ロングツーリングの出発前に感じる「ためらい壁」とは?

イチオシスト

インターネットやSNSの普及により、マナーや注意事項、そして準備物やおすすめスポットをお手軽に情報収集ができる時代になっています。しかし、いざロングツーリングを計画し、詳細に調べたにもかかわらず「あと一歩が踏み出せない」と感じたことはありませんか? この記事では、そんな“ためらいの壁”の正体と、その乗り越え方について考えていきます。
行ってよかった「日本国道最高地点」

ロングツーリングの魅力は色々ありますが、たとえば群馬県と長野県の県境にある国道292号(志賀草津道路)の「日本国道最高地点」(標高2,172m)などは「非日常」を感じられるものです。しかし、長い道のりには不安や課題も多くなります。
①体力的(身体的)不安
「一日で何時間走るのか」「どのようにペース配分すべきか」など、全体像が見えにくく不安を感じる方も少なくありません。バイクという乗り物は、性質上「同じ姿勢」「風圧に耐える」「気温の変化」など、身体への負担が大きく、途中で「心がポキッと折れるのではないか」という漠然とした不安を感じることがあります。
服装を整えることから始めよう

ロングツーリングは地域をまたいで移動するため、冷気や強風、あるいは標高差による急激な冷え込みなど、想定外の気温変化に見舞われることがあります。体温低下は集中力や判断力の低下に直結し、運転操作に影響が出やすいバイクでは事故の原因にもなります。重ね着や防風素材のウェアなど、装備を工夫して寒暖差に対応できるようにしてみましょう。
生理的現象は我慢しない

バイクに限りませんが、運転中の疲労は交通事故の呼び水になります。疲労や寒さによってトイレが近くなることもありますので、先を急ぎたくなる場合でも無理をせず「早めの休憩」を取るように心がけましょう。とくに寒い季節は運転に集中できるように、こまめな体調管理が必要です。
しっかり補給しよう

休憩ポイントでは、温かい食事や甘いものなど、適度なカロリー摂取を意識しましょう。とくに寒冷地ではエネルギー消費が激しく、気力の維持にも関わります。身体が冷える季節のツーリングは疲弊しやすいという事を忘れないでください。
②心理的な不安
「土地勘が無い」「旅の全体像がつかめない」などの不安もよくある悩みです。日常からの孤立感がストレスになるかもしれません。また、ツーリングはバスツアーなどとは異なり、計画も予定もすべて自己責任なので、トラブルへの備えも含めて、事前の準備が重要です。
出発前には、ルート全体を確認し、休憩や給油のタイミングも含めた「旅のシミュレーション」を行っておきましょう。

③運転技術への不安
険しい峠道や「酷道(こくどう)」と呼ばれる難所には、道幅が狭かったり、アップダウンの激しい急カーブが連続していたりなど、ベテランでも心細くなってしまう道が存在するため、出発前の下調べと計画を充足させなければなりません。

長距離を走る場合、落石、動物の飛び出し、事故渋滞などの突発的な事態に遭遇する確率上がります。特に、不測の事態に対しての「回避能力」は、ライダー個人の緊急対応スキルが試されるでしょう。
④環境的な不安
自然を身体で感じることができる、スカッと晴れた日のツーリングが理想ではありますが、寒暖差、雨や強風など、思い通りにならないのが自然というものです。とくに山越えや海沿いのルートでは、環境変化に対応できる十分な装備が必要です。

走るルートによっては食事や燃料の確保が困難な場合や、予定の遅れ、環境変化や日没などによって、余裕がなくなり運転操作に集中できなくなるかもしれません。目的地の環境や日照時間について調べておけば「想定外」の事態を減らすことができます。

また、都市圏を通るルートでは渋滞対策として都市高速の利用も有効です。費用を抑えるために一般道を使うと、休憩が多くなり飲食費がかさむ可能性があります。移動効率を優先する方が体力的にも経済的にも有利なこともありますので、自動車専用道路は上手に利用しましょう。
急なトラブルを予防しよう

ロングツーリング前に、携行品などを点検しておきましょう。ハンドル回りの調整ができるサイズのスパナやレンチ、ビニールテープ、結束バンドなどの携行が必須です。たとえ使わなかったとしても、携行する習慣を身につけることで不測の事態に備えます。
私の小言
出発前のバイクメンテナンスも忘れずに! タイヤの空気圧やネジの緩み、オイル漏れの有無など、基本的なチェックを行ってから出発しましょう。各部装置の可動チェックは絶対行うこと。
「あと一歩」は「もう99歩」。実はもうゴール寸前
誰しも最初の一歩には不安がつきものです。私も例外ではありませんでした。初めてのロングツーリング。当日は不安でいっぱいだったものの、終えてみれば「心身ともに成長したような気持ち」になっていた事を覚えています。

そして、どのような経路を走り、どんな出来事に遭遇したかを写真やスマホアプリなどに記録しておけば、仲間同士のバイク談議に花を咲かせる「良い話のネタ」になること間違いなし。
何かを成し遂げるという出来事は、何年経っても忘れられない一生の思い出になりますし、そこに自慢のマシンがあるわけですから、それはライダー冥利に尽きると思いませんか。
ロングツーリングの魅力を体感しませんか
ロングツーリングは、五感を使って季節の移ろいや風景の変化を味わえます。「ちょっと遠くまで走ってみたい」と思ったら、愛車といっしょにちょっとした旅を体験してみませんか?


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