マウンテンバイクのカスタムガイド!初級・中級・上級パーツをまとめて解説
なぜマウンテンバイクをカスタムするの? 3つのメリット まず最初に、マウンテンバイクをカスタムすることで得られるメリットについて、簡単に整理しましょう。 走りが変わる マウンテンバイクは、パーツひとつで走りの性格がガラッ […]
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なぜマウンテンバイクをカスタムするの? 3つのメリット
まず最初に、マウンテンバイクをカスタムすることで得られるメリットについて、簡単に整理しましょう。
- 走りが変わる
- フィッティングが合って、疲れにくくなる
- 見た目がカッコよくなる
走りが変わる

マウンテンバイクは、パーツひとつで走りの性格がガラッと変わります。
たとえば、グリップ力の高いタイヤに交換すると、木の根や岩場でのトラクションが安定し、登りで空転しにくくなります。また、ハンドル幅や形状を見直すことで、バイクコントロールの精度が向上することもあります。
さらに、サスペンションやブレーキなどをアップデートすれば、段差の吸収性や制動力が向上。結果として「思った通りに曲がる・止まる」「怖くて突っ込めなかったラインに入れる」といったように、走りの質を一段階引き上げてくれるのです。
フィッティングが合って、疲れにくくなる

完成車のマウンテンバイクは、対応身長の幅が広く設定されているため、必ずしも最初から自分の体格にぴったり合うとは限りません。
ハンドルが少し遠かったり、手首の角度が合わなかったりするだけでも、腕や肩に余計な力が入り、走るほど疲れがたまっていきます。
そこで重要になるのが、ステムの長さやハンドル形状などの見直しです。これらを自分の体格に合ったものにカスタムすることで、より自然で楽な姿勢がとりやすくなり、走行中の負担も抑えられるようになります。
見た目がカッコよくなる

マウンテンバイクは、いわゆる“ドレスアップ”用のパーツが豊富です。
グリップやペダル、ステムのカラーをフレームやロゴとそろえたり、あえて差し色を入れたりするだけで、ありふれた完成車から「自分らしいバイク」へと印象が変わります。
見た目が気に入ると、つい眺めたり「乗りに行こう」と思うきっかけが増えたりするもの。バイクに触れる機会が増えれば、メンテナンスへの意識も自然と高まる、という良い循環も生まれます。
【初級編】最初にカスタムするなら、まずはこの5つ
最初のカスタムは、作業しやすいパーツから始めるのがおすすめです。ここでは、作業難易度の低い5つのパーツを紹介します。
- ペダル
- サドル
- グリップ
- フェンダー(泥除け)
- フレームプロテクター・デカール
ペダル

撮影:筆者
マウンテンバイクの完成車には基本的にペダルが付属していないため、車体購入時に深く検討せず選んだペダルを使っている人も少なくないでしょう。
MTB用のペダルには多くの種類があり、踏み面の広さやピンの高さが変わるだけで、踏み込んだときの感触がけっこう変わります。さらに、足裏とペダルをしっかり固定できるビンディングタイプを選べば、ペダリングの安定感・効率も一段上のレベルに。
交換作業はペダルレンチとグリスさえあれば簡単にできるので、「いまのペダル、なんか合ってないかも」と感じているなら、最初のカスタムとして挑戦しやすいパーツです。
関連記事:【2025】MTBのおすすめペダル8選。フラットペダルにする?ビンディングにする?
サドル

撮影:筆者
サドルのクッションの硬さや座面の形が合っていないと、お尻の位置が落ち着かず、長く走るほど痛みや違和感が出てきがちです。
自分に合った形のサドルに替えるだけで、座る位置が定まりやすくなり、体のブレも抑えられます。たとえば、ペダルを前寄りで踏み込みたいタイプの人なら、ノーズが細いサドルにすると足の動きを邪魔しにくく、身体の前後移動もしやすくなります。
交換作業は六角レンチで外して付け替えるだけなので、こちらも手軽に試せるカスタムです。
グリップ

撮影:筆者
走るときにずっと触れているパーツだからこそ、グリップとの相性は操作性に直結します。太さや硬さ、表面のパターンなど特徴もさまざまなので、ショップで実際に握ってフィット感を確かめるのが最も確実です。
取り付け方法は、ロックリングで固定する「ロックオン方式」と、ハンドルに押し込んで付ける「スライド方式」の2種類がありますが、着脱しやすくズレにくいロックオンが主流。
交換作業もペダルやサドル同様シンプルで、作業に慣れていない人でも取り組みやすいパーツです。詳しい手順などは、以下の記事でまとめています。
関連記事:MTBのグリップ、おすすめ5選と選び方をご紹介!車体をコントロールする重要なパーツ。
フェンダー(泥よけ)

フェンダーは基本的に完成車についていることはなく、完全なオプションパーツです。目的は、泥や水のはね上げを防ぎ、服や自転車が汚れるのを抑えること。特にMTBのマウンテンバイクはドロなどを巻き上げやすく、泥除けがないと前輪から泥や土が顔に直接かかってくることもあります。
形状は、軽量で簡易的な「ベンダーフェンダー」と、広い範囲をカバーできる「フルフェンダー」の2種類。トレイルなど本格的にマウンテンバイクを楽しむ人なら、ベンダーフェンダーがおすすめ。ベンダーフェンダーは工具なしで取り付けられるので、作業もそれほど難しくはありません。
一方、フルフェンダーは固定方法がやや複雑なことがあり、取り付けに不安があればショップに相談すると安心です。
関連記事:MTBの泥除けおすすめ9選!背中の泥汚れを防いで快適に走ろう
フレームプロテクター・デカール

フレームプロテクターやデカールは、見た目の印象を変えられる“ドレスアップ系”のカスタムです。フレームのロゴに合わせて色味を整えたり、あえて差し色を入れたりするだけでも、完成車とは違う雰囲気の一台になります。
プロテクターは見た目だけでなく、チェーンが当たる部分やケーブルが擦れる部分のキズ防止にも役立つので、実用性も兼ね備えているのがポイント。
貼るだけの作業で手軽に始められるカスタムなので、「いまの見た目をちょっと変えたい」「キズが気になる部分を保護したい」という人におすすめしたいパーツです。
【中級編】自分で作業できて、効果を感じやすいパーツはこれ!
続いては中級編。ここまでのパーツなら、慣れてしまえば自分でも難なく手を入れられる範囲です。
- タイヤ
- ハンドル
- ステム
タイヤ

撮影:筆者
タイヤは路面に唯一触れるパーツで、走行感のフィーリングを大きく左右します。交換による走りの変化を実感しやすい部分です。
マウンテンバイク用のタイヤは主に、「ブロック」「セミスリック」「スリック」の3種類。トレイルなどの山道が中心ならグリップを優先したブロック一択になりますが、オンロードもそこそこ走る、もしくは舗装路メインという人なら、セミスリックやスリックも選択肢に入ってきます。
交換方法は、一度手順を覚えればさほど難しくはないです。ただし、チューブレスレディタイヤの場合はシーラント液などの管理が必要になるため、難易度があがります。
関連記事:【色々ありますよ】マウンテンバイクのタイヤの選び方からおすすめモデルまで
ハンドル

撮影:筆者
形状は大きく「フラットバー」と「ライザーバー」の2つ。フラットは前傾姿勢を取りやすく、キビキビしたハンドリングが特徴。ライザーは手元が少し上がるためリラックスした姿勢になり、荒れた路面でもコントロールしやすい傾向があります。
また、ハンドルの“幅”も重要なポイントです。幅が広いほど車体を上から押さえ込みやすくなり、暴れる車体や衝撃をいなしやすくなります。
ただし、自転車走行が可能な歩道を走る場合には「普通自転車」の基準を満たす必要があり、道路交通法で、ハンドル幅が「600mm以下」と定められているため注意が必要です。車道を走る場合は600mmを超えても問題ありません。
ハンドルを交換する際は、必ずステムのクランプ径に合ったものを選びましょう。現在は31.8mmが主流ですが、購入前に一度確認しておくと安心です。
関連記事:MTBのハンドルのおすすめ紹介!幅や形状の違いなど、種類と特徴も解説。
ステム

撮影:筆者
ステムは、ハンドルまでの距離を調整するパーツ。長さが変わるだけで上半身の姿勢が大きく変わるため、「ハンドルが遠い・近い」と感じているときに見直したいポイントです。
短いステムはハンドルが手前に来る分、操作性が向上します。反対に、長いステムは前方に荷重しやすく、直進の安定感が増します。ちなみ、最近のマウンテンバイクでは短めのステムが流行りです。
また、交換時に確認したいのは、コラム径とクランプ径の2つ。コラム径は1-1/8インチ、クランプ径については先述のとおり31.8mmが広く使われています。交換自体は六角レンチで作業できますが、どちらも規格が合っていないと取り付けられないため、こちらも購入前にチェックが必須です。
【上級編】走りの“核”を変える本格カスタム
ここからは上級編。走りの質をガッツリ変えてくれるパーツが多い反面、価格も作業難度も一段上がってきます。そのため、基本的にはショップと相談しながら進めるのが前提になります。
- ホイール・ハブ
- ドロッパーシートポスト
- サスペンション
- ブレーキ
ホイール・ハブ

撮影:筆者
ホイールまわりを交換すると、マウンテンバイクの走りが分かりやすく変わります。リムが軽いホイールなら漕ぎ出しの感覚が軽くなり、登り坂や加速したい場面での反応も良くなります。
ハブの内部には「ラチェット」という歯車のような機構が入っており、この歯の数を「ノッチ数」と呼びます。ポイントは、ノッチ数が多いほどペダルの「かかり」が早いこと。 ペダルの遊び(空転)が減るため、漕ぎ出しの反応が良くなります。上り下りが連続するテクニカルな場面などで、特に効果的です。
空転時に「ジーッ」と鳴るラチェット音も、ブランドによって千差万別。ここもハブを選ぶ楽しさの一つといえます。
自分でイチからホイールを組むのは難易度が高いため、交換するならメーカーが販売する「完組(かんぐみ)ホイール」を購入するか、あるいは好みのハブやリムを選んでショップに組んでもらう「手組(てぐみ)ホイール」を依頼するのが一般的です。
ドロッパーシートポスト

撮影:筆者
ドロッパーシートポストは、手もとのレバー操作で走行中でもサドルの高さを上下できるパーツです。
マウンテンバイクでは下りはなるべく重心を下げたいところですが、固定式のサドルだと身体の動きを妨げてしまう場面があります。そこで、下りに入る前にレバー1つでサドルを下げられるドロッパーシートポストは、トレイルライドなどでは非常に重宝する装備です。
その利便性の高さから、最近のマウンテンバイクには標準装備されることが増えています。
ただし、一般的なシートポストに比べて取り付けはすこし複雑。フレームがドロッパーに対応しているかどうか(ポスト径や挿入長)、さらにワイヤーをフレーム内に通す“内装式”か、外を這わせる“外装式”かによっても作業の難易度が変わります。
そのためこちらも、カスタムしたい場合にはショップに相談するのが得策でしょう。
関連記事:サドルの高さを自由自在に!ドロッパーシートポストを解説
サスペンション

撮影:筆者
ホイールやドロッパーポストと同様、サスペンションも交換の効果が大きいパーツです。上位モデルに変えれば、サスペンションの動きがスムーズになり、路面の細かな凹凸にしっかり追従できるようになります。そのほか、軽量化や剛性アップも期待できます。
注意したいのは、規格が非常に細かいこと。適合しないと物理的に取り付けられないため、交換はショップに任せるのが確実です。
関連記事:マウンテンバイクのサスペンションを解説!種類や違いを理解しよう。
ブレーキ

撮影:筆者
マウンテンバイクでいちばん怖い瞬間は、「止まりたいのに止まれない」場面です。だからこそ、下りで必要なのは“確実に減速できる”こと。その性能を決めるのがブレーキです。速さや上手さはライダーの技量によるところも大きいですが、こと「止まる」に関しては、ブレーキの性能がモロにでます。
現在のマウンテンバイクはほとんどが油圧ディスクブレーキを採用していますが、同じ油圧でもモデルごとに制動力やレバーのタッチは大きく変わります。下りが多いコースを走る人ほど、ブレーキをアップグレードした際にその違いを実感しやすいでしょう。
ただし、ブレーキ交換は専門的な作業(ホースカットやエア抜きなど)が伴うため、自分でやるには難易度が高めです。
マウンテンバイクをカスタムするときの注意点

ここまで見てきたように、マウンテンバイクのパーツ規格は多岐にわたります。「せっかく買ったのにサイズが合わない」という事態を避けるためにも、購入前の適合チェックは必須です。
また、作業時に気をつけたいのが「ネジを締める強さ(トルク)」。 力任せに締めすぎるとパーツ破損の原因になり、逆に緩すぎると走行中に外れてしまう恐れがあります。手の感覚だけに頼らず、指定の強さで管理できる「トルクレンチ」などを活用すると、より安全・確実に作業ができるのでおすすめです。特にカーボンパーツを使用している場合は、トルク管理が必須です。
ブレーキのエア抜きや内装ケーブルの処理など、専用工具やコツが必要な場面も少なくありません。「自分には難しい」「規格が合っているか不安」と感じたら、無理せずショップに相談するようにしましょう。
マウンテンバイクのカスタムに関するよくある質問

それでは最後に、マウンテンバイクのカスタムに関するよくある疑問と、それに対する回答を見ていきます。
どのパーツからカスタムを始めればいい?
最初は作業が簡単な「ペダル・サドル・グリップ」あたりがおすすめです。交換に必要な工具が少なく、走行フィールの変化も分かりやすいため、初心者でも着手しやすい部分です。
カスタムするとどれくらい走りが変わるの?
パーツによって変化度は大きく異なります。
タイヤ・ホイール・サスペンション・ブレーキなどは走行性能に直結するため変化が大きめ。見た目を変えるだけのドレスアップパーツは性能への影響は少ないものの、愛着やモチベーションが上がるメリットがあります。
「中古パーツ」を買っても大丈夫?
ネットの個人売買やフリマサイトなどは、正直なところリスクが高めです。
特にハンドルやステムなど負荷のかかりやすいパーツは、見た目がキレイでも「金属疲労」や「内部のクラック(ヒビ)」が隠れている可能性があります。これらが走行中に破損すると大事故につながるため、素性のわからない中古品は避けるのが無難でしょう。
そのため中古パーツを購入したい場合は、
- 整備・点検済みの中古パーツを扱う信頼できるショップ
- メーカーリファービッシュ品(メーカーが点検・修理して再販する再整備品)
など、状態が保証されたものの中から選ぶのが安心です。
マウンテンバイクをカスタムして、「自分らしい一台」を!

マウンテンバイクのカスタムは、単に性能を上げるだけでなく、愛車への愛着をより一層深めてくれる楽しみの一つです。
最初は「なんとなくカッコいいから」という理由で、グリップやペダルを変えてみるだけでも十分。そこから走る場所や自分のレベルに合わせて、タイヤ、ハンドル、そしてサスペンションなどへと、少しずつ手を加えていくのもアリでしょう。
もちろん、難しい作業や規格選びで迷ったときは、無理をせずプロショップを頼るのも立派な選択肢。「次はどこを変えようかな?」と悩みながら、少しずつ自分だけの最高の一台へと育てていってください!
記事提供元:CYCLE HACK
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