蜂蜜の咳止め成分を特定した山田養蜂場が国際養蜂会議「Apimondia」で学術発表 各国から商品化に大きな期待も
イチオシスト
大学入学共通テストが終わり、これから私立大学入試や高校入試、国公立大学二次試験を控える時期を迎えている。受験生とその家族にとって体調管理が最も重要な局面だ。特に風邪やインフルエンザは、試験当日のパフォーマンスに大きく影響するため、多くの受験生が対策に頭を悩ませている。
ところが、蜂蜜の咳止め成分や、咳に効果をもたらすしくみは明らかになっておらず、世界各国で研究が行われてきた。日本の山田養蜂場 健康科学研究所(岡山県鏡野町)も10年にわたり鎮咳作用の活性成分を探索し、理化学研究所や東京理科大学との共同研究で、ついに蜂蜜の咳止め成分を世界で初めて同定。その研究は2023年に科学雑誌『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に掲載された。

そして2025年9月23日~27日、デンマークのコペンハーゲンで開催された世界最大級の国際養蜂会議「Apimondia(アピモンディア) 2025」に、山田養蜂場は日本を代表する企業として参加。蜂蜜に含まれる咳止め成分「メルピロール」の特定と規格化に成功したことを学術発表した。
Apimondiaは、世界各国の養蜂家や研究者、企業が加盟し、養蜂技術の発展やミツバチの保護、蜂産品の品質向上を目的に活動する組織。2年ごとに国際会議を開催している。今年の会議では、山田養蜂場 健康科学研究所の谷 央子研究員がポスター発表し、10年にわたる研究の末、蜂蜜の咳止め成分として新規化合物の「メルピロール」と、咳止め効果が新たに判明した既知化合物「フラジン」を特定し、規格化にも成功したことを報告した。
蜂蜜を用いた試験では、対照群と比較して咳の回数が有意に減少し、この作用が単なる喉の保湿効果による咳の緩和ではないことが示されたと説明。さらに、メルピロールとフラジンには市販の鎮咳薬であるデキストロメトルファンに匹敵する咳抑制効果が確認され、その作用機序(作用するしくみ)には一酸化窒素を介した咳反射の抑制が関与している可能性が見いだされたとした。
発表後には活発な質疑応答が交わされ、咳止め効果を生かした蜂蜜製品の開発に対して、世界各国から高い関心が寄せられたという。
山田養蜂場は、メルピロールが規格化された蜂蜜の2026年の商品化を目指している。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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