退職代行「モームリ」運営会社社長の逮捕 「どこが犯罪か」を弁護士YouTuberが解説

イチオシスト
退職代行サービス「モームリ」を運営する会社の社長と妻が弁護士法違反の疑いで逮捕された件について、この事件の「どこが犯罪に当たるのか」を弁護士YouTuberの「高橋裕樹」(登録者数9万人)が動画で解説しました。
「モームリ」運営会社の社長を逮捕
警視庁は2月3日、退職代行「モームリ」運営会社「アルバトロス」の社長・谷本慎二容疑者(37)と、従業員で妻の谷本志織容疑者(31)を逮捕しました。報道によると、弁護士資格がないにもかかわらず、報酬を得る目的で利用者を提携先の弁護士へ有償であっせんした疑いが持たれており、2人はいずれも容疑を否認し「弁護士法違反になるとは思っていなかった」などと話しているとされています。
逮捕容疑は、2024年7月から10月にかけて、公務員や会社員の男女6人を弁護士に紹介したというものです。弁護士事務所側からは、「1人当たり1万6500円」の紹介料を受け取っていたと報じられています。
一方、その支払いは「ウェブ広告の業務委託費」や、同社が関与する労働組合への「賛助金」という名目で振り込まれていたとされています。警視庁は、広告業務や労働組合に実態がなく、名目によって隠蔽を図った可能性があるとみているということです。あっせんを受けた弁護士事務所側についても、捜査が進められていると伝えられています。
高橋弁護士が問題点を解説
同日、高橋弁護士がYouTubeでこの事件について解説しました。
高橋弁護士は、退職の意思を勤務先へ伝える行為自体については、「悪いとは言いません」と説明。ただし、それは「伝書鳩」のように、単に伝言を届ける場合に限ると念押しします。
一方、退職に際しては、会社側と有給取得や未払い賃金、退職金、損害賠償といった条件面の対立が生じやすく、そこに踏み込むと話が変わるとのこと。勤務先と「交渉までやってしまったら…それは弁護士じゃない人がお金をもらって交渉する」ことになり、法律で禁止されている「非弁行為」に説明しました。高橋弁護士は「交渉は一切ダメです」と強調します。
ただし、現時点ではモームリが交渉をしていた事実は出てきていないようです。
会社と交渉する必要が生じた場合、代理人を務められるのは弁護士に限られます。退職を希望する人が弁護士を依頼すること自体には何も問題がありません、しかし、弁護士をあっせんしたモームリ側が、弁護士から紹介料を受け取ると「弁護士じゃない人がお金をもらう目的で弁護士を斡旋する」ことになり、違法行為の「非弁提携」と該当してしまうのだとか。非弁提携の罰則は、2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金になるといいます。
一方、モームリでは自社で労働組合を作り、そこに依頼人を登録させていたとされています。弁護士が会社側から受け取った金銭の一部を、「賛助金」としてその労働組合に還流させる構図だったようです。
高橋弁護士は、このような仕組みでも、労働組合としての実態があれば賛助金が認められる「ケースもある」とした上で、今回については、警察が捜査の結果、実態がないと判断したと考えられると解説しました。
また高橋弁護士は、一般的なビジネスであれば紹介料をもらうのは「当たり前」だ述べ、非弁提携を「ガチガチやることがホントにいいのかな?とは思っています」と、制度そのものへの疑問も示しています。
非弁提携が禁止されている理由については、反社会的勢力に資金が流れるのを防ぐ目的があるほか、弁護士が依頼人ではなく紹介元の意向を優先したり、弁護方針に口出しされたりすることで、結果として依頼者の利益を損なう恐れがあるためだと説明しました。
高橋弁護士は、紹介の実態や資金の流れ、関与した弁護士の処遇などについて、今後の捜査で具体像がさらに明らかになる見通しだとした上で、進展があれば改めて解説するとしています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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