参加者大満足「暗い世界に光がさした」 ブリヂストンスポーツが『日本障害者オープン』会場でイベントを実施、その理由は?
イチオシスト
17日、福岡県の麻生飯塚ゴルフ倶楽部で「第30回日本障害者オープンゴルフ選手権」が開幕した。障害者の世界ランキング対象にもなる“日本一を決める大会”は、あす18日まで2日間の日程で行われる。
大会初日のラウンド後には、ブリヂストンスポーツが主催するイベントも実施された。コース内の練習場で、スイング診断やクラブフィッティングなどを行う『ブリヂストンゴルファーズドック』と、ブリヂストンゴルフアカデミーインストラクターによる『ワンポイントレッスン会』を行い、そこに大会出場者が参加。障害者ゴルファーたちが、さらなるレベルアップに励む時間になった。
同社が、この大会でイベントを開催するのは昨年に続いてのこと。もともと2022年から2年間、国内男子ツアーとして行われた「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」に参画したことがきっかけになっている。この大会では、障害者ゴルファーがプロアマに招待されプレーしたのだが、そこでコミュニケーションをはかるなかで、選手たちが抱えている問題が顕在化した。
「障害者は健常者のように気軽にクラブフィッティングやレッスンに行けないという現実を知ることができました」と同社担当者は説明する。「(大会を主催する)日本障害者ゴルフ協会の想いにも賛同した」ということも重なり、昨年から日本障害者オープンでのイベント開催が実現した。実際に『初めてレッスンを受けた』など、この“初めて”という声が多く聞こえてきたという。
大会出場者のひとりで、イベントに参加した有迫隆志さんは、「鉄は熱いうちに打てじゃないですけど、ラウンド直後に『こうしたい』ということが伝えられるのはいい。すぐに修正できるのもありがたいですね」と、開催を喜んだ。有迫さんは左手が不自由なため、右手一本でクラブを操り、平均250ヤードを飛ばすハードヒッター。悩みも多かったが、データも参照のうえ、プロのクラブフィッターに問題を洗い出してもらったことで、「『なんでそうなるか』の“なぜ”の部分がこれまでは分からなかったけど、ノウハウがある人に教えてもらえて、暗い世界に光がさしました」と終始笑顔だった。
また大会最多5度目の優勝を目指すプロゴルファーの吉田隼人は、「障害者は義足や義手の人も多いため、一般のショップでは体やクラブの関係や、そのバランスを伝えるのが難しく、行く機会も少なくなる」と実状を説明する。だが、障害者ゴルフの会場での取り組みとあって、「この大会で教えてもらえることは意味が大きい。さらにゴルフが楽しめて、みんなの活力になりますね」と、これを喜ぶひとりだ。
同社では、『サステナブル(持続可能)な社会実現』のため、8つの“E”を掲げる『E8 Commitment(イーエイト・コミットメント)』に取り組んでいる。今回の障がい者ゴルフでは、“Emotion”(心動かすモビリティ体験を支えることにコミット)と、“Empowerment”(すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくりにコミット)の体現を目指している。
昨年の反省を生かし、今年はより多く参加してもらうため打席数を増やすなど対応。また、昨年と同じスタッフを配置したことで、“次のステップ”もイメージできるイベントにした。現在は年に1回の機会だが、継続的に実施することで、引き続き障害者ゴルフの裾野拡大に尽力していく。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
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