高層マンションに住む女性、自分専用の非常口をつくる 外壁を壊してドアを設置(中国)
中国では建築基準を満たさない建物が倒壊し、頻繁に問題視されている。そんな中、湖南省常徳市在住の女性が自宅マンションの壁を勝手に取り壊し、非常避難路を設置したことで非難の声が上がった。この彼女専用の非常口は、建物の耐荷重性を損なう結果となった。香港のニュースメディア『South China Morning Post』などが報じた。
中国・湖南省常徳市武陵区にある32階建ての高層マンションに住むワンさんという女性が、今月初旬に市の都市管理局からマンションの構造を危険にさらしたとして勧告を受けた。香港のニュースメディア『South China Morning Post』によると、マンションの28階に住むワンさんは数か月前、外壁に鉄製のドアを設置し、隣の建物に通じる階段も取り付けていた。
ワンさんは、マンション管理組合の許可を得ずに建設業者に依頼し、壁を勝手に取り壊したうえ、鉄筋を切断してドアを設置した。彼女は、安全上の懸念からドアと階段を設置し、「火災時にはこのドアを通じて隣の建物に避難するつもりだった」と話している。
近所の住人が撮影したワンさんの非常口の写真は、SNSで拡散されており、手すりのない階段がドアから隣の建物へと渡されていた。SNSで注目を集めたこの写真は、都市管理局への通報を引き起こし、ワンさんは当局から壁を修復するよう命じられた。
また当局の調査により、ワンさんが壁の鉄筋を切断していたことが判明した。それによりマンションの耐荷重性が損なわれていたことが確認された。
今回の違法改修の件が複数のメディアに報じられると、ワンさんに対する非難が相次いだ。
「そんなに火災が怖いなら、高層マンションに住むなよ!」
「火災よりも先に人災を招くとは。」
「外壁の改修は絶対に許されるべきではない!」
また中国では、ワンさんのように勝手な改修を行う人がほかにもおり、次のような苦言も寄せられた。
「最近の一部の住人は勝手に改修をしてしまう。うちのマンションも、後から住み始めた人が窓や壁をめちゃくちゃに変えてしまうのに、誰も注意しないから困っている。当初は統一感のある美しい外観だったのに。」
『South China Morning Post』は、今年5月に中国・広西チワン族自治区でマンションが倒壊し、2人が死亡した事故についても報じている。地元政府は事故原因を、建物の構造を支える耐力壁の解体という住人の違法行為にあると断定していた。
画像は『South China Morning Post 「China resident builds fire escape door, stairs to nearby block, ordered to restore structure」(Photo: 163.com)(Photo: SCMP composite/Baidu)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
記事提供元:テックインサイト
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