29位でQT突破も葭葉ルミに募る危機感 飛ばし屋休止も?「すべてを見直さないと」
<JLPGAファイナルQT 最終日◇29日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
ツアー1勝の31歳、葭葉ルミは4日間トータル3オーバー・29位で来季前半戦のレギュラーツアー出場権を獲得したが、手放しではよろこべない4日間となった。
プロ13年目で、ツアー屈指の飛距離を武器に2014年に初シードを獲得。16年にはツアー初優勝を遂げたが、2020-21年シーズンにシード権を喪失した。以後、シード復帰の道は遠く、今季はメルセデス・ランキング74位。QTはファーストステージからファイナルへとコマを進めていた。無事に来季の“職場”を確保する位置で終えたが、「フラストレーション溜まりまくりでした。バーディが獲れていなかった…」とよろびの声はない。
3日目の出だし1番パー5で1メートルを沈めてバーディを奪ったが、その日はこの1つのみ。最終日も1番から出たが、初バーディは12番パー3まで待たなければいけなかった。「グリーンオーバーして、『絶対に寄らないでしょう』というアプローチが入ってのバーディ。29ホールぶりのバーディがそれです。バーディパットが全然入らなかったんです」。ようやく“会心”が来たのが17番パー5の1.5メートルと時間を要した。
4日間で奪ったバーディは8個。ボギーは8個でトリプルボギーが1個。スコアカードを見るとベテランらしく、まとめているように思えるが葭葉自身はそうではない。「QTなので耐えるのはもちろんなんですけど、これをずっとやるんだったら来シーズンも厳しい戦いになる。自分のプレーを考えないといけないですね。今回の結果はちょっとショックでした」。4日間のバーディの数の少なさに危機感を覚えた。
「(この4日間はピンの)近くにつけてもダメ、パー5で(グリーンの)近くまでもっていってもダメ。たいしていいショットもなかったし、いいパットもなかった。逆にミスがスコアに直結した。すべてを見直さなければならない」。今回のコースはどちらかといえば苦手の部類に入るが「それを理由にするとほかのコースもダメ」と自分を厳しく分析する。
今季は18年以来3度目の「ドライビングディスタンス1位」を目標に戦った。そして自己最高の262.89ヤードを記録。竹田麗央の263.19ヤードにわずかに及ばず2位だったが、存在感を示した。「ディスタンスは大健闘ですよ。でも来年はいいかなって思っています。振らなくても飛ぶから。飛ばさなくてもいいから曲げたくないですね」。飛ばし屋を一時休止することも視野に入れる。
年齢的な問題もある。かつては練習の虫として知られ、トーナメント期間中でも日没後に街の練習場で打ち込むことが日課だった。「体力的に以前ほど練習できないですよ。私は努力できなくなったらただの凡人。今、努力ができない状況だからうまくなる見込みがない。これまでの自分をベースにして、今までやったことないことをやらないといけないかなとも思いました」。16年以来の優勝、19年以来のシード復帰に向け、努力を補う“何か”を探すオフになる。(文・小高拓)
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