バイクのハンドルにレジ袋は違反? ツーリング前に知っておきたい意外な落とし穴

イチオシスト

買い物袋をハンドルのグリップ部分に無造作に引っ掛けたまま、バイクを運転した経験がある人も少なくないかもしれません。
しかしこの行為は、「安全運転義務違反」と見なされるおそれがあるようです。
いったいどういうことなのでしょうか。
ハンドルにカバンや買い物袋をかけたままの走行は違反になるかも

仕事が終わって帰路に着く際や小腹が空いた深夜の時間帯などに、コンビニに立ち寄って温かいお弁当や惣菜を買う光景は、日常の風景といえます。
そんななか、買い物袋をハンドルのグリップ部分に無造作に引っ掛けたまま、バイクを運転した経験がある人も少なくないかもしれません。
しかし、実はこの何気ない行為は、道路交通法に抵触する可能性があります。
実際、道路交通法第70条には以下のように記されています。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」
この条文は、ドライバーに対してあらゆる状況下での確実な操作と、安全な運転方法を義務付けたものです。
つまり、明確に「レジ袋をハンドルに掛けてはならない」という文言が条文になくとも、その行為によってハンドル操作が妨げられたり、ブレーキ操作が遅れたりするおそれがある状態であれば、それは「装置を確実に操作」できる状態ではないと判断されるというわけです。
もしも安全運転義務違反であると見なされた場合、違反点数2点にくわえて二輪車には7000円、原付には6000円の反則金が科せられます。
とはいえ、街中でレジ袋を下げて走っているバイクがすべて安全運転義務違反と見なされているかといえば、現実はそうではありません。
現場の警察官が、その積載方法が著しく危険である、あるいはふらつき運転の原因になっていると判断した場合には検挙の対象になります。
しかし、安定して走行している場合にまで即座に切符を切られるケースは稀なようです。
ここが「直ちに違反」とは言い切れない、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる所以です。
しかし、これは「捕まらないから大丈夫」という意味では決してなく、「危険だと判断されたら即アウト」という不安定な状態であることを認識しましょう。
違反切符が切られる可能性だけじゃない! 生じる「リスク」

では、ハンドルにレジ袋をかけることで、具体的にどのようなリスクが生じるのでしょうか。
まず、もっとも直接的な危険として挙げられるのが、走行風によるレジ袋の予期せぬ挙動です。
走行中の風圧を受けたレジ袋は予想以上に激しく暴れ回り、ライダーの操作を妨害します。
また、風にあおられた袋がブレーキレバーに覆いかぶさると、とっさのブレーキングが遅れる原因になりえます。
くわえて、レバーの隙間に袋の持ち手が挟まってしまえば、ブレーキが効きっぱなしになったり、操作不能に陥ったりするかもしれません。
さらにおそろしいのが、物理的な巻き込みによる転倒事故です。
とくに小径ホイールのスクーターなどは、ハンドル位置と前輪との距離が近いため、強風や路面のギャップで袋が大きく揺れた拍子に、フロントフォークやホイールの回転部分に袋が接触してしまうリスクが高まります。
なお、万が一このような状態で事故を起こしてしまった場合、あるいは事故に巻き込まれてしまった場合の法的な責任についても深く考える必要があります。
たとえ相手側に一時停止無視などの落ち度があったとしても、こちらがハンドルに荷物をぶら下げて運転していたという事実は、損害賠償や保険金の支払いにおいて非常に重く見られる場合があります。
これは、民事上の「著しい過失」として認定される可能性が極めて高いとされているためです。
その結果、本来であれば受け取れるはずの治療費や修理費が大幅に減額される「過失相殺」の対象となり、怪我の痛みだけでなく、経済的にも大きな不利益を被ることになりかねません。
まとめ
安全かつ快適にバイクで移動するためにも、レジ袋をハンドルにかけるのは避けて、シート下のメットインスペースや、純正装備のコンビニフックなどを最大限に活用しましょう。
「ハンドルには何も掛けない」という基本を徹底し、運転操作に集中できる環境を整えることは、自分自身を守るためのもっとも確実な方法です。
常に万全の状態で走り出す習慣を身につけることが、長く楽しいバイクライフを送るための秘訣といえます。


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