日本人初の5階級制覇へ──。再起戦に臨む井岡一翔が群雄割拠のバンタム級戦線に名乗り【Lemino BOXING】
イチオシスト

ボクシング元世界4階級王者でWBA世界バンタム級9位の井岡一翔(志成)が12月31日、東京・大田区総合体育館で開催される『SANKYO presents LIFETIME BOXING FIGHT 30』のメインイベントでマイケル・オルドスゴイティ(ベネズエラ)とのWBA世界バンタム級挑戦者決定戦に臨むことになった。11月28日、都内の所属ジムで開かれた記者会見で発表された。試合の模様はLeminoプレミアムで独占生配信される。
日本人男子初の5階級制覇に向けて、36歳の井岡がバンタム級初戦に挑む。これまでミニマム級、ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級でタイトルを獲得。2025年5月には前年にWBA世界スーパーフライ級のタイトルを奪われたフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)と王座返り咲きを目指して再戦したが、10回にダウンを奪うなど善戦しながら0-3で判定負け。去就が注目される中、今年10月にバンタム級への挑戦を明らかにしていた。
昇級初戦となる約7カ月ぶりの再起戦が、いきなりの王者への挑戦者決定戦となった。この発表を受けて井岡は「バンタム級初戦で WBA にこのようなチャンスをいただけてうれしい」と開口一番にポジティブなコメントを発した。さらに自らの現役人生を踏まえて「残りの時間で何が挑戦できて、自分自身をどう証明してどう表現していくかを考えたときに、前回の敗戦を受けて少しでも大きな挑戦をしたいという気持ちが浮かんできた」と明らかにした。
「あの連敗から脱出する大きな切り口にしたい。統一戦、ダイレクトリマッチとプロで初めて 2連敗して、応援していただいている方の期待に応えることができていないと自分の中でも感じた。バンタム級に上げて 5階級制覇という大きな挑戦の中で、それを実現した時に少しでも恩返しできると思う。やるからには成長した姿をリングで見せられるように、大晦日までいい状態を作って、いい内容で勝ってタイトルマッチにつなげたい」
軽量級から階級を上げてきた井岡にとって、バンタム級へのチャレンジは大きな決断だ。マルティネスに敗れた試合後は「自分でもバンタム級で戦うことは考えていなかった」と明かしつつ、日本人王者がひしめく階級で戦いたいという思いが募り、「自分がその中で5階級制圧したいという思いでバンタム級に上げたので、まず大晦日に勝ってそういう試合を実現させたい」と未来を見据えた。
今月24日には井上拓真(大橋)が那須川天心(帝拳)を破ってWBC世界バンタム級新チャンピオンとなり、12月にはWBA世界バンタム級王者の堤聖也が同級暫定王者のノニト・ドネアと団体内王座統一戦に臨む。井岡にとっては今回の昇級初戦の勝利が様々な可能性を広げることになる中で、「もちろん WBA の挑戦者決定戦なので(堤vsドネアは)意識していますけど、チャンスをいただけるなら誰とでもという言い方はおかしいですけど、チャンピオンに挑戦したいっていう気持ちは強い」とコメント。さらに「正直、誰と一番やりたいかと言えば、拓真選手ですね。それがファンの方も見たいんじゃないかと思うので」とWBCの新チャンピオンにラブコールを送った。井上も井岡との対戦に意欲を見せており、彼が所属する大橋ジムの大橋秀行会長も「(井岡の)5階級制覇を阻止したい」と話すなど、再起戦後のマッチメークも注目を集めることになりそうだ。
今回、井岡が対戦するオルドスゴイティはベネズエラのバンタム級王者で、15勝(14KO)1敗という強敵で、今年12月のWBAランキング入りが見込まれるハードパンチャー。偉業達成に向けて、まずはこの試合を乗り越えることが最初のハードルとなる。
また、同日のセミファイナルでWBA世界ライトフライ級2位の吉良大弥(志成)がイバン・ガルシア・バルデラス(メキシコ)との同級挑戦者決定戦に挑むことも発表された。
プロ4戦目での挑戦者決定戦に吉良は「まわりから見たらちょっと早いと思われるのではないか」と素直な気持ちを漏らしながら、「自分としては世界チャンピオンになってからがスタートという気持ちだった。(挑戦者決定戦は)うれしいですけど、まずは世界チャンピオンになりたい。自分が楽しむことが一番なんですけど、見ていただいている方にも楽しくて興奮してもらえるようなボクシングをしたい」とコメント。田中恒成(畑中)に並んで日本人最速タイとなる5戦目での世界奪取につなげるべく必勝を誓った。

[SANKYO presents LIFETIME BOXING FIGHT 30]
◎メインイベント
WBA世界バンタム級挑戦者決定戦10回戦
井岡 一翔(志成)vs マイケル・オルドスゴイティ(ベネズエラ)
◎セミファイナル
WBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦10回戦
吉良 大弥(志成)vs イバン・ガルシア・バルデラス(メキシコ)
◎58kg契約8回戦
島田 淳也(志成)vs 篠田 将人(山木)
◎スーパーフライ級8回戦
馬場 龍成(EBISU K’s BOX)vs 久保 龍助(ワールドスポーツ)
◎スーパーライト級6回戦
菊池 音央(志成)vs 倉持 廉汰(本望)
◎スーパーバンタム級6回戦
上原 大和(EBISU K’s BOX)vs 沖吉 優太(湘南龍拳)
◎バンタム級6回戦
中田 雅大(秩父)vs 松橋 大空(北海道畠山)
◎51.8kg契約4回戦
為我井 泰我(DANGAN越谷ジム)vs 澤田 大(三迫)
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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