元賞金王・小田孔明はシード復帰ならず 「おじさんは退散して」裏方に尽力…?
<カシオワールドオープン 2日目◇22日◇Kochi黒潮カントリークラブ (高知県)◇7350ヤード・パー72>
昨年、2007年から守り続けてきたシードを手放し、今季は生涯獲得賞金25位以内の資格で参戦している小田孔明。シード返り咲きを目指して臨んだ最終戦は、トータル1オーバー・80位タイで予選落ちとなった。賞金ランキング69位がシード権のボーダーラインだったが、同ランキング98位(392万9703円)にとどまり、シード復帰とはならなかった。
再起をかけた今シーズン。小田は今大会を含め19試合に出場したが、トップ10入りは一度もなく、12回の予選落ち(棄権1回)。「~全英への道~ミズノオープン」の25位が最高成績という厳しい戦いを強いられた。さらに、今年4月に病院で検査を受けた際、「心臓の右心房に血液が流れていない」という問題が見つかり、医師からは「負担をかけすぎないように」と警告を受けた。それでも、体調が万全ではない中、46歳の小田は今大会まで戦い抜いてきた。
「カシオくらいはいいスコアで回りたかった」。2008年から連覇を達成する好相性の地で結果を残せなかったことに肩を落とすも、その表情はどこか明るい。「三井住友VISA太平洋マスターズ」の練習日には「QTは受ける」と明言しており、その意思は変わっていない。“ダメならQT”という覚悟があったからこそ、“返り咲き”を果たせなかった結果も受け入れられている。
「QTで頑張って上位に行けたらツアーに出ようかなと思っていますし、チャレンジツアーにも出場しようかと考えています。あとはシニアに向けて、ぼちぼち体づくりを始めながら」。まずは、ファイナルQT(12月3~6日)で来季の出場権獲得を目指すことになるが、50歳を迎える4年後のシニアツアー参戦にも気持ちは向いている。
また、「賞金王を取ってからここ10年、思い通りのゴルフができませんでした」と、2014年に賞金王を獲得して以降、タイトルから遠ざかった10年間の思いも吐露。「若い選手がいっぱい出てきているから、おじさんは退散して、自分にできることとして、スポンサーを集めて試合を増やすなど、裏方の仕事にも力を入れていこうかなと思っています」。元賞金王は、男子ゴルフ界に新たな形で貢献する道も模索している。(文・齊藤啓介)
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