【Lemino BOXING】「バッチリ仕上げました」と自信のコメント。 “モンスター”井上尚弥が万全のコンディションで韓国の刺客を迎え撃つ
1月24日に東京・有明アリーナで開催される「NTTドコモ presents Lemino BOXING世界タイトルマッチ」の記者会見が22日、横浜市内のホテルで行われ、スーパーバンタム級4団体統一世界王者の井上尚弥(大橋)と挑戦者のWBO11位キム・イェジュン(韓国)が試合への意気込みを語った。
試合まであと2日、メディアの前に登場した井上はいつもどおり落ち着いた様子でマイクを握り、自信に満ちた声でファンにメッセージを伝えた。
「まず、サム・グッドマン戦を楽しみにしてくれていたファンの方々には非常に申し訳ない形になってしまいましたが、キム選手が代役を受けてくれたことに感謝しますし、この試合を最大限リスペクトしてバッチリ仕上げました。試合当日は全力で挑みたいと思います」
今回の試合は開催までに異例の展開を見せた。まずは12月、試合10日前に挑戦者のサム・グッドマン(オーストラリア)が負傷して1カ月の延期が決定。さらにグッドマンが今月に入って再度負傷して急きょキムが代役に指名されるという慌ただしさだった。
こうした非常事態にも井上は動じなかった。1カ月の延期は「長期間かけて体を仕上げるのは自分にとってプラスになった」と前向きに捉え、対戦相手の変更にいたっては「全く何とも思っていない」と言い切った。井上には「自分はどんな相手にも対応できる引き出しを持っている」という確かな自信があるのだ。
一方、代役オファーを受けて即OKしたというキムは「井上選手と対戦するのはすべての選手にとって光栄なことだと思う。とてもいいチャンス。楽に終わらせるつもりはない」と意気込みを語り、「私のスタイルでノックアウトしたい。井上選手には1ラウンドからベストな姿を見せてほしい」と格上チャンピオンに堂々と宣戦布告した。
記者会見にはアメリカで井上を共同プロモートする大手プロモーション、トップランク社CEOのボブ・アラム氏も駆けつけた。御年93歳、ボクシング界の生き字引でもあるアラム氏は井上とマニー・パッキャオを比較する質問に対して「パッキャオは素晴らしいチャンピオンであり、伝説的なキャリアを積んできたが、私に言わせれば井上のキャリアのほうが伝説的だと思う」と断言した。
記者会見後には「井上がどれだけ唯一無二で特別な存在であるか、皆さんにはもっと理解してもらいたい。私はボクシングを60年以上見てきたが、彼のような選手はいない」とあらためて日本の至宝に最大限の賛辞を送った。
アラム氏によると、次戦はラスベガスの大会場が予定されており、「アメリカのファンは井上の試合を楽しみにしている」と言及した。井上も「今年はアメリカ、サウジアラビアと海外進出する年になる」と明言し、今回の試合はさらなる飛躍に向けて重要な一戦になるとアピール。気持ちの緩みを一切感じさせなかった。
文=渋谷淳
[開催概要]
NTTドコモ presents Lemino BOXING 世界タイトルマッチ
井上 尚弥(大橋) vs キム・イェジュン(韓国)
開催日場:2025年1月24日(金)
会場:有明アリーナ
<対戦カード>
◎メイン
WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座防衛戦12回戦
井上 尚弥(4団体王者=大橋) vs キム・イェジュン(韓国)
◎セミファイナル
OPBF東洋太平洋&WBOアジアパシフィックウエルター級タイトルマッチ12回戦
佐々木 尽(OPBF・WBO AP王者、八王子中屋) vs 坂井 祥紀(横浜光)
◎60キロ契約10回戦
奈良井 翼(RK蒲田) vs 渡邉 海(ライオンズ)
◎日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦
下町 俊貴(日本スーパーバンタム級王者、グリーンツダ) vs 平野 岬(三松スポーツ)
◎WBOアジアパシフィックミニマム級タイトルマッチ12回戦
小林 豪巳(真正) vs 高田 勇仁(ライオンズ)
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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