「日本は安全で秩序ある社会だと痛感」20代女性がローマの地下鉄で経験した“厳しい洗礼”
イタリア・ローマの地下鉄で帰宅ラッシュ時に集団スリに囲まれ、財布を盗まれた20代女性の体験談。わざと体をぶつけて気を逸らす「サンドイッチ」と呼ばれる手口の恐怖と、警察での手続き、必須の自衛術を紹介。
イチオシスト
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観光客を狙ったスリ集団は、混雑を隠れ蓑にして組織的に犯行に及びます ※Google Geminiにて作成
【わたしのイチオシ対策】バッグのファスナー管理と分散所持
自身やご家族が体験した海外旅行でのトラブルとその対策についてアンケートで募集し、【わたしのイチオシ対策】として紹介します。
今回は、ローマの地下鉄でスリグループに囲まれ、一瞬の隙に財布を盗まれてしまった20代女性の体験談をお届けします。
旅の始まりと、突然のトラブル
20代のとき、友人と2人でイタリア観光へ出かけました。1日目にミラノ・マルペンサ空港に到着してドゥオーモ周辺を散策し、2日目には「最後の晩餐」を鑑賞。3日目には高速鉄道でフィレンツェへ移動してジョットの鐘楼見学、5日目にはヴェネツィアでゴンドラ遊覧を楽しむなど、順調に美しい街並みを満喫していました。そして7日目に高速鉄道で最終目的地であるローマへ移動し、スペイン広場やトレヴィの泉を訪問。8日目の午前中にはコロッセオやフォロ・ロマーノ、ヴァチカン市国を観光し、翌日の帰国を前に充実した旅の締めくくりを迎えているはずでした。
悲劇が起きたのは、その8日目の夕方のことです。観光地からホテル近くの駅へ戻るため、ちょうど帰宅ラッシュの時間帯で激しく混雑する地下鉄A線に乗車しました。車内は身動きが取りづらいほどの人混みでしたが、前方から乗り込んできた数人のグループに、なぜか不自然に囲まれる形になりました。
すると次の瞬間、そのグループのうちの一人が、わざとよろけるようにして私の体に強くぶつかってきたのです。私が反射的にそちらへ気を取られた直後、今度は反対側からも軽く押され、混雑の中でバランスを取るのに必死になってしまいました。異様な不穏さを感じつつも、目的地について降車したあと、駅の改札で切符や荷物を確認しようして凍りつきました。ショルダーバッグの中に入れていたはずの財布がなかったんです。その瞬間、全身から一気に血の気が引く感覚を覚え、楽しかったローマ観光の記憶は一瞬にして深い不安と恐怖へと塗り替えられました。
現地での苦労とリアルな気づき
後になって思えば、あのよろけてぶつかってきた一瞬の動きこそが、私の注意を完全に逸らすための罠だったのです。財布はファスナー付きのショルダーバッグの内ポケットという、一見安全な場所に入れていましたが、ファスナーが完全に閉まりきっていなかった一瞬の隙を突かれてしまいました。被害に気づいたあとに慌てて周囲を見回しても、それらしき人物たちの姿はすでになく、あまりのショックと言葉の通じない異国での喪失感に、その場ではただ呆然と立ち尽くすことしかできませんでした。
このあまりにも巧妙な盗難被害に直面したことで、それまで当たり前だと思っていた日本がいかに安全で秩序ある社会であるかを痛感させられました。日本では、満員電車の中で他人の体と触れ合うような混雑があっても、お互いに無言で譲り合い、それがきっかけでトラブルや犯罪に発展することはほとんどありません。また、万が一財布などの貴重品を落としたとしても、高い確率で手元に戻ってくる落とし物への誠実さも、日本ならではの素晴らしい美徳です。海外の厳しい洗礼を経験したことで、公共の場での秩序や他人への配慮が自然と保たれている日本の日常がいかに特別で、価値のあるものなのかを身に沁みて再認識することになりました。
トラブルの解決と、現地の人との温かいやり取り
財布を盗まれた絶望感の中、私たちはまず急いで滞在先のホテルへと戻りました。実害を最小限に抑えるため、すぐにクレジットカード会社へ国際電話をかけ、カードの利用停止手続きを行いました。幸いにも迅速に連絡ができたため、心配していたカードの不正利用は未然に防ぐことができました。しかし、その後に現地の警察署へ行って盗難届(ポリスレポート)を提出しなければならず、英語がなかなか通じにくい現地の状況に、さらなる不安が募っていました。
そんな私たちのピンチを救ってくれたのが、滞在していたホテルのフロントスタッフでした。私たちが青ざめた顔で事情を説明すると、スタッフの方はとても親身になって話を聞いてくれたのです。スタッフの方は、言葉の壁で困らないようにと、警察官にそのまま見せるだけで事情が伝わる簡単なイタリア語の状況説明メモをその場で丁寧に書き上げて持たせてくれました。
この現地の方の温かいサポートと言葉の助けがあったおかげで、不慣れなローマの警察署での手続きも比較的スムーズに進めることができました。現金は戻りませんでしたが、カード不正利用は防ぐことができました。あのとき親切に手を差し延べてくれたホテルのスタッフの気配りには、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
この経験から得た「わたしの教訓」
イタリアの主要都市や観光地を結ぶ路線は、世界中から集まる観光客を狙ったプロのスリグループが集まる激戦区です。今回私が被害に遭った手口は「サンドイッチ」と呼ばれる典型的な集団スリの連携プレーであり、一人がわざとぶつかって注意を引き、もう一人がその隙に盗むため、一人で警戒していても防ぐのが至難の業です。「自分は大丈夫」という根拠のない油断を取り払い、日本とは違うという警戒心を常に持ち続けることが何よりの対策となります。今回の経験から学んだ、確実な教訓と自衛のポイントを以下にまとめます。
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混雑した場所では、バッグを必ず体の前に抱えて手を添える防御姿勢をとること
背中や側面にバッグを置いたまま人混みに入るのは非常に危険です。ファスナーを完全に閉めることはもちろん、金具部分を手でしっかりと押さえるなどの物理的なガードを徹底してください。 -
財布や貴重品は一つにまとめず、必ず複数に分散して所持すること
すべての現金やカードを一つの財布に入れていると、盗まれた瞬間に旅の資金をすべて失う致命傷になります。ホテルのセーフティボックスや、衣服の下のセキュリティポーチなどに分散して持つことが被害を最小限に抑える鉄則です。 -
車内や路上で「不自然にぶつかってくる人」がいたら、その瞬間に荷物を死守すること
海外での突発的な接触や、目の前で誰かがよろける・物を落とすといった行動は、スリ集団が仕掛けた「注意を逸らすための罠」である可能性が極めて高いと心得てください。 -
万が一被害に遭った場合は、ホテルのフロントなど現地の信頼できる人にまず相談すること
言葉の通じない警察署へ自力で行くよりも、現地の事情に詳しい人のサポートを得ることで、クレジットカードの停止や盗難届の手続きを迅速かつ正確に進めることができます。
せっかくの楽しい海外旅行を悲しい思い出にしないためにも、徹底した自己管理と自衛の意識を忘れずに、安全で素晴らしい旅を楽しんできてください。
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