WOWOWのラウンド解説者・東尾理子が語るエビアンの“クセ”と古江彩佳の“コントロール力”
<アムンディ・エビアン選手権 3日目◇13日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
海外女子メジャー第4戦「アムンディ・エビアン選手権」は決勝ラウンドに入った。10人の日本勢のプレーやインタビューを届けるWOWOWでラウンド解説を行う東尾理子さんに、舞台となっているコース、首位に立っている古江彩佳について聞いてみた。
東尾さんがエビアンリゾートGCに来たのは初めて。「やっぱりラフが難しいところは難しいなというのがあるし、まだクローバーの塊に入れた選手を見てないんですけど…」とコースを歩いた第一印象としてはラフの深さや、シロツメクサ、クローバーなどが遠慮なく咲いていることがポイントと話す。予選ラウンド2日間では、そこから打つ選手を見ていないようだが、「入れたらどうなるんだろうって…」と、残りの2ラウンドではこんなところも注目となりそうだ。
フェアウェイは狭く、両サイドには木が多い。山間部のコースということもあって、傾斜も強いためティショットの精度が良くても、キックによってはラフに行ってしまう。メジャーらしく難易度の高いセッティングのなかで「みんなフェアウェイキープしているんです。その精度の高さが素晴らしい」と、プレッシャーのかかるコースで安定したショットを繰り返す選手のレベルの高さもメジャーならではとした。
また、エビアンでスコアをつくるには、アンジュレーションが効いた難グリーンに対して、落とし場所を考え、パッティングのライン読みをいかに攻略することも大きなカギとなる。そして東尾さんは、「横スピンが効いているとき」を警戒ポイントとして挙げる。
「段になっているグリーンの幅がすごく小さい。右手前とか…。だからその小さい幅で少しでも横スピンが入っていると絶対傾斜とプラスしてピンから逃げてしまって乗らない。そのようなピンポジションがいくつかあるので、そういうときは傾斜に反対の回転をつけながら落とさないと止まらないんですね。もちろん寄っていくピンポジもいっぱいあると思うんですけど。そういう難しいピンポジがいくつかありますね」
そんななかで東尾さんが目を見開いたのが名物ホールともいわれる2番パー3。「あれだけ打ちおろしでね…」とティイングエリアから打ち下ろしが約30ヤードある。第2ラウンドで古江のラウンドについていた東尾さんは、古江のティショットの精度に驚いたという。「最初はクラブ2本で迷っていて、結局たぶん大きいほうにされて、2クラブレングス下がって打ったんです」。ピンの位置は段を奥に下った先のセンターあたりで、グリーン中央からピンに向かって下っていく。そこでスーパーショットを見せた。
「私のイメージはその真ん中に落としてコロコロっていくかなと思っていたら、キャリーでドンって(ピンの)横に落とした」と、ピン近くにキャリーさせチャンスにつけた。1パットで沈めてバーディを奪ったショットが、特に印象に残っている。
「たぶん真ん中からコロコロといくこともできるし、ドンって落ちても止まるというのも計算しているからけっこう突っ込んでいったんだろうなと思ったんですけど、なかなか突っ込みきれないし、勇気いるクラブ選択だと思う。それもアゲンストの風が来ていた。その辺の距離感が古江さんは上手いなと思いました」
古江の一番の良さは、コントロール力という。「縦距離が上手いなというのと、その距離を合わせるためにボールの高さのコントロールもできる。それがすごく上手いですね」。
2ラウンドを終えてボギーは『ゼロ』。パーオンは33/36で、パット数はともに20台。圧巻ゴルフを貫く古江のプレーとエビアンの特徴的なコースを、ぜひご覧あれ。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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