干支にちなんだ「巳」「蛇」がつく"吉駅"を市川紗椰がピックアップ!「鉄道スポットだと蛇窪信号場が個人的に一番」
辰年→巳年にぴったりすぎる年越しスポット、辰巳駅にて
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、市川紗椰が今年の干支にちなんだ「巳」「蛇」がつく鉄道スポットを紹介。
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明けましておめでとうございます。2025年最初の1週間は、いかがお過ごしでしたか? のんびりした人、普通に仕事した人、もう忘れた人など、いろいろあったかと思いますが、とにかく平和なお正月だったことを願っています。
初詣をきちんとやる習慣が薄い私ですが、去年と同じく、今年も干支(えと)にちなんだ"吉駅(勝手に吉だと決めてます)"に行きたいですね。ということで、「巳(み)」「蛇」がつく駅、カモン!
まず押さえたいのは東京メトロ有楽町線の「辰巳(たつみ)駅」ですね。去年の干支「辰」と今年の「巳」ですから、どっちかというと年越しに最適。駅周辺は少し殺風景で、カウントダウン向きじゃないかもですが、駅近くの公園に独特な配置のパンダの遊具が大量発生していたり、散歩にはいいかもです。
同じく散歩に向いてる"吉駅"は、群馬県を走る上信電鉄の「南蛇井駅」。読み方は「なんじゃい」。車内アナウンスが「次はなんじゃい~」と急に忘れっぽくなるのもお気に入りポイント。
難読駅名でもあり、語感から珍駅名として人気な南蛇井駅ですが、1887年(明治30年)にできた木造の駅舎も愛らしいです。まるで映画のセットのようなレトロ感。駅近くに昭和の薫りぷんぷんのドライブインがあったり、富岡製糸場へのアクセスもいいロケーションです。
私は以前、南蛇井駅周辺を散歩して、揚げホルモンを食べたり、「南蛇井」という地酒を飲んだり、日帰りプチ旅行を楽しみました。ちなみに「南蛇井」の由来は諸説あるそうですが、私が読んだものはいずれも「蛇」に直接は触れてませんでした。
ほかの蛇駅は、宮城県の仙台と石巻を結ぶJR仙石(せんせき)線の「蛇田駅」(読みが「へびた」でかわいい。蛇を飼ったら安易に「へびた」と名づけよう)や、青森県のJR八戸(はちのへ)線の「大蛇駅」(「おろち」と思いきや「だいじゃ」)と、いずれも東北方面。なんとなく「おろち」は山陰のイメージでしたが、山陰に蛇駅はなし。
市川的、一番の干支×鉄道スポットは「蛇窪(へびくぼ)信号場」! 現在はJR大崎駅の構内という扱いで、正式な信号場ではないですが、機能や設備は以前と変わらず使われている"平面交差の聖地"です。
蛇窪は湘南新宿ラインと横須賀線が分岐するポイントで、湘南新宿ラインの渋谷・新宿方面が横須賀線の下り線をまたぐ形に配線されています。ということは、横須賀線の下りと、湘南新宿ラインの北行きの列車が同時に蛇窪を通過することができないのです。
そのため、多くの列車が通過の順番待ちをする、都内有数のボトルネックになっています。ラッシュ時は10分以上踏切が開かないこともあって、地元の方には不便な蛇窪ですが、鉄道好きにとっては見応え満載な場所!
横須賀線E217、E233系、E235系、成田エクスプレス、特急湘南、特急踊り子、相鉄12000系など、列車通過の頻度はもちろん種類も豊富。さらに、上の高架には東急大井町線が。そして、さらに上が東海道新幹線! 一日いても飽きません。
いや、すぐ飽きるよ、と思っているあなた。近くに「蛇窪神社」という神社もあるそうです。白蛇を祭る開運スポットとのこと。初詣に合わせて伺うのはいかがでしょう。
●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。今年こそ自撮りがうまくなることを願ってる。公式Instagram【@sayaichikawa.official】
記事提供元:週プレNEWS
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