地域防災力の強化を目指すなら人員の確保が重要 「消防団員の確保に向けたマニュアル」を公開
有事の際に地域で重要な役割を果たす消防団。一方で、消防団員数は、社会全体の人口減少や少子化の進展、被用者の割合の高まり、若年層の価値観の変化などを背景に減少が続く。昭和29年には約200万人いた消防団員が、2024年度には約74万7000人(総務省調査) となり、地域防災力の低下が懸念されている。
そこで消防庁は、「消防団員の確保に向けたマニュアル」を、このほど公開した。社会課題の早期解決に挑む「Ridilover」(東京)が同庁からの委託を受け、34の自治体や有識者へヒアリング調査を実施。消防団の団員確保におけるノウハウや取り組み事例をまとめたマニュアルを作成した。
地域の消防団は、災害時に迅速に対応し、消火や救助、避難誘導を行うとともに、日常では防犯パトロールや救命講習、防災教育を通じて住民の安全と生活を支え、地域防災の中心的な役割を果たしている。2024年1月の能登半島地震発生時も、石川県の輪島市消防団や珠洲市消防団をはじめ、約600人の消防団員が自らも被災しながら、地域住民の命と安全を守るべく、懸命に活動を展開した。
マニュアルは、地方公共団体や消防団関係者に対して、消防団の入団促進のポイントを体系化された状態でわかりやすく伝えるために作られている。消防団員の確保、特に女性や若年層など新たな担い手の確保に向け、「消防団をとりまく現状」「団員確保において最初に考えるべきポイント」「地域の現状の把握」「消防団の魅力発信のポイント」「新規団員確保に向けた働きかけのポイント」「働き方改革等の環境づくりのポイント」などについて、事例とともにノウハウをまとめている。消防団活動に関心がある人にも、参考になりそうだ。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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