脳腫瘍の手術、PTSDも公表 “復活V”のゲーリー・ウッドランドは今週欠場しオーガスタへ
イチオシスト
<バレロ・テキサスオープン 初日◇30日◇TPCサンアントニオ オークスC(テキサス州)◇7438ヤード・パー72>
2019年の「全米オープン」以来、7年ぶりのツアー制覇を先週の「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」で挙げたゲーリー・ウッドランド(米国)だが、4月2日に開幕する今週の大会は欠場を決めた。
ウッドランドは前週、後続に5打差をつける圧勝で感動の復活勝利。これにより4月9日開幕の今季メジャー初戦「マスターズ」出場権も獲得した。
ここまでの道のりは困難がつきまとった。 2023年9月には、脳に腫瘍が発見され手術。激しい恐怖感やパニック発作、震えや悪寒という症状を引き起こしていた良性病変を取り除いた。手術から回復したウッドランドは翌24年1月の「ソニー・オープン」で米ツアーに復帰。しかしながら、その後も激しい死への恐怖感が続き苦しんだ。
この結果、「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)を発症。ツアーでのラウンドの最中にパニック発作を引き起こしたこともある。精神療法を続ける一方で、退役軍人など同じ症状に苦しむ人たちに会い、話しを聞くなど回復に努めてきた。
現在も苦しみが続くなか、PTSDであることを公表したのはわずか3週間前、米国男子ツアーのフラッグシップ大会「プレーヤーズ選手権」の開幕前だった。この時ウッドランドは「自分が100%回復したと言っていることが、嘘の世界に生きていると思った」と苦しい胸中を涙ながらに語っている。
警戒心が強くなり「プレー中にスコアラーが背後から近づいてきただけでも驚いてしまった。その直後、視界がぼやけて自分が何をしたかが思い出せなかった」とパニックになりトイレに駆け込み、泣いていたとも打ち明けている。以来ツアーではウッドランドに警備員を配備。「セキュリティがついてくれて、すごく安心するようになった」とも話す。公表し、気持ちが楽になったことも優勝への力になったかもしれない。
そしてウッドランドの優勝はゴルフ界だけでなく世界のスポーツ界から祝福された。「もし何かで苦しんでいる人が僕の勝利を見てくれていたら、どうか諦めずに戦い続けてほしい」と強いメッセージも送る。まずは一息ついて、体の不調を乗り越えようと歯を食いしばる41歳は、2年ぶりにオーガスタ・ナショナルGCへと戻る。(文・武川玲子=米国在住)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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