グローバルヒストリーで邪馬台国、ヤマト王権に迫る　日本のルーツを掘り下げる一冊

　私たちの国のルーツを掘り下げ、古代史の空白に迫るNHKスペシャル「古代史ミステリー」が本になった。『新・古代史　グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』（NHK出版）が1月10日に発売された。卑弥呼と三国志、空白の四世紀と技術伝来、倭の五王と東アジア情勢など、最新の発掘調査とAI・DNA分析などの科学的アプローチ、中国や韓国の国際研究の成果から、「日本」という国の始まりを多数の写真や図版とともに描き出す一冊。

　中国の歴史書「魏志倭人伝」に登場し、この国の黎明（れいめい）期に女王となった卑弥呼。古代日本のルーツに迫る手がかりとしてさまざまな研究がなされてきたが、今も分からないことは多い。卑弥呼が活躍したとされるのは3世紀だが、4世紀は手がかりとなる記録が中国の歴史書から消えることから「空白の4世紀」と呼ばれていて、当時の日本でどんな国づくりが行われていたのか、文献から確かめることができないという。

　5世紀に中国の歴史書『宋書』倭国伝に突如、ヤマト王権を率いた「倭の五王」が現れる。多くの謎とロマンで満ちあふれる古代。“最新の歴史情報“を追うのにぴったりの本だ。税込み1078円。