アカデミー賞国際長編映画賞受賞。名匠ウォルター・サレス監督が実話を基に過酷な時代に闘い続けた女性を描く「アイム・スティル・ヒア」

「セントラル・ステーション」「モーターサイクル・ダイアリーズ」の名匠ウォルター・サレス監督が、ブラジルの軍事独裁政権下で起きた元下院議員の拉致・殺害事件をもとに、残された妻の歩みを描いた「アイム・スティル・ヒア」が、12月26日（金）よりU-NEXTでレンタル配信中だ。

軍事独裁政権下の1970年代ブラジル。元国会議員のルーベンス・パイヴァは妻のエウニセおよび5人の子どもとリオデジャネイロで穏やかに暮らしていた。そんな中、スイス大使誘拐事件をきっかけに市民への抑圧を強めた軍が、ルーベンスを連行してしまう。そのまま消息を絶った彼の行方をエウニセは必死に追うが、自身も軍に拘束されて過酷な尋問を受けるなど苦難に直面。それでも彼女は夫の名を呼び続け、静かに時代を動かしていく──。

主人公エウニセをサレス作品の常連である名優フェルナンダ・トーレスが熱演し、その老年期には彼女の母であり「セントラル・ステーション」に主演したフェルナンダ・モンテネグロが扮する。実話を基に描いた本作は、監督自身が幼少期にパイヴァ家と親交を持ち、その記憶を私的な問いとして丁寧に掘り起こした。

本作は、第81回ヴェネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞し、第82回ゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得。第97回アカデミー賞では3部門にノミネートされて国際長編映画賞に輝いた。自由を奪われながらも闘い続けたエウニセの姿に心打たれるだろう。