ウソだろ!? ヘッドは15g増量、シャフトはアイアン用…… メジャーV・桑木志帆のこだわりパターがスゴ過ぎた
国内女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」を制したツアー3年目の21歳、桑木志帆。今季は「資生堂レディス」でツアー初優勝を遂げ、「ニトリレディス」で2勝目。そして年間3勝目となるメジャー初制覇を支えたのは、パッティングだった。使用したパターを取材すると、そのこだわりがすごかった。
最終戦の4日間で活躍したクラブを聞くと「ウェッジとパターですね」と桑木は答えた。芝目の強いコーライグリーンが特徴の宮崎CC。ショートパットも油断できないと選手が口をそろえる難グリーンでも、4日間3パットは1度もなく、平均パット数は27.5。出場40人中2番目に少ない数字を残した。ツアーを代表するショットメーカーにとっては納得の数字だった。
ガッツポーズをする桑木の手に握られていたパターはピンの『PLDアンサー2』のプロトタイプ。ネック部分には「SHIHO」の文字が刻まれたパティーナ仕上げである。このモデルは「日本女子オープン」の頃から使用しているが、ヘッドの後方部分に左右合わせて15グラムほどのタングステンが埋め込んである。
その理由について桑木は「グリーンでもうちょっとコロがって欲しいと思って重くしたいとお願いしました」と、ピンの担当者に相談したところ、クロウグリップの桑木のストロークテンポに合わせて重量決定した。
また、シャフトにもこだわりがあった。「最初はステップのないパター用のシャフトを使っていましたが、少ししなる感じに違和感があったので、しっかり感が欲しいとお願いしました」と桑木のオーダーを受けてカスタムされた。
通常、パター用のスチールシャフトはステップの無いものがほとんどだが、桑木仕様にはステップがある。実はこれ日本シャフトの『N.S.PROモーダス3 システム3 ツアー125』のピッチングウェッジ用のフレックス「S」だった。これによりしっかり感とパター用のスチールよりも10グラムほど重く仕上げられている。ピンの担当者によると、しっかり感が欲しいという要望に対して、アイアン用のダイナミックゴールドのX100などを入れるカスタムもあるという。
これだけでも繊細さを感じるが、最終戦用にまたひと工夫を施していた。中村修コーチの提案もあって、ヘッド形状は変わらないがロフト角を3度から4度にしたモノを投入していた。「打ち出しからボールが芝目に持っていかれることがなかったので、ラインに集中することができました」とその効果を実感している。
ロフトを1度寝かすことで目視では難しいが、打ち出したボールがほんの少しだけ浮くため、打ち出した直後の芝をボールが超えることで、打ち出しの芝目に影響されにくくなったという。
昨年出場時の平均パット数は29.75。1日当たり2打以上縮めた計算になる。細かい重量などを調整して自分にフィットしたパターに仕上げ、グリーンの芝種によってロフト角を替える“こだわり”がメジャー制覇につながったのだった。
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