香港高層マンション火災を受け、元消防士YouTuberが防炎素材の性能を検証

イチオシスト
11月27日、「レスキューハウス」(登録者数48万人)がチャンネルを更新。26日に香港の高層マンションで発生した大規模火災についてコメントし、普通の衣類と防炎製品の燃え方の違いを検証しました。
防炎製品を燃やして検証
レスキューハウスは、消防の元レスキュー隊員で防災対応アドバイザーの「タイチョー」が、防災に関する知識を中心に情報を発信するチャンネルです。タイチョーは動画の前半で、修繕工事が進められていた香港の高層マンションで発生した大規模火災について意見を述べます。この火災では94人の死亡が明らかとなっており、現在も消防隊員による死傷者の捜索が続いています。
現地メディアによると複数の住民から「火災報知器が作動しなかった」という声が上がっているそうです。報道を踏まえタイチョーは、自動火災報知器だけでなく、スプリンクラーや防火戸といった設備がどこまで設置され正常に作動していたのか、疑問を呈していました。
タイチョーは、詳細な原因の解説には「速報を待ちたい」としつつも、「あの(改修工事の)ネットみたいなのあるやろ。ああいうのも可燃物になるわけよ」「防炎物品の概念あるのかな」と述べ、耐火性能の低い素材が周辺設備に用いられていた可能性を指摘しました。
動画の後半では、普通の素材でできた衣類と「防炎」ラベルが付けられた防炎物品の衣類を実際に燃やし、両者の燃え方を比較します。普通の素材のズボンを燃えた炭に近づけると、約1分30秒ほどで火が燃え移り、徐々に上へと燃え広がっていきます。一方、防炎素材でできた上着には約1分で火が移りましたが、着火部分が溶けて延焼を防いでいます。
防炎素材のカーテンも燃やしてみましたが、端が溶けただけで火はまったく燃え広がりません。
タイチョーは、「防炎物品っていうのは燃え移りにくいものではなくて延焼しにくいものでした。これが今回の検証結果です。そういう意味では勉強になったなと思う」と述べ、今後もこうした火災対策のリアルな情報を発信していくようです。

竹の足場は燃えやすい?説明への指摘も
この動画のコメント欄では、
宅配の仕事をしている者です。
タワマン、高層の昭和築の団地、車が入れない古い住宅地、、あらゆる所へ行って思うのは災害があったら生きた心地しないなぁ…という感想です。そう思っていたら、大分の火災と香港の火災が起きて、やっぱりそういう物件って怖いな…と改めて思いました
正直仕事するようになっておもうけどなんで避難訓練をしないのか不思議。一時的だが高層ビルで働いたことあるけど万が一の時どうしたらいいかわからないもん。何が起きるかわからないし訓練はすべきだと思うけどな
といった反応が寄せられていました。
なお、動画のオープニング映像ではスタッフが、「建物全体を覆っていたのは燃えやすい竹の足場」「火災当時、炎はネットと竹をつたい上昇」など、竹の足場が延焼の一因であるとの説明がなされていました。コメント欄ではこの説明を疑問視する声が上がっており、
窓をプラスティックのシートで覆われていて、外の様子が見えなかったため、逃げ遅れた方が多かったと現地の友人が言っていました。
竹は原因ではないです。
1番は防火ネットの防火基準を満たしていなくて、外側から一気に高い階数まで燃え広がり、風も強かった。あと、エレベータに覆われていたものは発泡スチロールで、更に燃えやすかったこと、高い階にスプリンクラーが設置されていなかったなど、原因が複数判明しているそうです。ちなみに足場の竹は、そもそもの延焼理由ではないとの事です。日本ではここまでの大規模になることはありえないとのこと。
という指摘もみられました。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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