ヒカキンの新会社「BEE」、UUUM元会長・鎌田和樹氏とのダブル代表体制だった

イチオシスト
4月5日、「ヒカキン」(登録者数1960万人)が麦茶の新商品「ONICHA」の発売を発表し、自身のブランド「HIKAKIN PREMIUM」を「BEE」へ改称、新会社BEE株式会社を設立したことを報告しました。同社の公式サイトでは、代表取締役社長にヒカキンとともにUUUM創業者の鎌田和樹氏が名を連ねていることがわかりました。
「HIKAKIN PREMIUM」から「BEE」へ
ヒカキンは4月5日に公開した動画の中で、2023年に「みそきん」の販売で始まった自身のブランド「HIKAKIN PREMIUM」を「BEE(ビー)」という名前に刷新したことを発表しました。新商品となる麦茶「ONICHA」は4月21日から全国のセブン-イレブンで発売されます。動画内では娘の誕生をきっかけに「子どもが毎日口にするものだからこそ、健康的で安心な飲み物を届けたい」という思いを語り、「麦茶って地味でワクワクしない」という固定観念を覆すブランドを目指すと述べています。
BEE株式会社の公式サイトでは、企業理念を「好きをセカイへ。」と掲げ、「好き」や「情熱」を起点に事業やブランド、コミュニティへと育てるクリエイティブカンパニーを目指すとしています。
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鎌田和樹氏がヒカキンとのダブル代表
公式サイトの役員欄では、代表取締役社長としてヒカキンと鎌田和樹氏の2名が並んで記載されています。さらに代表取締役副社長には、Googleで長年YouTubeクリエイター事業の責任者を務めた山本光氏が就任しています。
鎌田氏のプロフィールには「2013年、29歳でUUUMを設立」「2023年にUUUMを卒業」「2024年にKMDを創業後、BEEの設立に参画」と記されています。法人登記上の設立日は2024年10月10日であり、ヒカキンが今回の動画で新会社の存在を明かす以前から、すでに1年半近くにわたって水面下で準備が進められていたことになります。
鎌田和樹氏のUUUM退任をめぐる経緯
鎌田氏とヒカキンの関係は、UUUMの創業にまでさかのぼります。2013年、ヒカキンとの出会いをきっかけにUUUMを設立した鎌田氏は、日本最大のYouTuber事務所を築き上げ、2017年には東証マザーズへの上場も果たしました。
しかし2021年10月、週刊誌『FLASH』により鎌田氏の不倫が報じられ、UUUM側も「おおむね事実」と認める事態に発展します。鎌田氏は翌年7月までの役員報酬を全額返上する処分を受けました。2022年6月には代表取締役会長に退き、新社長との2トップ体制に移行しましたが、社内では指揮命令系統の混乱も生じ、収益の柱だったアドセンス収入の落ち込みもあって、2023年5月期には上場以来初の営業赤字に転落しました。
2023年8月、広告会社フリークアウト・ホールディングスによるTOBが発表されると、鎌田氏は筆頭株主として保有株をすべて売却し、同年9月15日付で取締役会長を退任。ファウンダー兼名誉顧問に就任しました。しかし東洋経済の報道によれば、TOBの過程で鎌田氏が保有株約600万株のうち約75%を証券会社に担保として差し入れ、数十億円規模の株担保ローンを借り入れていたことが発覚。UUUMの経営陣にも衝撃が走ったといいます。報酬面でも会社側と折り合いがつかず、名誉顧問就任からわずか3カ月半で退任する方向となり、鎌田氏はUUUMの経営から完全に手を引く形となりました。
2023年6月27日。
UUUMは設立から10周年を迎えました。
一緒に作った会社が10年続くとはあの頃は全く考える余裕もなく走り続けました。いつも皆様に支えられてこの10年がありました。
本当にありがとうございます! pic.twitter.com/pXeqiutm28— 鎌田和樹 かまだかずき (@kamadaman) June 27, 2023
「HIKAKIN PREMIUM」の運営元はいつ変わったのか
実は、ブランド運営元の移行は今回の発表よりも前から進んでいたことをうかがわせる痕跡があります。「HIKAKIN PREMIUM」公式サイトの特定商取引法に基づく表記では、2024年9月時点では販売業者として「P2C Studio株式会社」の名前が記されていました。P2C StudioはUUUMの100%子会社で、クリエイター発のブランド・グッズ事業を手がける会社です。2023年5月の「みそきん」初発売時のプレスリリースも「P2C Studio株式会社(UUUM子会社)」名義で出されており、ブランドの運営はUUUMグループが担っていました。
ところが、2025年10月時点ではこの販売業者の表記が「BEE株式会社」へと変更されていたことが確認されています。つまり、ヒカキンの商品ブランド事業は少なくともその時点で新会社BEEへと移っており、UUUMグループとの関係に何らかの変化があったと考えられます。
今回の発表は、この移行を公式に世に示した形ともいえます。
麻布台ヒルズに広がる鎌田氏の事業群
BEE株式会社の所在地は東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー15階です。実はこの同一住所には、鎌田氏が代表を務める複数の法人が集中しています。
まず、鎌田氏が2023年8月に設立した持株会社「KMD株式会社」が同じフロアに本社を構えています。KMDはコンサルティング・プロデュース・投資・ホールディングスの4事業を柱とする経営会社で、鎌田氏が代表取締役社長を務めます。
そのKMDのグループ会社として、芸能事務所「HONEST(オネスト)株式会社」があります。HONESTは2020年12月にUUUMの子会社として設立されましたが、2023年8月にUUUMから鎌田氏個人へ譲渡された経緯を持つ会社です。鎌田氏は同社の代表取締役会長を務めており、俳優・タレント・モデル・アーティストの育成とマネジメントを手がけています。
さらに2025年1月には、ガバナンス・トラブルシューティング・リサーチを専門とする「KIS株式会社」も同じ住所に設立されました。鎌田氏が代表を務め、東京都公安委員会への探偵業届出も行っている企業で、上場企業や大手企業向けに人物調査、企業調査、サイバーセキュリティ調査などを提供しています。
BEE株式会社も含め、鎌田氏は麻布台ヒルズの同一フロアを拠点に、エンタメ・調査・コンサルティング、そしてヒカキンとのブランド事業と、多岐にわたる事業を展開していることになります。
UUUMを離れた鎌田氏と再びタッグ
UUUMを去った鎌田氏が、ヒカキンとともにBEE株式会社の代表取締役に就任していたことは、業界にとっても意外性のある動きです。ヒカキンは現在もUUUMのファウンダー兼最高顧問の肩書を持ちつつ、BEEでは自らのクリエイティブを軸にした事業展開に乗り出しました。鎌田氏は自身のKMDグループで芸能事務所HONESTや調査会社KISを運営する一方、BEEではヒカキンとの協業による商品ブランド事業を推進します。「みそきん」5000万食突破という実績を携えてのBEE始動は、ヒカキンのビジネスが「YouTuberの副業」の域を超え、本格的な事業体へ進化するものとも考えられます。

記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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