今年のプロテスト合格組は何人がレギュラーで開幕を迎える? トップ合格、ステップ優勝者も苦戦「這い上がります」、悔し涙流す選手も…
11月1日まで行われていた今年の最終プロテストでは、26人の“ルーキー”が誕生した。これは合格基準が現行の20位タイになった1997年以降でみると、2014年に並ぶ最多タイの人数だ。さらに11月29日まで実施されたQTファイナルステージには、そのうちの18人(棄権1人)が参加した。
この97期生たちのなかで、トップ通過を果たしたのはトータル2アンダーでQTランク6位が付与された永田加奈恵。兵庫・滝川第二高で1学年先輩だった古江彩佳に憧れ、今年の春に近大を卒業した23歳は、「あの舞台で戦えるのはうれしい。1年目の目標は(メルセデス・ランキング)50位以内に入って、シード権を取ることです」と目を輝かせる。
このほか、トータルイーブンパーでQTランク14位になった徳永歩や、同18位の入谷響、トータル4オーバーで同36位の吉田鈴、同37位の荒木優奈までは、“前半戦フル出場ライン突破”と言って問題なさそうだ。
さらにトータル5オーバーの同42位・手束雅も、多くの出番が回ってきそうな位置につけた。しかし“一打の重み”がより大きいQTにおいて、最終日の最終18番で叩いたボギーは「それが分かっていた(一打の重み)ので、なおさら悔しい」と後悔。オフの課題には「15~20ヤードの飛距離アップ」を挙げる。「身長(167センチ)を生かしきれてない(現在220~230ヤード)ので、もっと前に飛ばせるように」とレベルアップを目指す。「今のままでは予選通過するか、しないか。上位をしっかり狙って優勝争いができるように」と意気込みを示した。
一方で、今年4月のステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」を制した都玲華は、トータル6オーバーの同53位と、限定的なレギュラー出場権確保にとどまりそう。「これが今の現状。でも来年はステップでも戦える場があることに感謝。レギュラーにも出られるように頑張りたいです」。もちろんレギュラーツアーにまったく出られないという位置ではないため、気持ちを切り替えてオフに向かう。
今年のプロテストでトップ合格を果たした寺岡沙弥香も、トータル7オーバーの同54位と苦戦を強いられた。トータル8オーバーの同66位で終えた六車日那乃は、「悔しい」と目にいっぱいの涙をためながら唇をかんだ。この後に続く山下心暖、中村心、古家翔香らも、来季はステップ・アップ・ツアーが主戦場になる位置。数少ないチャンスが来たらそこで活躍し、リランキング突破というのも目指すところだ。
昨年のケースと照らし合わせると、18人のうち来季前半戦にフル出場、もしくはそれに近い形で出られそうなのは6人程度といったところか。それ以外の選手も最大8試合の推薦や、主催者推薦選考会(マンデートーナメント)も駆使して、1年目から躍進してもらいたい。以下、主なプロテスト合格組のコメント。
■永田加奈恵(QTランク6位)
「チャレンジャーの気持ちでやりました。(出身の滝川第二高の)先輩はみんなすごいので、その背中を追いかけたいです。(憧れの古江彩佳は)すごすぎるので、少しでも追いつけるように。プロテストが終わったら、すぐにQTも始まってバタバタしていたので、今はホッとしています。1年目の目標は(メルセデス・ランキング)50位以内に入って、シード権を取ることです」
■吉田鈴(同36位)
「途中のリーダーボードは見ず、『とりあえず1個でも伸ばせば大丈夫』と思ってプレーしていました(最終日の結果は「72」)。すべてを出し切ることはできない4日間でした。オフはいいところをもっと伸ばして、決めないといけないパットを一発で決める練習をしたい。来年は、まずしっかりとシードを取ることが目標です」
■荒木優奈(同37位)
「オフはしっかりと体力強化をして、1年間戦えるようにしたいです。あとはマネジメントの勉強も頑張りたい。(初めてプロキャディを起用し)すごく良かったです。でも来年は、まず収入が安定するまではハウスキャディさんとか、『担がせて』って言ってくれる友達にお願いすることになりそうです(笑)。地元の熊本は環境が整っているので、そこで基礎を作っていきます」
■手束雅(同42位)
「疲れも多少あるなかで、なんとか耐えられたと思います。初めてのQTの割にはまずまずですかね…悔しいですけど。来年はオフ次第だと思う。しっかり準備して常に上位争いができるように頑張りたい。今のままでは予選通過するか、しないかだと思う。上位を狙って優勝争いができるように頑張ります」
■都玲華(同53位)
「風も強くて、うまいこといかなかったけど、これが現状だと思う。課題は“全部”ですね。特にパターだけど、今はすべてが良くなくてズルズルといってしまう。どれかひとつでも良ければ耐えることもできると思うけど、それができませんでした。来年はステップから這い上がる気持ちでいきたい。年間(ランキング)1位になって、レギュラーツアーの前半戦出場権を取ることに目標を切り替え、オフに取り組んでいきます」
■寺岡沙弥香(同54位)
「(QTは)テストに比べたら1ミリも緊張せず、コースで普通にプレーできました。アンラッキーなことが起こっても、そこから別の方法でなんとかする力をつけたい。もし(レギュラーで)出られる試合があれば、後半戦の出場へ向けてうーんと(ポイントを)稼げるように頑張りたいです。できれば来年はQTに来なくてもいいような成績を残したい」
■六車日那乃(同66位)
「(「77」だった最終日が)悔しいです。評価もあまり…。コーチと話しながら、自分の感覚と違った部分や、もっといい選択ができるよう、いい考えにしていけるように頑張りたいです」
■中村心(同74位)
「風も強く、アプローチ、パターでも苦しめられました。強風にも対応できる球の低さやコントロール、マネジメントの練習が必要だなと思いました。ステップ・アップ・ツアーで賞金ランク1位になることを目標にして、いずれレギュラーツアーの上位で叩けるような準備を、このオフにしていきたいです」
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