平均パット1位でも「感覚は6割ぐらい」 堀川未来夢が抱えるパターの葛藤
イチオシスト
<三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目◇14日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
後半だけで4つのバーディを奪った堀川未来夢が「67」とスコアを伸ばし、首位と1打差のトータル7アンダー・2位タイに浮上した。第2ラウンドで3つスコアを伸ばし、2位タイで大会を折り返すのは先週と全く同じ。ただし、その内容は全く違うようで「特にピンチらしいピンチはなかった」と手応えを口にした。
「朝の練習でパキっといっちゃって…」。厳しい表情で背中の痛みを明かしたのは先週の第2ラウンド終了後。その影響もあってティショットが安定せず「かなり良くない。不安要素を持ちながらのプレーです」。カラーからパターで決めたホールを含めて、0パットが3回という綱渡りの3アンダーだった。
対照的にこの日は「ティショットでいい流れが作れているかなと思います」。16番パー4ではティショットのミスからこの日唯一のボギーを叩いたが「この2日間で初めて失敗したかな」。スコア以上にチャンスは数多く作り出しており「パットが全然入っていないんで、そこはもう少し」。さらにスコアを伸ばしていてもおかしくない内容だった。
気になる背中の痛みについては「まだテークバックでズキっときますね。一番しんどいのはパッティング。ゆっくりな動きの中で痛みがくるとタッチやリズムがずれたりするんで」。万全ではないものの、状態が良くなっていることは表情からも伝わってきた。
本来はパッティングを武器とする選手。平均パット数1.6952は今季のツアーナンバー1だ。ただし、堀川自身は全く満足しておらず「良かった時の感覚に比べたら6割ぐらい」と話す。2019年にイップスを発症。改善はしてきているものの、順手でのパッティングは「試合では全く使い物にならない」。クロスハンドは苦肉の策。本来のスタイルでプレーできないもどかしさは常に感じている。
先週は3日目に伸ばせず、最終日が中止で11位に終わったが、今週は最後まで優勝争いに加わりたいところ。「まだ2日終わっただけなんで、3日目に3つ4つ、いや5つぐらい伸ばせたら最高なんですけどね。とにかく明日が大事になると思います」。3年ぶりとなる通算5勝目へ、3日目は前半からバーディを積み重ねるつもりだ。(文・田中宏治)
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