不要なパソコンのHDDってどう処分すればいい!? データの流出防ぐ方法4選
イチオシスト
パソコンではSSDが主流になっていますが、安価な大容量データ保存用として今でもHDD(ハードディスクドライブ)を使っている人は多いでしょう。でも、HDDを処分するときはデータの流出が心配になりますよね。そこで今回は、HDDのデータをほぼ読み取れなくする方法を4つ紹介します。

パソコンでフォーマットしただけではデータは消えない!
古いパソコンのHDDを処分するときは、他人にプライベートなデータを見られたりしないか、データの流出が心配になりますよね。
ご存じの方も多いと思いますが、WindowsでHDDを通常どおりフォーマットしても見かけ上ファイルが見えないだけで、データは残っています。そのため、データ復元ソフトなどを利用すれば、意外と簡単にデータを復元できてしまうんですね。

もちろん、大手のパソコンショップで売却すれば、しっかりデータを消去してから販売してくれるはずですが、フリマなどで個人売買するときは要注意。
一方、売却や譲渡をしないのであれば、物理的にHDDを破壊することでデータを完全に読めなくする方法もありますので、このあと詳しく解説しましょう。
【1】Windowsのツールでデータを完全に消去する
WindowsでHDDをフォーマットしてもデータは残ってしまいますが、「cipher.exe」というコマンドプロンプトを使ったツールを利用すれば、データをほぼ完全に消去することも可能です。
これは、NTFSのファイルシステムを使用するHDDのデータの暗号化&暗号の解除を行ったり、HDDの空き領域にデータを上書きして復元できないようにする(ディスクワイプ)ツールで、管理者権限のコマンドプロンプトから実行できます。
基本的にはNTFSフォーマットされたHDD用ですが、大容量ファイルシステム「exFAT」などでも使用可能です。これなら、HDDに0や1、ランダムなデータを計3回書き込んだうえで、そのデータを削除してくれるため、データを復元することは、ほぼ不可能になります。
ただし、3回のデータ書き込みや削除を行うため、HDD容量によってはかなりの作業時間がかかる点はご注意ください。
また、「cipher.exe」はHDDの空き領域を消去する機能なので、使用領域がある場合、そこは消去されません。HDDのなかをすべて消去したいときは事前にパーティションを削除しておきましょう。
「cipher.exe」を実行するには、まず、Windows 11のタスクバーの「検索」欄で“cmd”と入力すると「コマンドプロンプト」が表示されるので、「管理者として実行」を選択します。
これで英字が並んだ黒い画面が表示されるので、たとえば「Eドライブ」を消去したい場合は「cipher /w:e:」と入力して「Enter」キーを押して実行しましょう。
くれぐれも、必要なHDDを消去しないように、ドライブレター(ドライブ名)を間違えないよう十分注意してください。もちろん、この作業は必ず自己責任で行ってくださいね。
「cipher.exe」でHDDのデータを消去する手順


【2】専用データ消去ソフトを利用してデータを消去する
どうも「Windowsのコマンドプロンプトなんて、よくわからないな~」という人は、便利な無料ソフトを使う方法もあります。
たとえば、Vectorで配布されている「ディスク消去ユーティリティ」(つぢ製作所)なら、無意味なデータを上書きして元のデータを読み取れなくする機能があります。
●Vector「ディスク消去ユーティリティ」は→こちら
「ディスク消去ユーティリティ」は日本語のソフトなので操作は簡単です。まず、ソフトを入手して解凍したら、「DiskEraseUtil.exe」をダブルクリックして起動。
次に「ドライブの選択」で消去したいHDDを選択したら「消去方式」を選択します。通常は「ゼロライト」で大丈夫でしょう。
続いて、「ディスク消去ユーティリティ – 確認」画面では「確認キーワード」に「ERASE」と入力してOKを押します。これでHDDのデータ消去が開始されます。
くれぐれも、消去するHDDを間違えないよう十分注意してください。また、このアプリの利用は必ず自己責任でお願いします。
「ディスク消去ユーティリティ」でHDDのデータを消去する手順




【3】HDDを物理破壊して使用不能にする
古いHDDのデータを消去するのも面倒だし、売却したり再利用する予定がないのであれば、物理的にHDDを壊して廃棄しましょう。
実は、HDDは非常にデリケートなので強い衝撃を与えると、意外と簡単に動作しなくなってしまいます。HDD本体をハンマーなどで強く叩いて、内部のプラッターが割れてしまえば、データを復元するのはほぼ不可能になります。

ただし、会社の重要情報などを絶対に流出させたくない場合、HDDをハンマーで叩いただけでは不安が残るでしょうから、やはり有料の“HDD破壊サービス”で確実に破壊してもらうほうが確実です。
たとえば、「PCコンフル」や「ビックカメラ」などでは、ドリルで穴を開けて物理的にHDDを破壊するサービスを提供しています。
まず、PCコンフルではショップにHDDを持っていき、破壊を依頼するだけでOK。料金は無料です(破壊したHDDを持ち帰る場合には別途500円が必要)。
次に、ビックカメラでもHDDの破壊サービスがありますが、こちらは税込1,500円かかります。また、パソコンに接続したままで取り外してもらう場合には、さらに1,500円かかるので、できればHDDは取り外して持ち込みましょう。
●PCコンフル「HDD/SSDを無料破壊処分」サイト→こちら

●ビックカメラ「HDD破壊」サイト→こちら

【4】パソコン無料回収の「リネットジャパン」でHDDを消去してもらう
Windows 11に乗り換えたので、古いパソコンをHDDごと処分したいという人も多いでしょう。その際、不要になったパソコンに「PCリサイクルマーク」がついている場合は、メーカーが無料で回収するようになっています。
PCリサイクルマークは2003年(平成15年)10月以降に販売されたメーカー製パソコンには必ずついており、メーカーが無料回収することになっています。これなら、パソコンは確実に再資源化されますし、HDDのデータもしっかり消去してもらえるでしょう。
●一般社団法人 パソコン3R推進協会(公式)→こちら
ただし、自作パソコンなどは自治体の粗大ごみでも廃棄できないので、この場合はパソコンの無料回収サービス「リネットジャパン」を利用するのがおすすめ。
こちらは、環境省認定業者で700の地方自治体が連携しており、すでに300万台以上のパソコンを処分した実績があります。
しかも、ネットで申し込んだら、指定日に自宅に来てくれる宅配業者に梱包したパソコンを渡すだけなのでとってもお手軽。段ボールのなかには、パソコンだけでなく液晶モニターやキーボード・マウスなどを同梱してもOKです(20kg以内)。
そして、オプションで消去証明書付の「おまかせ完全消去サービス」が税込3,498円で申し込むことができますので、どうしてもHDDのデータ流出が心配な人は利用してみるといいでしょう。
●【公式】リネットジャパンは→こちら

まとめ
いかがでしょうか? 今回は不要なHDDを処分するとき、他人にデータが見られないようにする方法を4つ紹介しました。
自分でHDDのデータを消去することも可能ですが、多少はパソコンのスキルが必要ですし、間違って必要なHDDのデータを消去してしまうと、大変なことになってしまいますのでご注意ください。
どうしても、HDDのデータ流出が心配な人は、やはりHDDの物理的な破壊サービスをお願いするのが確実でしょう。
記事提供元:スマホライフPLUS
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