アカデミー賞やヴェネチア映画祭で注目。パレスチナ人少女の実録劇「ヒンド・ラジャブの声」
イチオシスト
2024年1月29日、パレスチナの人道支援組織〈パレスチナ赤新月社〉のボランティアチームは緊急通報を受ける。それはイスラエル軍がガザを攻撃する中、車中に取り残された6歳の少女ヒンド・ラジャブからだった。チームはヒンドとの電話を繋いだまま、救出に向けてあらゆる手を尽くす──。悲劇の実話を「皮膚を売った男」「Four Daughters フォー・ドーターズ」のカウテール・ベン・ハニア監督が映画化した「ヒンド・ラジャブの声」が、9月4日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座ほか全国で公開。場面写真が到着した。

ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラー、ジョナサン・グレイザー、アルフォンソ・キュアロンらが製作に名乗りを上げ、第82回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員大賞)を含む8冠を獲得。第98回アカデミー賞ではチュニジア代表作として国際長編映画賞にノミネートされた。
〈カウテール・ベン・ハニア監督 ヴェネチア映画祭授賞式コメント〉
私はこの賞を、パレスチナ赤新月社、そしてガザで命を救うためにすべてを懸けたすべての人々に捧げます。彼らこそが本当のヒーローです。
ヒンドの声は、ガザそのものの声です。世界中に響き渡った「助けて」という叫び。しかし、誰も応えませんでした。
彼女の声は、真の責任が問われ、正義が実現されるその日まで、響き続けるでしょう。
私たちは皆、映画の力を信じています。今夜私たちがここに集っているのも、埋もれてしまいそうな物語を語る勇気を与えてくれるのも、映画なのです。
映画はヒンドを蘇らせることはできませんし、彼女に対して行われた残虐行為をなかったことにもできません。奪われたものを取り戻すことは何もできないのです。
しかし映画は、彼女の声を記録し、国境を越えて響かせることができます。なぜなら、彼女の物語は、彼女一人のものではないからです。それは、ジェノサイドに耐え続ける人々全体の物語であり、罪を問われることのないイスラエルの犯罪的な政権によって引き起こされた悲劇です。
そして今夜、この物語は「記憶」だけではなく、「緊急性」を伴っています。ヒンドの母ウィッサムと弟のイヤドは、いまだガザにいます。
彼らの命はいまだ危険にさらされており、恐怖、飢え、そして爆撃の空の下で毎日を迎える、数えきれない母親、父親、子どもたちと同じです。
私は世界のリーダーたちに、彼らを救ってほしいと強く訴えます。
彼らの生存は、慈善の問題ではありません。それは正義と人道、そして世界が彼らに最低限果たすべき責任の問題です。
ヒンドの母ウィッサムから、皆さんにこの言葉をお伝えするように頼まれました:
「あなたに、チームのみんなに、そしてこの映画を支えてくれたすべての人たちに感謝の気持ちを伝えたいです。
私を支えてくれたこと、この物語を支えてくれたことに、心から感謝しています。本当は私も、今日皆さんと一緒に立っていたかったです。
そして、世界がガザにおけるヒンドだけが特別な物語ではないということを忘れないでいてくれることを願っています。
希望を待ち続けている子どもたちが、まだたくさんいます。この映画が戦争を止める助けになりますように。」
私もまた、この耐え難い状況の終わりを求めます。もう、たくさんです。
かつて、ネルソン・マンデラという賢人がこう言いました:
「パレスチナの自由なくして、私たちの自由は完全ではないことを、私たちはあまりにもよく知っている。」
今日、その言葉はかつてないほどの重みを持っています。
ヒンドの魂が安らかに眠れますように。彼女を殺した者たちの目が、決して安らかに閉じることがありませんように。
そして、パレスチナに自由を。

「ヒンド・ラジャブの声」
監督・脚本:カウテール・ベン・ハニア
製作総指揮:ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラー、ジョナサン・グレイザー、アルフォンソ・キュアロン
出演:サジャ・キラニ、クララ・クーリー、モタズ・マルヒース、アメル・フレヘル
2025年/チュニジア・フランス/アラビア語/89分
原題:The Voice of Hind Rajab 日本語字幕:松浦美奈 字幕監修:高橋和夫
提供:ニューセレクト 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
©MIME FILMS — TANIT FILMS
公式サイト:hindrajabjp.com
記事提供元:キネマ旬報WEB
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