竹田麗央が“好事魔多し”のダブルボギーに猛省 今季ドライビングディスタンス1位はほぼ確実に「誰よりも遠くに飛ばしたい」
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2日目◇22日◇宮崎カントリークラブ◇6497ヤード・パー72>
いつも穏やかな笑みを絶やさない竹田麗央の表情が珍しくこわばっていた。1988年のツアー制度施行前も含め、2018年の申ジエ以来2人目、日本選手では史上初となる同一年メジャー3冠を目指す年間女王に落とし穴が待っていた。パー4の14番、ティショットを右の林に曲げた。2打目は横に出すだけ。3打目はグリーン奥にこぼれ、4オン2パットの「6」。8番からの4連続バーディなどで一時は単独首位に立ったが、優勝争いから一歩後退する今季10個目のダブルボギー以上(ダブルボギー9、トリプルボギー1)が悔しかった。
「風がフォローだったので越えるかなと思ったんですが、ミスショットでした。まだ2日目だったので、よかった。あと2日はもったいないミスをしっかり防げるようにしたいです」
14番はフェアウェイの真ん中に松の木が密集する丸い島のようなこんもりとした場所がある。そこを越えるには約260ヤードのキャリーが必要になる。初日は3番ウッドでセオリー通り、手前に運んだが、この日はドライバーを強振。悪くても“安全地帯”のフェアウェイかラフに着弾するはずだったボールは意に反して“松島”手前の林に吸い込まれた。単独首位の座から滑り落ちる痛恨のミスショットだった。
1打差の2位タイから出て、一時は逆転した首位の桑木志帆との差は3打差に広がった。それでも、スコアを1つ伸ばす「71」で回った。「いいショットもあって、バーディも獲れていた。途中までは良かったかなと思います。まだ2日あることをプラスに考えたいです」。14番のミスショットに悔いが残るが、クラブ選択に後悔はない。越えると思ったからドライバーを握っただけ。ツアー屈指の飛ばし屋の思考は極めてシンプルだったはずだ。
「誰よりも遠くに飛ばしたい」ー。その思いでドライバーを振り、念願のドライビングディスタンス1位の座は確実となった。今季ドラディスは前週までトップの263.06ヤード。今大会の出場資格がなく262.977ヤードで確定した2位の葭葉ルミとはわずか0.087ヤード差。1位の座を守るためには261.6ヤード以上が今週のノルマだった。初日、2日目の平均は274.25ヤード。残り2日間で“チョロ”などよほどの凡ミスがない限り、ひっくり返されることはない。
竹田を除く今大会の出場者の最上位は4位(262.23ヤード)の穴井詩だが、今大会の竹田が仮に260ヤードとした場合の逆転の条件は282ヤード。2日目まで261.5ヤードの穴井の逆転は難しくなってきた。
「ツアーナンバーワンの飛ばし屋」の称号は予約済み。あとはメジャー3冠を狙うだけ。「コースもしっかりイメージは出ているし、ショットの調子もいい感じなので、明日からまた頑張りたい。14番のティショットはもう一回、考え直し、ドライバーで打つか、スプーンで打つかを決めたい」。まずは14番にリベンジ。その先に逆転Vがある。(文・臼杵孝志)
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