都内勤務・他県在住の筆者が「東京アプリ」の1万1000ポイントをゲットする裏ワザが無いか本気で検討してみた
イチオシスト
東京都が打ち出した物価高対策の切り札が、「東京アプリ生活応援事業」です。東京アプリで本人確認を済ませた15歳以上の都民になんと1万1,000円分のポイントが付与されるというもので、2025年12月15日から26日までは、「最終検証」として、技術面・運用面の検証に協力したユーザーに、500ポイントが付与されるキャンペーンも行っています。

しかし、たとえば都内で働いていたとしても、「都民」、つまり住所が東京都内になければこのポイントはもちろんもらうことができません。こうした条件を見て、「もしかして、勤務先が都内ならワンチャンあるのでは?」「毎日東京に通って、ランチも飲み会も東京でお金を落としているんだから、自分だってもらう権利があるんじゃないか?」と考える人もいるかもしれません。
東京アプリで貯めたポイントは、au PAY残高、dポイント、メルカリポイント、楽天ペイ、Vポイントに交換が可能です。
「1万1,000円分」と聞くと、「少し贅沢できる金額」とだけ感じるかもしれませんが、たとえばウエルシアグループでは、毎月20日、支払時に1ポイントが1.5円分になる「お客様感謝デー」を開催しています。

ウエルシアで利用できるのはWAON POINTですが、WAON POINTはVポイントと相互交換が可能なため、東京アプリでVポイントを受け取り、それをWAON POINTに交換してウエルシアを使えば「1万1,000円分のポイントで16,500円分の買い物ができる」ということになります。
つまり、今回のキャンペーンは「ポイント給付だからこそ得られる恩恵」を受けることができる大きなチャンスになるといえます。
こうして聞くと、単なる現金給付ではなく、「ポイント給付」がどれだけ貴重か実感した方もいるのではないでしょうか。と同時に、特に都内勤務、他県在住の方はより悔しくなるのでは?
実は筆者も、都内勤務・都外在住の一人です。そこで、この1万1,000ポイントを何とかしてゲットできないか、何か合法的な方法はないのかを本気で調べてみました。
結論:都外在住者が1万1,000ポイントを受け取る方法はあるのか?
結論から述べると、現在の居住実態が東京都にない限り、今回の「生活応援事業(1万1,000ポイント)」を受け取ることは不可能です。

マイナンバーカードによる「公的個人認証」が鉄壁すぎる
今回、東京都が導入しているのは、マイナンバーカードのICチップをスマホで読み取る「公的個人認証サービス」です。これは単に「住所を入力する」自己申告レベルのものではありません。

認証を行うと、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のデータベースに照会がかかり、「住民票がどこにあるか」が厳密に判定されます。「勤務地」の情報はマイナンバーカードの券面情報(基本4情報)には含まれないため、どんなに毎日都内に通っていても、システム上で「都民」として判定される抜け道はありません。
12月26日までの「実証実験500ポイント」も対象は都民のみ
冒頭でもご紹介した、12月26日まで本番配布に先駆けて行われている「最終検証(実証実験)」についても、対象となるのは「都内在住者」。こちらも他県に住んでいる人は対象外となります。
「一瞬だけ住民票を移す」は法律違反
「いま住んでいるのは別の県だけど実家が東京にある」「友人の家に一瞬だけ住民票を移せばいけるのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。
2025年12月時点で「東京アプリ生活応援事業」は「規定以上の期間、都内に住んでいる人」といった条件は発表されていないため、ポイントのために一瞬だけ住民票を移してマイナンバーカードを書き換え、ポイントをもらったあと、再び住民票を戻してまたマイナンバーを書き換えるという方法は、制度上は形式的に可能に見えるかもしれませんが、これは絶対にNGです。

居住の実態がないのに住民票だけを移動させる行為は、刑法の「公正証書原本不実記載等罪」に問われる可能性があります(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)。あまりにも割が合わず、1万1,000円のために取るリスクではないため、絶対にやめましょう。
都外在住者でも「東京ポイント」を貯める方法
実は、1万1,000円の一括給付こそ受けられませんが、「東京アプリ」自体は都外在住者でも利用可能であり、地道にポイントを貯める機能はあります。
イベント参加で「東京ポイント」は貯められる
1万1,000ポイントのような「給付金的」なポイントはNGですが、「イベント参加」や「ボランティア」に対するインセンティブポイントは、居住地を問わず付与されるケースがあります。

これらの活動で付与されるポイントは、居住地要件がないケースが大半です。
通勤途中や、休日に都内へ遊びに来た際にイベントに参加すれば、コツコツと「東京ポイント」を貯められます。貯まったポイントはVポイント等に交換できるため、ランチ代の足しにする「ポイ活」アプリとしては十分に優秀です。
今後の「共通決済」化に期待?
現在は行政主導のアプリですが、東京都はこのプラットフォームを「都民のスーパーアプリ」に育てようとしています。
将来的には、都営地下鉄やバス、都立施設の入場料などがこのアプリ(ポイント)で決済できるようになる構想もあります。
その時が来れば、都外ユーザーも恩恵を受けられる日が来るかもしれません。
今回の1万1,000ポイントは、「都民向けの施策」と割り切りつつ、イベント参加などで賢く使い倒していきましょう。
記事提供元:スマホライフPLUS
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