ツアープロでも16.5度の3Wが流行中! たった1.5度のロフト差で右のミスが減ってキャリーが伸びる!
ドライバーで9度よりも10.5度のヘッドのほうが高くつかまったボールを打てるのと同じで、3Wでも1.5度の差が弾道に大きく影響する。同じモデルでも15度よりも16.5度のほうがやさしくボールがつかまり、高い打ち出し角でキャリーを伸ばすことができる。最近はツアープロでも16.5度の3Wが流行しているという。
フェアウェイウッドの定番とされるのは15度の3番ウッドで、16.5度の『3HL』(4番ウッド相当)を選ぶゴルファーはそう多くない。しかし、ツアープロの愛用者がいることからも分かるように16.5度のフェアウェイウッドには他の番手にはないメリットが存在する。
2024年シーズンから米ツアーを主戦場に戦い、シード権を獲得した久常涼。15度のフェアウェイウッドだと球の上がりにくさを感じることから、16.5度のモデルを使用している。昨年2勝の幡地隆寛は、3番ウッドにタイトリスト『GT3』(16.5度)ヘッドを使用。「ずっとロフト15度を使っていましたが、距離を抑えて置きにいくときに飛び過ぎることが多かったので……。このロフトなら、楽に高い球を打てるし、低い強い球が打てるスペックなんです」と語っている。
ギアに精通するプロ、筒康博は 「9度と10.5度のドライバーをイメージすると分かりやすいでしょう。同じ長さ、ヘッドサイズでもロフトが1.5度寝ているだけでボールをつかまえやすくなりますし、弾道も高くなりますよね。フェアウェイウッドでも同じことが言えて、15度のロフトを16.5度に寝かせるだけで、一気に高打ち出し・低スピンの飛ぶ弾道が打ちやすくなります。同時に構えたときの安心感やボールの拾いやすさも向上しますので、フェアウェイウッドの使い勝手が劇的に変わるのです」と話す。
最新モデルのフェアウェイウッドを見ると、ピンやホンマなど、新たに16.5度のヘッドを追加したメーカーも少なくない。3番ウッドはバッグインしていても、コースで使わない人の多いクラブだが、16.5度の『3HL』(4番ウッド相当)に置き換えるだけで、ロングショットのお助けクラブになってくれるはずだ。
16.5度のフェアウェイウッドを選ぶには、2つのポイントがあると筒はいう。
「まず見て欲しいのは地面からネックまでの高さです。高いほど、そこに重量があるので重心距離が短くなり、操作性が高まります。オートマチックなやさしさを求めるならネックの低いモデルを選ぶと良いでしょう。次に見てほしいのが重心角です。シャフトを水平にしたときのフェース向きでチェックすることができ、上を向くほど重心角が大きくなります。重心角が大きいほど、重心が深いヘッドということになりますので、インパクトでロフトが寝て、高く、スピンの入ったボールが打ちやすくなります。飛距離を重視する場合は、重心角の小さいモデルがおすすめ。最新の16.5度の『3HL』は狙った弾道が出せるようにネック高さと重心角を細かく調整しています。数値のバランスをチェックすることが大切です」
飛びを重視するのか、やさしさを重視するのかで選ぶべきモデルは異なる。最適な『3HL』を見つけるには、ネックと重心角をチェックすることだ。
【今回試打したフェアウェイウッド】
ホンマ:TW767(4W)
ピン:G440 MAX(4W)
キャロウェイ:ELYTE(3HL)
テーラーメイド:Qi35(3HL)
コブラ:DS ADAPT X(3HF)
タイトリスト:GT2(16.5度)
◆試打・解説 筒 康博
つつ・やすひろ/インドアゴルフレンジKz亀戸店ヘッドコーチ。最新ギアの性能とそれを最大限に引き出すスイング理論に精通する。
◆試打・解説 小坂圭司
こさか・けいじ/インドアゴルフレンジKz亀戸店支配人。所属コースでクラブチャンピオンを取った経験を持つトップアマで、ドライバー飛距離は300ヤードを超える。
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今季はユーティリティの当たり年と言われている。関連記事【ウソだろ? ヘッドは『上』と『正面』から見たら性能が分かるの? 最新UT21機種の”顔”に注目!】を読めば、ピッタリモデルがわかります。
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