PGAツアーのコースを回って改めて感じたプロへの“リスペクト” 【筆者がZOZOチャンピオンシップのコースを回ってみた】
日本で唯一開催された米国男子ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」はトータル20アンダーでニコラス・エチャバリア(コロンビア)の優勝で幕を閉じた。大会翌日の28日(月)に小平智や片岡尚之も参加するアフタープロアマが行われた。
2019年にタイガー・ウッズ(米国)が初代チャンピオンとなった当大会は、ZOZOとPGAツアーとの契約満了に伴い今年が最後の大会に。光栄なことに筆者もアフタープロアマに参加する機会をもらい、大会と同じコースセッティングでプレーすることができた。
舞台となるアコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県)でコースはクイーンコースとキングコースの二つを組み合わせて構成されている。通常営業では回れないセッティングは貴重なラウンドとなった。
18ホールを完走してみて感じたことは「ここでトータル20アンダーはすごいな…」。4日間ここでプレーした選手に対して改めて感銘を受けた。総距離は7079ヤード(アウトコース3293ヤード、インコースは3786ヤード、パー70)で、14番パー5は608ヤード、11番486ヤード、12番の490ヤード、17番の491ヤード(いずれもパー4)とインコースはとにかく長い。
ドッグレッグホールも多く、ラフは芝が太く長さは80ミリとボールが埋まりクラブが上手く抜けない。実際、残り130ヤードから9番アイアンでグリーンを狙う場面があったが、ラフにくわれて100ヤードしか飛ばず、その難しさを痛感。パーを獲るためには、ティショットをフェアウェイに置くことが必須条件。さらにグリーンは試合では13フィート、プロアマでは昨晩と当日の雨で12.8フィートだがとにかく“速い”。さらに、アンジュレーションもあり、タッチ合わせとライン読みに苦戦。「あ、弱すぎた…」と思ったパッティングが意図せずカップに届くことも多々あった。
18番のティイングエリアに立ったとき、最終日の松山英樹と杉浦悠太のハイライトが頭に浮かんだ。ともに左の林へティショットを打ち込み、2打目をコース内にレイアップすることなく9番ホールに出して隣ホールからパーセーブをしたシーン。実際に左の林へ行ってみると、軽い左ドッグレッグになっていることもあり林が近く、グリーン方向を狙うには木が高すぎる。
杉浦が「18番だと200ヤード以上残るけど、9番なら150ヤード前後でグリーンを狙える」というように、あえて隣のホールに出した意図が読み取れた。しかし、9番から狙うにしてもホール間の木が邪魔をするため、高めのボールを打たないといけないプレッシャーもある。その位置からパーを奪取したことを考えると、アマチュア目線で恐縮だが、改めてプロの技術の“凄み”を感じた。
どんな状況でもバーディ、パーを狙って行くプロゴルファー。18番ホールを歩きながら、プロの技術の違いを感じつつ、世界の舞台で戦う選手たちへ尊敬の念が深まるばかり。この気持ちを大切に、これからも選手の凄さを発信して行きたい。(文・高木彩音)
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