「機能性は文句なし!」 1本11万円の『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』を試打してみた
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、ブリヂストンスポーツが、2025年1月17日に発売。ミクロンレベルの精密な加工技術を持つ「無限」(株式会社 M-TEC)との共同開発で超精密ミルド加工を更に進化させた「バイティングスピン ハイブリッドミーリング」が、球の食いつき、乗り感、スピン性能を追求したウェッジです。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』のコピーは、“さらなるスピン性能を追求した高精度フルミルドウェッジ”です。
最初に注目するポイントは、価格です。1本、112,200円(税込)。いわゆる『無限 ウェッジ』シリーズでも最高額です。この金額でも、以前ならプロ専用で手に入らなかったウェッジが入手できるのであれば、十分に価値があると考える人もいます。それに、試打をする前から、この価格で悪いクラブであることはあり得ないので、答えは出ていると考える人もいるでしょう。
テクノロジーの説明を聞いていて、ビックリするのは、聞いたことがない用語が出てくることです。「バイティング スピン ハイブリッド ミーリング」は、溝と溝の間の加工です。横線の平行ミーリングは「超精密加工」、垂直と斜め方向の「ピコ秒レーザー」はレーザーミーリング処理をしているそうです。ピコ秒とは、一兆分の一秒のことで、加工時のバリや熱影響が少ないから高精密加工が可能になるそうです。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、外観も歴代で最も良いのです。特に、ソールの削り出しが見事です。職人がギリギリまで削った感でバリバリです。これだけで十分に打ちたくなります。
そして、丸い。シェイプが丸いのです。丸いウェッジが好きだというオールドゴルファーはたくさんいます。僕もその一人です。バックフェースも美しいです。オマケという感じで、ボールが当たる場所ではないのに技術力の高さを見せつけています。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、はたして、どんなウェッジなのか? 価格の意味があるのか?期待に胸を膨らませて、『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』の52度、58度のロフトを試打しました。試打した日は、気温-6℃~7℃。快晴でした。使用したボールは、使い慣れていてクラブだけの影響に集中しやすい『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』の打音ですが、音量はやや控え目です。音質は独特の濡れた鞭系で低音強調音質です。打ち応えは、軽いけど、しっかりした乗り感があります。手応えは、敏感で、クリアな芯感が快感です。
【弾道・球筋】
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、高弾道。高低の打ち分けに敏感に反応して、くれます。開いて使っても、カット感が弱いところは良いです。
【スピン性能・距離感覚】
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』のスピン性能は、過去最高です。グリーンの中央に落ちたボールがスピンでグリーン手前エッジまで戻ったホールがありました。ショートゲームでもスピンの効きは強烈で、ツアーユースというより、馬鹿みたいなスピンだと呆れました。距離感も出しやすく、ソールが縦横無尽に働いてくれる効果を感じさせました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、スピン大好きなゴルファーにオススメです。スピンを買ったと思えば、高額な価格は惜しくないかも知れません。
スピンは別としても、構えた感じや、ソールの働きがわかりやすいことなどで、『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は欲しくなる1本でした。もし、56度があったら、と考えたら怖くなりました。
ウェッジは消耗品です。ツアープロの場合、敏感なケースだと毎試合新品を使用するそうですし、バンカーショットを練習するとフェースの溝の痛みが激しいので、本番用のウェッジは使わないそうです。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は高額ですが、耐久性は特殊どころが、普通のフルメッキしているウェッジよりも劣ると思われます。何ともやるせない話です。
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、コスパとか、見合う機能とか、そういうことで購入を検討するのは、たぶん、間違いです。遊び心でアプローチを楽しむためのウェッジが『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』なのです。
冒頭に書いたように、高額の価格に外れなしというのも事実です。高機能で、文句がないウェッジに仕上がっています。『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』は、「無限ウェッジ」の完成形です。覚悟を持って実物に触ることをオススメします。試打しなくとも、触っただけで無意識に買ってしまうぐらいのインパクトがあるのです。
【試打ギアスペック】
『B-Limited BITING SPIN フルミルド ウェッジ』
ヘッド素材 軟鉄(S20C)
ロフト 52度、58度 ※58度にFF(フルフェースに溝がある)あり
シャフト N.S.PRO MODUS3 TOUR120 (S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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