受け継がれていくプロ野球の「系譜」【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第201回
イチオシスト

野球の「系譜」について語った山本キャスター
TBSで放送されていたドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』が大きな話題になりましたね。競走馬と、それに関わる人物たちが織り成す壮大な物語でした。
競走馬にとって、血統はとても大切です。競馬が「ブラッドスポーツ」と呼ばれる所以ですね。"血"が持つ能力、時代を超えて紡がれる物語にロマンを感じる人が多いのでしょう。
プロ野球では2世選手が注目されることもありますが、血のつながりはなくても、選手たちを「系譜」で見ることもあります。「系譜」という言葉を辞書で調べると、次のような意味が載っています。
1 血縁などのつながりを示す記録や表。
2 もののつながり。系統。
今回お話しする野球の「系譜」は、「2」のほう。まずは、背番号でそれを意識することがありますね。
例えば、松井秀喜さんが現役時代につけていた55番は、"大砲"として期待されている選手がつけることが増えたように感じます。巨人の選手だけでなく、オリックスでプレーされていたT-岡田さん、ホワイトソックスへの移籍が決まった村上宗隆選手も55番でしたから、「強打者の系譜」と言えるかもしれませんね。
選手としての特徴でも「系譜」があります。高校野球などでは、プロ野球選手に似ている選手が出てきた時に、そのプロ野球選手になぞらえた異名がつけられることもあります。
日本ハムの達孝太投手は、天理高校時代に「天理のダルビッシュ」と呼ばれていました。達投手は194cmと長身で、力のあるストレートと多彩な変化球を操る投球スタイルですから、ダルビッシュ有投手に重ねた方が多かったんでしょうね。
一方で、「〜2世」という表現もありますね。かつてヤクルトに在籍した廣岡大志選手(現オリックス)は、ヤクルト入団当初に「山田哲人2世」と呼ばれたことがありました。長打力と走力を兼ね備えたルーキーを、トリプルスリーを達成した大スターに重ね合わせたのでしょう。

甥っ子をスワローズファンに導くべく、静かに、しかし着実に手を打っている最近の山本です。
「〜2世」と表現される場合、ひとつのルールがあることに気がつきました。それは、「打席に立った時のフォルムが似ていること」です。身長など体格もそうですが、廣岡選手が左打ちだったり、コンパクトなスイングをしていたら、「山田哲人2世」と呼ばれることはなかったと思います。
そういった異名や例えがあると、どんな選手かを想像しやすくなりますね。先日、お仕事で「WBCに出場するメジャーリーガーを、日本人選手に例えてください」というミッションをいただいたんですが......すごく悩みました!
例えば、ロイヤルズの遊撃手・ボビー・ウィットJr.選手選手は、2024年に首位打者とゴールドグラブ賞をダブル受賞し、近い未来にMVPに輝くだろう選手です。彼も長打力と、走力もある選手ですから、タイプが近いのは山田哲人選手でしょうか。
また、マリナーズのカル・ローリー捕手は、スイッチヒッターで2025年に60本のホームランを放ち、本塁打王を獲得した選手。日本のプロ野球では、そんな選手はまだ出てきていないので......野村克也さんがスイッチヒッターになった感じ? みなさんのご意見もぜひ聞かせてください!
とても難しいですが、初めて目にする選手でも、馴染みのある選手に例えられることで、なんとなくイメージができるかと思います。そうすると、より試合が見やすくなりますね。
選手のプレースタイルは多岐にわたりますが、新たなスター選手が生まれたら、そこから「系譜」も新しくできていくのでしょう。
我がヤクルトでも、ドラフト1位で入団した松下歩叶選手をはじめとするルーキーたちが、どんな「系譜」の選手として認識されるようになるのか楽しみです。そしていつか、彼らの名前が異名として使われるようなスター選手になってくれることを願っています。
それでは、また来週。

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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