なぜ上田桃子、川崎春花、桑木志帆は古いモデルを使い続けるのか?
あえて最新クラブを使わずに、古いモデルを長年使い続ける女子プロもいる。その理由は、イメージと距離がピッタリ合致する“マイ名器”だからだ。
今季ツアー撤退を表明した上田桃子は、2016年発売の『APEX』アイアンを使い続けていた。リーティングエッジ側とトレーニングエッジ側を削ることで、抜けを良くしており、イメージ通りのヘッドの入りで、ピンを狙い打ちできるため、手放せなかったようだ。
また、今季3勝を挙げた川崎春花は、ジュニア時代から同じウッドとアイアンを使い続ける。ドライバーやフェアウェイウッドは2020年発売の『SIMグローレ』、アイアンは2018年発売の『Mizuno Pro 719』を愛用する。本人は、「振った方が曲がらないので、そういうやさしい点を気に入っています」と理由を話す。
同じく今季3勝を挙げた桑木志帆は、8年間同じアイアンのモデルを愛用し続ける。『ツアー B X-CB』については「打感が特に好きで、柔らかい打感がいいですね。ボールがフェースに乗る感覚が良くて、ボールが凹む感覚があり手放せません」と絶賛する。
女子プロが同じモデルを愛用する要因について、クラブフィッターの吉川仁氏は以下のように語る。
「ギアは日々進化しています。最新モデルになるほど、飛距離性能や寛容性は間違いなく高くなります。一方で、最新クラブがすぐに使える環境にある女子プロでも、キズだらけの過去モデルを長年愛用している人がいます。その理由は、プロの感覚とそのクラブの飛距離性能がピッタリ合っていて、距離感が体に染み付いているからです。シニア世代も全てイメージ通りに飛ぶ“マイ名器”を見つけて愛用するのもありですね」
最新モデルを試打するよりも、自分に合ったモデルを探す方がスコアアップの近道なのかもしれない。
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