高卒・免許なしで運送業界へ!25歳女性トラックドライバー【トラックめいめい】の覚悟
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イチオシスト
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イチオシ編集部 旬ニュース担当
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▲トラックめいめいXより人手不足や労働時間の制限など、物流業界が大きな転換期を迎える今、現場からポジティブな風を送り続ける女性がいる。北海道を拠点に大型トラックで荷物を運ぶ、トラックめいめいさんだ。
仕事終わりに豪快にビールを飲み干す姿をSNSに投稿し、現在フォロワーは36万人超え(※2026年3月)。現場のリアルを“楽しさ”に変換し、SNSという武器で業界のイメージを塗り替えている。
今回の「テレ東プラス 人生劇場」は、トラックめいめいさんに人生観や仕事哲学、そして物流の未来について聞いた。
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高卒・免許なし 未経験で東京の運送会社へ
――北海道・札幌生まれ、札幌育ちのめいめいさん。なぜトラックドライバーの道を選んだのでしょうか。
「子どもの頃からおしゃれが大好きで、高校生くらいまでは本気でファッションデザイナーになりたいと思っていました。
でも具体的な行動は何もしておらず、高校卒業を前に『このままじゃいけない』と焦りが出てきました。
当時の私は学校でもいろいろあり、“心の鎖国”状態で、人付き合いを避けていました。“このまま狭い世界にいたら一生変われない、広い世界を見たい、自分を鍛え直したい”、そう思って東京に出ることを決めました。
でも勉強は得意ではないし、コミュニケーション能力も高くない。そんな自分に何ができるのかインターネットで探して、“一人でできる仕事”として出てきたのがトラックドライバーでした。体力には自信がありましたし、必要な資格も明確で、自分でも挑戦できるかもしれないと思いました。
札幌で面接を受けた会社が『入社してから免許を取れるよ』と言ってくれたので、4月に入社し、5月には山形県で合宿をして免許を取得。18歳で東京の寮に入り、ドライバー人生が始まりました」

――初めての東京、そして未経験のトラックドライバー。不安はありませんでしたか?
「最初は、もしできなかったらどうしようと本当に不安でした。でも、やってみないと大変かどうかもわからないし、本当に無理なら札幌に帰ればいい、とどこかで思うようにしていました。
最初に担当したのは秋葉原エリアで、1日60件ほど配達していました。オフィスビルを階段で駆け上がり、台車を押して全力で走る。30kgの一斗缶を両手に持って運ぶこともあり、数カ月で体重が10kg減りました。人生で初めてダイエットに成功しました(笑)。
体力的にはかなりきつかったんですけど、不思議とゲーム感覚で楽しかったんです。『先輩がこの時間で終わらせたなら、私は1分縮めよう』と、毎日自分の中でタイムアタックをしていました。
先輩たちも同じように苦労していたので仲間意識が強く、『絶対に札幌には帰らない』という意地も支えになっていました」

――その後は、どんな経緯で札幌へ戻ったのでしょうか。
「会社にはたくさんお世話になって育ててもらいましたが、コロナ禍で仕事量が減り、給料が下がってしまったんです。体力はあり余っているのに稼げない状況がもどかしくて、2社目に移りました。
ただ、そこは即戦力を求める環境。若い女性ドライバーという存在が珍しかったこともあり、皆さん“どう接したらいいのか…”戸惑っている空気を感じました。ここに私の居場所はないのかもしれないと悩み、精神的にはあの時期が一番きつかったです。
トラックドライバーは一人でできる仕事だと思って選びましたが、実際は会社という組織の中で働き、荷主や受取先とのコミュニケーションも欠かせない。人との関わりは避けられないと実感しました。
それでも18歳で札幌を出た経験があったからこそ、『場所を変えれば悩みはリセットできる』と思えました。そして、SNSでの活動や自分のライフスタイルを尊重してくれる今の会社に出会い、3社目に移りました」
「業界のイメージが変われば、物流の未来も少しずつ変わる」
▲トラックめいめい(@truckmeimei)2026年2月26日のポスト――SNSで発信を始めたのはいつ頃ですか?
「物流業界でいわゆる“2024年問題”が注目され始めた頃です。働き方改革関連法でトラックドライバーの時間外労働(残業時間)が年間960時間に制限されることになり、『このままだとドライバーだけでは稼げなくなるかもしれない』という危機感を持ちました。
何か自分にできることはないかと考えて始めたのが、SNSです。実はキラキラした投稿を見るのがつらくて、もともとSNSは苦手でした。だからこそ、着飾らない“リアルな自分”を出そうと思いました。
仕事終わりそのままの姿で、変なTシャツを着て、美味しそうにビールを飲む。そのギャップを面白いと思ってもらえたのかもしれません。
投稿では、必ずツッコミどころを作るようにしています。例えば『給料日前だから予算1,000円』と言いながら大盛りライスを頼み、大盛り分で予算オーバーしているとか(笑)。コメントしやすい余白がある方が、見ている人も楽しめますよね」
▲トラックめいめい(@truckmeimei)2026年2月24日のポスト――2024年4月から法律が厳しくなりましたが、めいめいさんは、ドライバー不足や物流業界の今を見て、何を感じていますか?
「正直、劇的に何かが変わった実感は薄いです。みんな労働時間を規定内に収めようと必死に調整していますが、一方で、“荷物の取り合い”のような状況も日々起きています。
また、北海道などの地方ではドライバーの高齢化が進み、平均年齢は50代。若手不足は深刻です。
私にできるのはSNSで発信を続けることなので、投稿を見て『トラックドライバーって楽しそう』と思ってくれる人が1人でも増えたらうれしいです。
実際に私のSNSがきっかけで今の会社に入社してくれた若手もいて、職場の空気が少し若返りました。業界のイメージが変われば、物流の未来も少しずつ変わっていくと信じています」
――今後の展望を教えてください。
「今の会社に籍を置きながら、関東進出を考えています。もう一度、東京の道路を走りたいですね。
そして本格的に取り組みたいのが物販、特にアパレルです。これまでは自分のグッズを受注から発送まで1人で行っていましたが、今後は規模を拡大して、現場で役立つ機能性の高い手袋やウェアを作りたい。ただのファンアイテムではなく、ドライバーが『こういうのが欲しかった!』と思えるものを、自分のデザインで世に送り出したい。
幼い頃に夢見たファッションデザイナーと、トラックドライバーという今の仕事。一見遠回りのようですが、それが1本の線でつながったら…これ以上うれしいことはありません」
【トラックめいめい プロフィール】
2000年、北海道札幌市生まれ。18歳まで札幌で育ち、高校卒業後に上京。未経験で運送業界に飛び込み、2tトラックの集配ドライバーからキャリアをスタートさせる。
20歳で中型・けん引免許、21歳で大型免許を取得。さらに23歳で玉掛けや運行管理者など多数の専門資格を手にし、現在はトレーラードライバーとして活躍中。
2022年3月に開始したSNSでは、仕事終わりの豪快なビール姿が話題を呼び、1年足らずでフォロワー30万人を突破。現在は36.4万人(2026年3月時点)を超えるフォロワーを持つ、物流業界屈指のインフルエンサー。
(取材・文 / みやざわあさみ)
記事提供元:テレ東プラス
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