台にのぼると予測されている。2025年度のスマホ出荷台数は前年度比11.0%増で3,335万台と推測され、2年連続で2桁の回復が見込まれている。
2026年度以降は、3,217万台、3,189万台、3,326万台、3,251万台、3,441万台となり、スマホの出荷比率としては2030年度には98%に拡大すると予測。これまで同様、携帯キャリアの競合争いが続き、買い替えや乗り換えによってスマホの出荷台数は安定性が保たれる見通しだ。昨今、タッチ決済や各種認証機能など、スマホにしかできない機能の重要性が増しているため、今後のシェア増加にも大きな期待が持てるのではないだろうか。
【メーカー別シェア】アップルは携帯電話の出荷台数シェアで14年連続トップを飾る結果に

2024年度通期におけるスマホのメーカー別のシェア率はどうだろうか。グラフから読み取れる通り、アップルのシェア率がダントツ1位で、全体の50%以上を占めるという結果に。同社の総出荷台数は前年度比15.1%増で1,539.7万台。全体の総出荷台数としても50%弱のシェア率を誇っている。アップルは14年間、他のメーカーに王座を譲らずトップを走り続けているため、携帯電話市場ではもはや殿堂入りしているといっても過言ではない。
2位にはシャープがランクインし、以降はグーグル、サムスン電子、FCNT、京セラが続いた。なお、スマホの出荷台数においては、シャオミが京セラを下して6位にランクインした。総出荷台数の上位6メーカーのシェア率を合計するとメーカー全体の約9割を占めていたことから、他のメーカーが上位争いに食い込むのは簡単なことではないのかもしれない。しかし、変化の目まぐるしいこの時代だからこそ、新勢力登場の可能性もあるため、今後の携帯電話市場にも注目したいところだ。
出典:【MM総研】
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記事提供元:スマホライフPLUS
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