無念のノーゲームも佐久間朱莉は年間女王に前進「早いうちに決めたい」
イチオシスト
<TOTOジャパンクラシック 最終日◇9日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
ティオフして約1時間半後、中断を知らせるホーンが鳴った。雨脚はますます強くなる。競技は再開することなく、中断から2時間後の午後0時58分に最終ラウンドのキャンセルが決定。佐久間朱莉は3日目終了時の4位で4度目の日米共催大会を終えた。
「こうなることはきのうの時点で少し予想していた。やりたかったけど、仕方ないですね」
5番パー4のグリーン上で中断となった。何度もロールドライ(グリーンの水たまりを除去)をお願いしたが、12メートルのバーディパットは水しぶきをあげて急減速した。「半分くらいしか行かなかった。『もう、できないですね』と話していました」。そこまでスコアを2つ伸ばしていた。1番パー5をバーディで滑り出し、2番でボギーを打ったが、3メートルを沈めた3番パー3から2連続バーディ。首位との3打差を1つ縮めて、追撃態勢を整えた矢先のノーゲームだった。
「やれていたらチャンスはあったかも」と悔しさは残る。新たな目標に掲げた5勝目を目指し、「そこに向けて、ただひたすら頑張るだけ」と話していたが、お楽しみは次戦の「伊藤園レディス」、2週後の「大王製紙エリエールレディス」そして、最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」へと持ち越しになった。
不完全燃焼の終戦。だが、年間女王に向けてまた一歩前進した。1位を独走しているメルセデス・ランキング(MR)は4位の105ptを加算し、2431.11ptに伸ばした。MR2位の神谷そらとの差を640.17ptに広げ、MR3位の河本結とは736.7pt差。初の戴冠はいよいよ秒読み段階だ。
伊藤園の優勝ポイントは200ptで、大王製紙エリエールは300pt、リコーカップは400pt。伊藤園で佐久間が神谷に59.83pt差をつければ、神谷が残り2試合で優勝しても逆転されることはない。河本は伊藤園で佐久間に約37pt差以上をつけること、MR4位の菅楓華は優勝が逆転の絶対条件となる。ただ、40人が出場する今季国内メジャー最終戦でもあるリコーカップは予選落ちがなく、最下位の40位でも10ptが保障される。佐久間を追いかける3選手の状況は厳しいのが実情だ。
「早いうちに決めたいという思いはあるけど、だからといってやることに変わりはないです。まず自分らしいプレーをするだけ」
100%加算となったドル建ての賞金は10万7557ドル。正式な円換算は10日のレートで決定するが、約1650万円をゲットし、今季獲得賞金は2億円を突破。国内の女子ではイ・ボミ(韓国)、山下美夢有、竹田麗央に次いで4人目となる大台到達に「わぉ~」と喜んだあとは、「残り3試合。まず体調を崩さないこと。1つでもいい順位で毎試合を終えるプレーがしたい」と表情を引き締めた。
4月のツアー初Vから約7カ月。日本ツアーの新しい顔となる瞬間は、間もなく訪れる。(文・臼杵孝志)
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