世界ランク1位のチーム論 6年変わらぬ体制「みんなで一緒に成長していけばいい」【カメラマン南しずかの米ツアー小話】
イチオシスト
畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、2025年は過去最多となる日本勢13人が出場する米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のこぼれ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
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群雄割拠の2025年、抜きん出たのはジーノ・ティティクル(タイ)だった。11月23日に終えた最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」で連覇し、2季連続で年間女王に輝いた。また、プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手賞)とベアトロフィー(平均ストローク1位)も獲得。平均スコア「68.681」は2002年にアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が樹立した「68.697」を抜いて、ツアー新記録となった。
そんな偉業を達成した22歳だが、特筆すべきことがある。マネージャー、キャディ、コーチが昔からずっと変わらないことだ。
例えば、エースキャディのバンポット・ブンピサンサリー氏は、19年の欧州女子ツアー「タイ選手権」で当時16歳のティティクルのキャディを初めて務め、優勝を飾った。それ以来、ずっとタッグを組んでいる。
母国を離れ、米国を主戦場とし、世界ランキング1位まで上り詰めた。ティティクルを取り巻く環境は間違いなく変化し続けている。その過程で、チームメンバーの変更を考えたことはないのか。ある試合の練習日、そんな疑問をティティクルにぶつけたところ、「変えようと思ったことはないね」とキッパリ言い切られた。
「自分のチームを信じているし、一緒に仕事をしていて、心地よい人たちなので」。それでも、長い時間一緒に過ごしていたら予期せぬこともあるのでは、と続けて問う。「そうですね。その時はその都度、話し合いをする。私のチームメンバーは完ぺきな人たちだとは思っていない。人間だからミスをすることもある。みんなで一緒に成長していけばいいと思う」。
すでに成功を収めているだけではなく、ものすごく懐が深い人柄ではないか。いや、地に足のついた性格だから、世界トップレベルで堂々と戦えるということかもしれない。来季もティティクルの活躍から目が離せない。(取材・文/南しずか)
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