自分自身と向き合いたいときに。『17歳のカルテ』は生きづらい人のヒントになる映画
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どこにいてもしっくりこない、苛立つ感情をコントロールできない……そんなつらい状況から抜け出したいとき、どうしたらいいのか。悩んでいた20代の頃、ひかりさんが出会ったという映画が『17歳のカルテ』。作品のメッセージ「自分と向き合う大切さ」を通して、自分が変われるヒントを与えてくれる作品なんだそう。
イチオシスト:ひかり
コラムニスト。『100 の恋』(泰文堂)で小説家デビュー。夕刊フジでコラム連載をきっかけにコラムニストに。近著に電子書籍「“子供おばさん”にならない、幸せな生き方: ~自分を愛するということ~」、書籍『愛される人の境界線 -「子供おばさん」から「大人女子」に変わる方法』(KADOKAWA/中経出版)など。All About 恋愛・人間関係 ガイド。
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人生が思うようにいかない、苛立つ感情を抑えられない……そんなつらい経験は、誰にでもあるものです。そんなとき「社会が悪い」「環境のせいだ」「周りにいる人が最悪なんだ」と他者のせいにすると、自分は変わることなく、ただただ苦しみ続けるばかりになってしまいます。
困難な状況から抜け出したいとき、どうすればいいのか。ウィノナ・ライダー主演の映画『17歳のカルテ』は、自分が変われるヒントを与えてくれる作品です。
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生きづらさを描いた普遍的な映画
『17歳のカルテ』は、主人公のスザンナが精神療養施設で過ごした1年間の成長ストーリーです。簡単にあらすじを紹介します。自殺未遂をしたスザンナ(ウィノナ・ライダー)は、境界性パーソナリティ障害と診断され、精神療養施設に入院し、そこで多くの仲間(患者)に出会う。
それぞれの症状を持つ仲間と接し、友情を築き、ハプニングも経験しながら、彼女自身いろいろなことを感じ、自らの意志で成長して退院していく。
精神療養施設が舞台ではありますが、単に精神病を描いた作品ではありません。程度の差こそあれ、誰にでも当てはまる点はあるし、彼女が施設に入ってから退院するまでの成長と変化は、参考になるでしょう。
1999年公開の作品なのに、今観ても色あせない魅力があります。時代が変わっても、多くの人がぶつかる「人生の壁」を描いているからなんですよね。
生きづらさを感じる登場人物に共感
私はライターという仕事柄、映画を観る機会が多いのですが、『17歳のカルテ』は忘れられない作品です。初めて観たのは20代の頃。当時はどこにいても「しっくりこない」という気持ちがあり、生きづらさを感じていたんです。社会の理不尽な状況に腹を立て、若さゆえに自分の溢れる感情をコントロールする術もなかったので、登場人物たちにどこか共感できる面がありました。
結果、スザンナが退院するまでにやったことと言えば、「自分を客観視する(自分の弱さと向き合う)」と「負の感情を吐き出す(ノートに思いをつづったり、カウンセリングを受けたりする)」の2つ。そうして自分を知り、どんどん自己コントロールできるようになっていくのです。
本当の自分探し=自己を見つめること
本編には、映画のメッセージをさりげなく伝えているシーンがあります。精神療養施設のテレビで放送されている『オズの魔法使い』の作品中で、主人公のドロシーが、こんなセリフを言うのです。生きづらいときは、都合のいい場所、環境ばかりを探しがちですが、その前にまずは自分自身と向き合う必要があるんですよね。生きづらさの原因が「自分の在り方」のときもあるから。「自分が学んだことは、夢見るだけじゃダメってこと。そして、本当の自分探しは、遠くを旅することじゃない(自己を見つめることだ)」
私は恋愛を中心にコラムを書く仕事をしていますが、恋愛においても、自分の未熟さを認められたときに成長し、恋の仕方が変わってくるものだと思っています。どんな状況であれ、大切なテーマなんですよね。
若手女優の熱演も魅力!
女優陣の熱演も見る価値があります。まず、スザンナを演じる主演のウィノナ・ライダーが、見とれてしまうくらいにかわいい。さらに、感情の起伏が激しいエキセントリックな患者・リサを演じるアンジェリーナ・ジョリーも、とにかくかっこいいんです。彼女のパワフルな魅力が活かされ、悪いことをしているのに、どこか魅力的に見えてしまう美しさがあります。
若い人だけでなく、ある程度年齢を重ねた大人が観ても興味深い要素があります。むしろ大人になったからこそ、作品の深みが分かることもあるでしょう。
人生を生きやすくするための大切なヒントが隠された、素敵な映画ですよ!
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DATA
Columbia Pictures|17歳のカルテ
公開:1999年
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー
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