「並外れた才能」1295日ぶりV達成! 畑岡奈紗は脚を“サスペンション”のように使っていた!【優勝者のスイング】
イチオシスト
畑岡奈紗が2022年4月の「DIOインプラントLAオープン」以来、実に1295日ぶりの優勝を「TOTOジャパンクラシック」で飾った。そのスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも挙げてもらった。
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中学時代は陸上の短距離をしていたという畑岡さんは、脚力の強さ、柔らかさを感じさせるスイングです。体を回転させていく上でサスペンション的な役割を果たすのがヒザを中心とした脚です。ダウンスイングでは脚でクラブを引っ張り下ろし、スイングに合わせて上手く伸び縮みして回転をサポート。固まることなく動き続ける、脚の使い方に並外れた才能を感じさせます。
以前に比べると、トップでの左ヒザの曲がりが小さくなり、シャフトがクロスする動きも緩和されているように見えます。若干ですが軌道がフラットになったのは進化を感じる点です。左1軸で振っていくタイプですが、わずかに右への体重移動を入れて、良い意味で体のねじれを制御し、よりオンプレーンに、レベルに振っているのではないかと思います。調子が落ちるとクラブが上から入るタイプでしたが、そういったミスを軽減できるようになっていますね。
畑岡さんのようにレベルに振っていくには、アドレスが重要です。構え、ボール位置で振りやすさは変わります。ドライバーでボールが曲がると悩む人の中には、アドレスが原因でスイングの癖が治らないという人も珍しくなく、構えを正すことで、大きな変化が期待できます。
ドライバーのボール位置は、左足カカトの線上から左耳の間、手元は左目の下が基準となります。正面から見てシャフトが真っすぐかややハンドレイトになるように構えましょう。大事にしてほしいのが、正対する意識を持つこと。ターゲットラインと直角に交わる十字のラインをイメージするとアドレスの精度が高まります。ボールへの意識が強いと右肩が出たり、下がったり、右肩のポジションが決まらずボール位置も狂いやすくなるので要注意です。
右肩が下がっていた人は、肩のラインを修正するだけでスイングに変化が出るはず。しかし、右を向いているような違和感がでることがあります。正しく構えているのに、これまで蓄積された経験が邪魔をしているのです。正しい目線に慣れるまでは、こまめにチェックすること。正しく構えるのは、毎日ゴルフをするプロでも難しいので、辛抱強く取り組んでください。
■畑岡奈紗
はたおか・なさ/1999年生まれ、茨城県出身。15年からナショナルチームで活躍し、16年には国内メジャー「日本女子オープン」で史上初となるアマチュア優勝を達成。同年に米国女子ツアーの予選会を通過し、17年から本格参戦。18年の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」にて米初優勝。25年の「TOTOジャパンクラシック」にて米通産7勝目を挙げた。アビームコンサルティング所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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