ギンギラギンにさりげないカジュアルスポーツ ホンダ「ベンリィスポーツ CS92」

イチオシスト

ホンダの「CB」と聞けば、多くのライダーが真っ先に思い浮かべるのは、4ストロークエンジンを搭載したロードスポーツモデルです。しかし、スポーツバイクはCBだけではありません。実用車ベースながら、個性と走る楽しさを兼ね備えたモデルも存在しました。その代表格が、1960年代にホンダが放った軽量スポーツバイク「ベンリィスポーツ CS92」です。その魅力を北海道雨竜郡北竜町にある昭和の宝箱「スマイル北竜本店」の協力を得て紹介します。
CBじゃないよ、CSだよ!

「ベンリィ(Benly)」は、1958年からホンダが展開している軽二輪・小型バイクのシリーズです。車名は英語のBenly=便利が由来。小林製薬の商品に引けを取らないストレートなネーミングです。その名の通り「実用性が高く、街乗りやビジネス用途に便利なバイク」というコンセプトで開発されました。
1960年代から1970年代にかけて、ベンリィシリーズは単なる便利さだけでなく、走る楽しさを追求するモデルも登場しました。その象徴的な存在が「ベンリィスポーツ CS92」です。車名の意味も明快で「C」は小型軽量バイクシリーズ、「S」はスポーツ、そして「92」は排気量92ccを表しています。つまり、軽二輪でありながらスポーティーな走りを目指した特別なモデルなのです。
ハッタリも機能美のひとつ?!

CS92のパワーユニットは92ccの2ストローク単気筒で、最高出力は8.5馬力。車重はわずか85kg。今の感覚では大したパワーではありませんが、当時のライダーにとっては「小さなバイクでここまで速く走れる」という衝撃でした。

スピードメーターは時速140kmまで刻まれていますが、これはハッタリで実際にはそこまで出すのはほぼ不可能。メーターだけは“速そう”で、乗ってみると華奢な車体がちょっとヒヤヒヤ、という面白さがあっりました。
びろーんと伸びたマフラーがオチャメ

デザイン面でもCS92はスペシャル。流線型のタンク、丸型ヘッドライト、そして「そいつが俺のやり方」と言わんばかりの、ギンギラギンにさりげないメッキ。何よりも高めに配置されたアップマフラーは、60年代のレトロなスポーティーデザインを象徴しています。CS92販売当時は未舗装路が多く、飛び石対策としてアップマフラーを採用したらしいですよ。

4速マニュアルトランスミッションと軽量フレームによる軽快なコーナリング性能も魅力のひとつ。街中での取り回しは抜群で、攻めた走りも可能ですし、日常のトランスポーターとしても活躍する、遊び心あふれる一台です。
歴史に名を残す特別な1台をGETせよ!

現代においてCS92はとても希少で、コレクターズアイテムとしての価値も高まっています。オリジナル状態やカラーの車両は、レストアしても注目度が高く、バイクファンに愛され続けるレトロスポーツです。小さなボディに、速さ、音、デザイン、遊び心が詰め込まれたCS92は、単なる古いバイクではなく、歴史に名を残す特別な1台として今も語り継がれています。
スマイル北竜本店
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