【ピエール瀧の「萌え萌やしソバ探訪録」】13杯目「山小屋風の店構えにパンダの剥製......そしてもやしそばが人気No.1の店へ!」
イチオシスト

今回は東京都足立区にある「ラーメンロッジ」へ
「もやしソバ」をこよなく愛するピエール瀧が、名店をめぐりながら、もやしソバとは何なのかを考えたり考えなかったりするこの連載。
山小屋風の店構え。名前は「ロッジ」で、山にちなんだメニューもある......。そんな店の一番人気が、もやしそば。それはなぜなのか? お店の人にじっくり聞きました。
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――今回は東京都足立区にある「ラーメンロッジ」にやって来ました。
ピエール瀧(以下、瀧) 建物がちゃんとロッジ風になってる。山小屋感あるよね。
――早速、入りましょう。うわっ! これ、パンダの剥製じゃないですか? びっくりしました。

入り口の横には、なぜかパンダの剥製(!?)が......
瀧 本当だ。普通、山小屋にはパンダいないけどね(笑)。
――おじゃましまーす。
お店の人 いらっしゃいませ。こちらの席にどうぞ。
瀧 ありがとうございます。ほら、この壁に張ってあるメニューの「人気ランキング」を見てみなよ。1位「もやしそば」(780円)、2位「スーラータンメン」(830円)、3位「昔ながらの支那そば」(780円)、4位「肉の細切りそば」(880円)だよ。もやしそばがランク1位なんて、すごくない?

もやしそばが人気No.1!
――山好きの人は、もやしそばが好きなのかもしれませんね。
瀧 決めつけるの早すぎんだろ。
お店の人 ご注文は?
瀧 はい。まず、ランキング1位のもやしそばは確定です。そして、この「台湾風焼めし」(830円)ってのもうまそうだな。でも、ここは「もやしあんかけ焼きそば」(850円)をお願いします。
お店の人 承知しました。
――瀧さん、「お子様ランチ」(480円)ってのがありますよ。ラーメンにカレーライス、デザート、オモチャがついて480円。安いですね。
瀧 もやしそばも780円だもんね。ほかのメニューも全体的に安いよね。
お店の人 お待たせしました。もやしそばと、もやしあんかけ焼きそばになります。

「もやしそば」(780円)
瀧 ちょっと、これ丼けっこうでかくない? そして、ごま油のめっちゃいい香りがする。食欲をそそるよね。
――ごま油、とても香ばしいです。
瀧 そして、具は豚肉、もやし、ニラ、キクラゲ、ニンジンかな。
――具はけっこう多めですよね。
瀧 で、あんかけだ。あんが割と濃いめでたっぷりだよ。そしてみたらし団子のあんくらいの粘度がある気がする。うん、うまい! そして熱い!
――あんが濃いから、熱が逃げないんでしょうね。
瀧 あんの濃さのおかげで、この太めでちょっと硬めに仕上げている麺ですくっても落ちない。これ、食べ進めていくうちに熱々のあんが麺を軟らかくしていくパターンだな。このあんはかなりパンチがあるよ。クセになる味。
――もやしあんかけ焼きそばのほうはいかがですか?
瀧 焼きそばの丼もでかいわ。焼きそばのほうはスープがないから、もうあんの味がダイレクトにくるね。より、みたらし感が強くなる。このあん、小さいお子さんだったら、ここに箸を刺したら抜けないかもしれない(笑)。でも、なんだろう......このあん、ちょっと懐かしい感じがするんだよなぁ。
――わかります。なんか素朴さを感じるんですよね。それにおなかにもたまりそうです。
副店長の石井昭彦さん(以下、石井さん) お味はいかがですか?
瀧 おいしいです。ここのもやしそばはけっこう、あんが強めですよね。これには何か意味があるんですか?
石井さん 先代からずっと同じ味を受け継いでいるんですが、最初はあんが濃いめで、食べ進めていくうちにスープと混ざり合って、ちょうどいい味になっていくように作っているんです。スープだけになっても最後まであんを感じられるようにしています。
瀧 なるほど~。じゃあ、先代が割とあんのとろみにこだわっていたわけですね。
石井さん はい。濃いめのあんが好きだったんだと思います。

「先代の味を引き継いで、濃いめのあんで作ってます」と語る副店長の石井昭彦さん
瀧 焼きそばのほうは、さらにあんがダイレクトに味わえるようになっていますもんね。もうあんが主役みたいな感じもする。きっと皆さん、このあんを食べに来ているわけでしょうね。
石井さん そうかもしれません。
瀧 それにしても、メニューのランキングで、もやしそばが1位ってすごい人気ぶりですよね。
石井さん うちは、もやしそばがよく出るんですよ。
瀧 それはなんでだと思います?
石井さん もやしそばは開店当初からあるメニューなんです。開店当初の40年くらい前は、スーラータンメンとかはありませんでした。だから、昔から食べに来てくださっている地元のお客さんが多いからだと思います。
瀧 濃いめのあんが好きなお客さんは、やっぱりもやしそばを頼んじゃうんでしょうね。ところで、お店をロッジ風にした理由とかあるんですか?
石井さん 先代が山登りが好きだったんですよ。それで、山小屋をイメージしてロッジ風のお店と名前にしたんだと思います。
瀧 やっぱり、山登りが好きだったんですか。山に登っててロッジにたどり着いたときの安堵感とか半端ないでしょうからね。屋根と食べ物のありがたさも痛感するでしょうしね。
石井さん ロッジで食べるラーメンは不思議とおいしいですもんね。
瀧 もしかしたら先代は、山小屋で食べたあんかけメニューが忘れられなかったのかもしれませんね。体も温まるでしょうし、感動したのかも。
石井さん 少し前までは山登りに使うリュックやピッケルなども店内に飾ってあったんですけど、今は外してしまいました。
瀧 そうなんですね。
石井さん それから、今は少し減っちゃったんですけど、セットメニューには山にちなんだ名前がついているんです。例えば「立山」とか「北上」とか。
瀧 こだわりを感じます。それだけ山が好きだったんですね。
石井さん そうですね。
瀧 でも、それらを差し置いて、もやしそばが1位に君臨と(笑)。
石井さん はい。ですから先代の頃から味を変えてません。先代もこの味のもやしそばが好きだったんじゃないでしょうかね。
瀧 だから懐かしい味がするのかも。ありがとうございました。
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■ラーメンロッジ
東京都足立区綾瀬7ー23ー8
03ー3629ー3333
※営業日時、メニュー、価格などは変更になる場合があります
※この連載は隔号で掲載予定です
※おいしいもやしソバなどの情報は【moemoyashisoba@gmail.com】まで
■ピエール瀧(ぴえーる・たき)
1967年生まれ、静岡県出身。ミュージシャン、俳優、声優、タレント。
「無駄こそ宝なり」が信条。好物はもやしソバ。
公式Instagram【@pierre_taki】
構成/TAKA-HO
記事提供元:週プレNEWS
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