“病み上がり”の安田祐香は成長を実感する3日連続のアンダーパー 「最後は伸び伸びやりたい」
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 3日目◇23日◇宮崎カントリークラブ◇6497ヤード・パー72>
2年連続2度目の出場の安田祐香は我慢のゴルフでスコアを一つ伸ばし、トータル4アンダーで8位タイと上位をキープした。ショットの調子は今ひとつで、3日目までのフェアウェイキープ率は50%(21/42)。それでも、2日目に続いてボギーは1個に抑え、9番と11番のパー5でバーディを奪い、「71」と3日連続のアンダーパーで回った。
「ショットは残り3ホールになってようやく良くなってきた。それまでは全然ダメでした。当たりが薄いのがイヤで、いろいろ考えていたら、左に曲がったりして、ぐちゃぐちゃ。今週はすべてがかみ合っていないけど、大きなミスはない。きょうも1つ伸ばせてよかったです」
昨年は初シードを手にしたメルセデス・ランキング35位の資格で初出場を果たして16位。今年は9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でつかんだ念願のツアー優勝の資格で宮崎にやって来た。
2週前の「伊藤園レディス」は最終日を首位で出て、最後まで2勝目の可能性を残していたが、2位に終わった。ショットは好調。優勝は逃したが、いい流れで最終戦を迎えられるはずだった。しかし、前週の「大王製紙エリエールレディス」は体調不良で欠場した。強行出場も考えたが、「ゲストの方に迷惑をかけてはいけない」とプロアマ大会を休んだ時点で決まった欠場だった。
プロアマ大会を休んでも、シーズン中に一度だけは本戦に出場できることがツアー規定で定められている。安田は10月の「スタンレーレディス ホンダ」で、この“カード”をすでに切っており、大王製紙エリエールの出場は叶わなかった。「体はもう大丈夫です」と話していたが、正確性が武器のショットが乱れていることから、体調はまだ万全ではないのだろう。それでも、この位置。はからずも成長と底上げを実感する最終戦となっている。
「この1年を戦ってきて、優勝もできた。トップ10の回数も増えたし、最終日に伸ばせる試合も多かった。自分が思っていた以上にいい1年でした」
トップ10入りは昨季から倍増の8試合に増えた。予選ラウンドの平均ストローク71.2385に対し、決勝ラウンドは70.8852、最終ラウンドは70,5106とさらに良くなる。プロ5年目で初優勝を果たし、数字も証明する充実のシーズンの最後の一日となる最終日。「順位を求めたい位置にいるけど、欲を出さずに伸び伸びとやりたいです」。笑顔で2024年を締めくくり、さらなる飛躍を期す来季につなげる。(文・臼杵孝志)
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