最終戦Vの31歳・鈴木愛 ウッド&UTは開幕から不変の『G440』 「弾道が高くなって林に行かない、グリーンで止まる」
イチオシスト
2025年のツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」を制した鈴木愛。2年連続で年間2勝となり、9年ぶりに国内メジャー3勝目、通算22勝目を飾った。2017年と19年に2度賞金女王を獲得している実力者も今年で31歳。開幕戦から不変のクラブの恩恵を受けて結果を残した。
ピンとクラブ契約を結ぶ鈴木は、例年2月にピンの米国本社のあるアリゾナ州で合宿を行い、クラブ調整をしてシーズンインするのがルーティンである。今季開幕から一部シャフトの変更はあったが、パター以外のヘッドは変わらず1シーズン使い続けた。
「ウッド系、ユーティリティは自分のなかですごく大事にしている」というウッドとユーティリティは最新モデル『G440』シリーズで固めている。同シリーズの特長は「飛距離が出つつ、弾道が高くなっている。『G440』に替えてすごくよかった」と声を大にする。
1Wの高弾道化は最終戦でも大きな力となった。開催コースの宮崎カントリークラブは左ドッグレッグのホールが多い。「普通、ドローヒッターは打ちやすいロケーションです」としつつ、「左に差し込み過ぎるとよくないホールがある。今までは球が低かった分、左にミスしたら全部林に吸い込まれていきそうなイメージで。今年は弾道が高くなったので、ちょっと左に行っても木を越えてくれました」。
例年は4日間で8回ぐらい林に入っていたそうだが、「今年は2回。1回は木に当たって出てきたので、実質1回しか林の中から打ちませんでした」とティショットの難度の高いコースで弾道の高さを生かして攻略の糸口をつかんだ。
また4番、5番のユーティリティのこだわりも強い。「最近の女子ツアーは距離の長い大会が増えていて4U、5Uを使うことが増えてきています」と、パー4の2打目やパー3で握ることが増えたのがユーティリティだ。
「ユーティリティは弾道、スピン量、コントロール性などいろんな面を求めています。すべてが揃っていないと替えたくないので、毎年替えられなかったりするんですけど、『G440』に替えてよかったです」
最終戦でもUTは大活躍した。「今年の“宮カン”はめちゃくちゃグリーンが硬かった」と多くの選手がスコアメイクに苦しんだ。4つあるパー3のうち、3つは170~190ヤードに設定され、「4番・5番ユーティリティ、特に5Uを使うことが多かったです。球がすっごい高かったので、例年より球が止まっていました」。難度の高いパー3を4日間イーブンパーでまとめられたのもユーティリティの性能の高さが貢献した。
14本の中でもっとも苦手としていた3番ウッドは、「ミート率が高くなって確実に飛ぶようになったし、弾道も高くなりました」と最終日に11番パー5ではピンまで223ヤードの2打目を3番ウッドで2オンに成功するなど、もっとも『G440』効果を得ている1本かもしれない。
20歳前半の若手の台頭が著しい時代。過去2度の賞金女王のタイトルを手にした鈴木はドライビングディスタンス239.47ヤード(43位)と若手に飛距離では劣るが、技術とパット力で勝負している。「35歳までに永久シード」とあと4年で8勝を挙げる目標を掲げている。ピンのクラブの進化に伴って鈴木の進化も止まらない。
【鈴木愛のクラブセッティング】
1W:ピン G440 LST(9度/ALTA JCB 50S/45.5インチ)
3W:ピン G440 LST(15度/ALTA CB 65R)
5W:ピン G440 MAX(19度/ALTA CB 65R)
4・5U:ピン G440(23・26度/ALTA CB 70R)
6I~W:ピン BLUEPRINT S(N.S.PRO 850 S)
50・54度:ピン S159(CFS R)
58度:ピン S159(CFS R)※ノーメッキ
PT:ピン G Le2 ECHO
BALL:タイトリスト Pro V1x
◇ ◇ ◇
女子プロの使用ギアを調査。関連記事『西郷真央、古江彩佳、佐久間朱莉、原英莉花、川﨑春花…女子プロが手放せない名器図鑑』で詳細をチェックできる。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
