iPhone 8はすでに限界?2025年以降も「使える機能」と致命的な「できないこと」を徹底解説
イチオシスト

2017年9月に発売され、その完成度の高さから長きにわたり多くのユーザーに愛されてきたiPhone 8。しかし、発売から8年以上が経過した2025年現在、「このまま使い続けても大丈夫だろうか?」と不安を感じている方も少なくないでしょう。
この記事では、iPhone 8が現在どのような状況にあるのか、メインのスマートフォンとして使い続けることの現実性を解説します。
【結論】iPhone 8をメイン機で使うのはすでに「限界」
実は筆者も、メインで使っているAndroidスマホと別に、iPhone 8をサブ機として使用していますが、「限界」と感じることが多くなってきました。その理由をご紹介しましょう。
最新iOSのサポート対象外
iPhone 8が限界である最大の理由は、AppleによるメジャーOSアップデートの提供が「iOS 16」で終了している点です。

2023年にリリースされたiOS 17以降、iPhone 8はサポート対象外となりました。そのため、iPhoneの魅力を支える最新機能の追加、パフォーマンスの改善、そして最も重要なセキュリティ強化を受けることができません。
セキュリティリスクの増大:OS更新が止まると危険な理由

メジャーアップデートがiOS 16で終了した後も、Appleはしばらくの間、重大な脆弱性を修正するためのセキュリティアップデートを提供してきました。実際に2025年に入ってからもセキュリティアップデートが複数回リリースされており、直近では2025年9月15日にiOS 16.7.12が配信されています。ただし、このサポートも永続的ではなく、今後終了する可能性があります。
修理サポートとバッテリー寿命の観点
iPhone 8は2020年4月に販売終了となり、2025年5月には「ビンテージ製品」に指定されました。

ビンテージ製品とは、販売終了から5年以上7年未満の製品を指し、Apple StoreやApple正規サービスプロバイダでの修理対応が部品在庫の有無に左右される状態です。そして、販売終了から7年が経過する2027年頃には「オブソリート製品」となり、公式での修理サポートが完全に終了します。
バッテリーに関しても深刻な問題があります。iPhoneのバッテリーは約500回のフル充電サイクル(一般的な使用で約2年程度)で最大容量が80%程度まで低下するとされています。2017年発売のiPhone 8を現在も使い続けている場合、バッテリーはすでに著しく劣化しており、充電が半日も持たない、急にシャットダウンする、充電残量の表示がおかしいといった症状が頻発している可能性が高いでしょう。
iPhone 8では「できないこと」・厳しくなること
ここからは、iPhone 8ではすでに対応できなくなっている機能や、今後さらに厳しくなることが予想される項目について詳しく見ていきましょう。
【アプリ】最新ゲームや一部の銀行・決済アプリが非対応に
iOS 16までしか対応していないiPhone 8では、最新のゲームアプリや一部の金融系アプリがすでに非対応となっています。特に高いグラフィック性能を要求する最新ゲームは、iOS 17以降を必須とするケースが増えています。
金融系アプリについても、セキュリティ上の理由から古いOSのサポートを打ち切る動きが加速しています。銀行アプリや証券アプリ、クレジットカード管理アプリなどで「このOSバージョンではご利用いただけません」といったメッセージが表示され、ログインできなくなるケースも報告されており、今後iOS 16のサポート終了アプリは確実に増えると考えられます。
【通信】5G通信には非対応(4Gのみ)
iPhone 8は2017年発売のモデルであり、5G通信には一切対応していません。5Gサービスが日本全国で普及している2025年現在、4G LTEのみの対応では通信速度面で大きなハンディキャップを背負うことになります。特に高画質動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロード、オンラインゲームなどでは、5G対応機種と比べて快適性に大きな差が出るでしょう。
【機能】Face ID(顔認証)は不可

iPhone 8はTouch ID(指紋認証)を搭載しており、Face ID(顔認証)機能は搭載されていません。Face IDはiPhone Xから導入された生体認証技術で、iOS 15.4以降ではiPhone 12以降の機種に限りマスク着用時でも認証できるよう改良されていますが、iPhone 8ではそもそもFace ID自体が搭載されていません。
【動作】最新Webサイトや複数アプリ起動時の「重さ・発熱」
iPhone 8に搭載されているA11 Bionicチップは2017年当時は優れたチップでしたが、2025年現在では明らかに処理能力不足を感じる場面が増えています。高解像度の画像や動画、複雑なJavaScriptの読み込みに時間がかかったり、スクロール時にカクつきが発生したりします。
複数のアプリをバックグラウンドで起動したまま使用すると、メモリ不足により動作が重くなり、本体が発熱する症状も報告されています。特にゲームアプリや動画編集アプリなど、高い処理能力を要求するアプリでは、動作が遅いだけでなく急にシャットダウンする可能性もあります。
逆にiPhone 8で「いまでも使える機能」・メリット
ここまでデメリットを中心に紹介しましたが、iPhone 8には2025年現在でも十分に活用できる機能やメリットは多くあります。
電話・メール・LINE・YouTubeなどの基本動作は問題なし
電話の発着信、SMS・メール、LINEでのメッセージ送受信、YouTubeやNetflixなどの動画視聴といった基本的な用途であれば、iPhone 8でも問題なく利用できます。特別な高性能を必要としない日常的なアプリケーションは、iOS 16の範囲内で十分に動作します。
サブ機や子ども用、高齢者向けのシンプルなスマートフォンとして割り切って使う分には、まだまだ現役として活躍できるでしょう。
マスク時でも便利な「Touch ID(ホームボタン)」が現役
iPhone 8の最大のメリットの一つが、物理的なホームボタンとTouch ID(指紋認証)の存在です。Face ID搭載機種ではマスク着用時の認証に工夫が必要ですが、Touch IDであれば指をホームボタンに置くだけで瞬時にロック解除できます。
また、物理的なホームボタンがあることで、直感的な操作が可能です。アプリを閉じてホーム画面に戻る際も、ボタンを押すだけで済むため、全画面ジェスチャー操作に慣れない方にとっては使いやすいインターフェースと言えるでしょう。
小型・軽量なサイズ感と手への馴染みやすさ
iPhone 8は138.4mm×67.3mm×7.3mm/148gと、小型・軽量なモデルです。近年のiPhoneは大型化が進んでおり、iPhone 15は171g、iPhone 16は170gと、iPhone 8より20g以上重くなっています。
片手操作がしやすく、ポケットにすっぽり収まるサイズ感は、小型スマートフォンを好むユーザーにとって大きな魅力です。現行モデルでコンパクトサイズを求めるならiPhone SE(第3世代)が選択肢となりますが、これもiPhone 8と同じ筐体サイズを採用しています。
iPhone 8を使い続けるリスクと「引き際」のサイン
ここまでiPhone 8の現状を解説してきましたが、使い続けるリスクと「そろそろ買い替え時」を示すサインについて整理しましょう。
LINEや重要アプリが「iOS 16」を切り捨てた時が本当の最後

現時点ではLINEはiOS 16に対応していますが、今後iOS 16のサポートが終了する可能性は高いと言えます。LINEが使えなくなると、日本国内での連絡手段として致命的な影響があるため、これがiPhone 8の「本当の最後」となるでしょう。
また、ネットバンキングアプリや決済アプリ、マイナポータルなどの行政サービスアプリも、セキュリティ強化のためにiOS 16のサポートを終了する動きが予想されます。自分が日常的に使っている重要なアプリがiPhone 8で使えなくなった時が、明確な「引き際」のサインです。
iPhone 8ユーザーにおすすめの「後悔しない乗り換え先」
iPhone 8からの買い替えを検討する際、どの機種を選ぶべきか迷う方も多いでしょう。ここでは、用途や予算に応じたおすすめの乗り換え先を紹介します。
コスパと全画面を両立したいなら:「iPhone 12 / 13(中古含む)」
コストパフォーマンスを重視しつつ、全画面デザインとFace IDを体験したい方には、iPhone 12またはiPhone 13の中古品がおすすめです。iPhone 12は中古市場で約3万円前後、iPhone 13は約5万円前後で入手できます。

iPhone 12は5G対応、A14 Bionicチップ搭載で、2027年頃までiOSサポートが続くと予想されています。iPhone 13はさらにバッテリー持ちが向上し、カメラ性能も強化されており、2028年頃までのサポートが見込まれます。どちらも6.1インチの全画面ディスプレイで、iPhone 8からの乗り換えでは画面サイズの大きさに最初は慣れないかもしれませんが、動画視聴やゲームの快適性は格段に向上します。
長く大切に使いたいなら:「iPhone 15 / 16」
予算に余裕があり、今後5年以上長く使い続けたい方には、最新のiPhone 15またはiPhone 16がおすすめです。iPhone 15はA16 Bionicチップを搭載し、iPhone 16はApple Intelligence対応のA18チップを搭載しています。

iPhone 16には新たにアクションボタンやカメラコントロールボタンの追加で操作性が向上し、バッテリー持ちも最大20時間(iPhone 15)→22時間(iPhone 16)へ改善されています。
価格差は約12,000円で、新品でiPhone 15は11万円台、iPhone 16は12万円台からとなっています。長期的な視点で見れば、最新機種への投資は決して無駄にはならないでしょう。
記事提供元:スマホライフPLUS
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