大阪学院大のホープが記録的な好発進 平田憲聖らOBに「食らいついていきたい」
イチオシスト
<ACNチャンピオンシップ 初日◇6日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7004ヤード・パー71>
大阪学院大学3年生の小林匠(こばやし・たくみ)が9バーディ・2ボギーの「64」で回り、7アンダーで単独首位に立った。アマチュアの首位発進は昨年の開幕戦「東建ホームメイトカップ」の中野麟太朗以来4人目(1999年のJGTO発足後)。平田憲聖や今季初優勝を飾った下家秀琉ら、大学の先輩たちの背中を追いかける21歳がツアー史上8人目のアマチュア優勝を狙う。
猛チャージを見せたのは後半の12番パー5から。残り80ヤードからの3打目を80センチにつけると、続く13番は上りの10メートルを沈めて連続バーディ。さらに14番2メートル、15番3メートルとチャンスを確実にものにし、4連続バーディで一気にスコアを伸ばした。
「全体的に得意不得意がなく、バランスが取れている」と自身のプレースタイルを分析。そのうえで、この日は「ティショットが良かった。フェアウェイから打てたのでチャンスも多くて、何個か長いパットも入ってくれました。7番のボギー以外はイメージ通り、ほぼ完ぺきなゴルフができました」と振り返った。
一昨年の「日本学生」を1年生にして制覇。今年は「日本アマ」で3位に食い込むなど、着実にアマチュアでの実績を重ねている。ドバイで開催された2週前の「アジアパシフィックアマチュア」は21位、先週は学生の全国大会に出場し、大阪学院大を団体優勝に導いた。
「連戦の中で、うまく試合に向けて気持ちを作れているなと思います。きょうはそれがハマってくれました」。出場が決まった当初は上位争いというぼんやりとした目標を掲げていたが、2週間ほど前から「出るからには優勝」と気持ちを高めてきた。
ゴルフを始めたのは小学4年から。父親の練習について行ったところ「一発目が空振りで悔しかったのがきっかけです」。約10年のゴルフ歴の中では、1年間クラブを握れないケガも経験した。「高校1年の秋に腰椎分離症と診断されました」。医師からは回復するまでゴルフを禁止された。「パターもダメと言われたんですけど、パッティングは時々やっていました」。トレーニングも禁止だったが、腰に負担のかからないメニューをトレーナーに作ってもらい、下半身を中心に強化。ケガ明けには15ヤード飛距離が伸びていたという。
ちょうど入れ違いで卒業した平田との接点は少ないが、入学時に4年生だった下家とはプライベートで食事に出かけるなど親しい間柄。ツアーで下家のキャディを務めたこともある。「身近な人が優勝することを想像していなかったんですけど、こうなったらプロの先輩たちに食らいついていきたいと思うようになりました」。そんな先輩たちも果たしていないアマチュアでのツアーVへ、まずは大きな一歩を踏み出した。(文・田中宏治)
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