【究極の“軽暖”】モンベル最高峰「イグニスダウン パーカ」を徹底解説!濡れにも蒸れにも強いワケ
モンベル独自の防水透湿素材「スーパードライテック」×1000フィルパワーの高品質ダウンを使用したジャケットとして注目されている『イグニスダウン パーカ』。その「暖かさを閉じ込める」技術を徹底調査しました。
The post 【究極の“軽暖”】モンベル最高峰「イグニスダウン パーカ」を徹底解説!濡れにも蒸れにも強いワケ first appeared on 登山メディアYAMA HACK(ヤマハック)|山の“知りたい“がここにある.
イチオシスト
なぜモンベルの「イグニスダウン パーカ」が注目されているのか?

寒さが厳しい山での休憩や小屋・テント泊などの停滞時は、いかに効率よく体温を維持するかがポイント。そんな時こそダウンウェアの出番となりますが、登山で使うのなら携帯性がいいことが必須条件です。
とはいえ、いくら軽量・コンパクトに持ち歩けても、保温性が低ければ頼りになりません。その点、モンベルの「イグニスダウン パーカ」は、数ある登山用ダウンウェアの中でも、携帯性と暖かさを高次元で両立。さまざまな環境で快適に過ごせるハイエンドモデルとして注目されています。
だから選ばれる!イグニスダウン パーカの3つの最強スペック

モンベルが謳っている「イグニスダウン パーカ」のキャッチフレーズは『暖かさを閉じ込める』。軽量ながらも、どのように暖かさを閉じ込めるのか、公式スペックからポイントを確認しました。
軽量なのに「暖かさを閉じ込める」主要なポイント
- 中わたに高品質ダウン「1000FP・EXダウン」を使用し少量でも暖かい
- 表地に防水透湿素材「スーパードライテック」を使用し水濡れ・蒸れに強く防風性が高い
- 縫い目が少ない独自のキルティングパターンでコールドスポットが少なく軽量化にも貢献
①わずかな量でも極めて高い保温力「1000FP・EXダウン」

ダウンウェアであるからには、最も気になるのが封入されたダウンの品質。使用しているのは、現在、モンベルが展開するダウンウェアで最高品質の「1000FP・EXダウン」です。
FPはフィルパワーの略で、ダウンのかさの高さを表す単位。羽毛1オンス(28.4g)に一定荷重をかけたときのふくらみ具合で示します。「空気を多く含む=保温性能が高くなる」ので、羽毛量が同じであれば、フィルパワーの数値が大きいほど暖かなダウンとなります。

一般的には550〜700FPあれば良質なダウンとされているので、およそその倍、保温力としては80%アップとされています。わずかな量のダウンで最高の保温力を発揮する、つまり軽量性と保温力のバランスをとるための大きなポイントです。
②ダウンの濡れを抑制する「スーパードライテック」を表地に使用

高品質なダウンを封入していても吹き付ける風が生地を通り抜けたり、水濡れをしてしまえば本来の性能を発揮できません。特に水濡れはダウンの保温力を大きく低下させる最大の“敵”。そんな弱点をカバーするのが表地に配置された「スーパードライテック」です。

「スーパードライテック」はモンベル独自の防水透湿素材で、雨や雪を防ぎ体内の蒸れを放出することで、封入されたダウンの水濡れを防止。また、防風性も高いので高品質ダウンの保温力の維持に貢献します。
ただし、縫い目などはシームテープ処理を施しておらず完全防水ではないので要注意です。
③“縫い目”を減らしてさらに保温力をアップ
ダウンウェアをはじめとする中わた入りウェアの場合、一般的に中わたの偏りを防ぐために各所にステッチが入っています。この縫い目部分は断熱層が途切れてしまうため、ウェア内に冷気が入る“コールドスポット”にもなってしまいます。
このデメリットまでをも最小限にしたのが「イグニスダウン パーカ」。

縫い目を極力減らす独自のキルティングパターンを採用し、“コールドスポット”を少なくすることで、高品質ダウンの保温力を効果的に維持。

また、縫い目の糸も削減することで軽量化にも貢献しています。
「イグニスダウン パーカ」はこれらの工夫により『軽量性』と『暖かさを閉じ込める』の両方を実現しているのです。
「暖かさ」と「心強さ」が期待以上!実際の着用感を詳細レビュー
前述のように公式スペックでは、軽量かつ暖かさを維持する機能が凝縮されていることがわかりましたが、実際にはどうなのでしょうか。様々な角度でレビューします。
風に負けない保温力を実感。携帯性も◎

11月の風が強い寒い日に着用してみました。あまり厚手ではなく思ったよりもモコモコ感は少ない印象です。
軽量性に特化した携帯ダウンとは違い、スーパードライテックの表地が風を防いでいるようで、風による冷え感はありません。表地のキルティングパターンの工夫もあってか、しっかりとした防風性を感じることができました。

付属のスタッフサックに収納すると、この程度。表地の厚みの分、携帯性に劣るかと思いましたが、フード付きのダウンジャケットとしては非常にコンパクト。これなら気軽に携帯できそうです。
安心感がある表地

スーパードライテックを使用した機能性が高い表地はイグニスダウンパーカの特長。軽量性に特化したダウンジャケットの表地に比べれば、ゴワゴワ感がありますが、その分、枝に引っ掛けても破れなさそうな安心感があります。

では、水に対する効果はどうなのか、確認してみました。
表地に水を垂らし5分放置したあと、払い落としてみると……水は染み込まず、中わたも濡れていません。これなら湿った雪に降られても、浸水によるダウンの保温性能の低下を抑えられそうです。
レイヤリング時もモタつかず、違和感のない着心地

冬用アウターシェルジャケットの下に着て、ミドルレイヤーとしてのフィット感を確かめてみました。表地にややザラつきがあるため袖を通す際に引っかかるかと思いきや、実際はスッと着られます。
もとよりボリュームが出にくい作りなので、着膨れも動きづらさも感じません。アウターとしてもミドルレイヤーとしても使いやすい一着です。
フードは調節すればジャストフィット

フードのアジャストは内側の左右のドローコードと頭頂部のベルクロで調整します。

視界を遮らないよう配慮しつつ、風の侵入を防いで頭部をしっかり保温できるように調節できます。
ただ、ドローコードが内側にあるため、微調整のたびにフロントジッパーを開けなければならず、やや手間がかかります。おそらくコード穴から水が入るのを防ぐための設計なので、やむを得ないところでしょう。
とてもスムーズなフロントジッパー

ジッパーのスライダーがあごへ当たらないためのチンガードが施され、スライダーが冷たく不快なことはありません。止水処理されているフロントジッパーの上げ下げもスムーズ。ダブルファスナーではないのでモタつくこともありません。
細かな便利機能も◎

裾はポケット内側のドローコードで調整可能。袖はベルクロ止めです。

ポケットは腰左右と胸に1つ。どちらもジッパー開閉で小物を入れても安心です。
今回着用してまず強く実感したのは、「しっかり暖かいこと」と「心強さ」です。防風・防滴性能に加え、厚手でタフな表地がもたらす安心感が大きく、その分、保温力もより高まっていると感じました。
結論:イグニスダウンパーカは「環境適応能力」抜群!こんな人におすすめ
最後に、他のモデルとスペックを比較してみました。
薄手タイプの中で、防風・防滴性を求めるなら「イグニスダウン」一択

モンベルのダウンウェア(パーカ&スタンドネックジャケット)の中で、『薄手タイプ』としてラインナップしているのが、「イグニスダウン」「プラズマ1000 ダウン」「スペリオダウン」の3種類。それぞれ生地の厚みやダウンのフィルパワー値、ダウン量が異なります。
薄手タイプの中で唯一、防水透湿性素材“スーパードライテック”を採用しているのが「イグニスダウン」。その分、重量は重くなりますが、同じ1000フィルパワーの「プラズマ1000ダウン」よりも保温力が高くなります。
選び分けのポイント
- 防風・防滴性のある暖かなモデルがいいなら「イグニスダウン」
- 軽量性を重視するなら極薄シェルの「プラズマ1000ダウン」
- 軽さ、暖かさ、価格の適度なバランスをとるなら「スペリオダウン」
防風・防滴性がありつつ、より高い保温性を求めるなら「パーマフロスト ライトダウン」と「パーマフロスト ダウン」が候補に

モンベルのダウンジャケットの中で、スーパードライテックを採用し、防風・防滴性を備えているモデルは3種類。それぞれ生地の厚みやダウンのフィルパワー値、ダウン量が異なります。
「イグニスダウン」は薄手タイプ、「パーマフロスト ライトダウン」は中厚手タイプ、「パーマフロスト ダウン」は厚手タイプです。厚手になるほど保温力が高くなりますが、重量も大幅に増加。
選び分けのポイント
- 通年で使うなら軽量で持ち運びやすい「イグニスダウン」
- 保温性と軽量性の適度なバランスをとるなら「パーマフロスト ライトダウン」
- 雪山登山にも対応する高い保温力を求めるなら「パーマフロスト ダウン」

最高品質ダウンを封入し薄手で軽量、コンパクトに携帯できて防水・防滴性も装備した「イグニスダウン パーカ」。
街着やキャンプ、秋のハイキングから雪山の登山まで、一年を通して幅広いシーンで活躍する「環境適応能力」抜群の一着を探している人におすすめです。
イグニスダウン パーカ Men'sモンベル

イグニスダウン パーカ Women'sモンベル

関連記事:モンベルのダウンを暖かさ別に比較解説!軽量&保温力抜群で登山の寒さ対策にぴったり
関連記事:【2025】モンベルのダウンパンツ徹底比較!この7本で“冬の寒さ”卒業
記事提供元:YAMA HACK
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
