「クラブには疎い」と話す初Vの仲村果乃 高1から使うUT、ミズノの軟鉄アイアン、スチールファイバーシャフトとこだわり満載
イチオシスト
「三菱電機レディス」でツアー初優勝を遂げた、プロ3年目の仲村果乃。プロテスト合格のタイミングで高校時代から使用するミズノと契約を結んだ。クラブには「疎い」と話したが、直撃取材するとなかなかこだわりを持つ14本のセッティングだった。
理想の球筋は「中弾道のドロー」と左曲がりの球を操る。ドライバーはミズノ『ST-G』のロフト9.5度を1度立たせてリアルロフト8.5度の設定にしている。2023年発売のSTシリーズだが、ヘッド体積は440CCと小ぶりなのが特徴だ。
ドローボールの打ちやすさもさることながら、「打音もカッコ良くて好きですし、何より短く見えないのがいいんです。ヘッドが大きいと短く見えてしまうので、小ぶりなヘッドが好きです」とシャフト長が45.75インチとやや長めを好む。
そのシャフトはフジクラの『ベンタス TR BLUE』を挿している。昨年終盤までは同社の『スピーダーNXグリーン』を使用していたが、「スピン量が多くて、フェード目のボールが出ていて気持ちが悪かったので相談して替えたら、スピン量が減ってドローが打ちやすくなりました」と今季開幕から投入するシャフトもドローの打ちやすさを重要視する。
また、ドライバーのヘッドをよく見ると、ソール部の弾道調整機能を駆使している。上下2か所にスライド式の重量が着いているが、通常時はレールの真ん中にあるものが、トゥ側の上は後方に、ヒール側の下は前方に動かしている。「意味は分かっていないんですけど、打ったらしっくりきました。けっこうつかまりやすいかなと。重りの位置によってはドローが打ちにくいところもあるので、いろいろ試しながらやった結果、ここが一番しっくりきました」という仲村のオリジナルポジションである。
続いて3番と5番の2本を入れるFWは、今季開幕から投入するミズノの『JPXプロトタイプ』である。今季初優勝を遂げた稲垣那奈子らも使用する。「以前使用していたモノと比べてスピン量が減って低いボールが打ちやすくなりました」と理想の弾道が打てる。
アイアンは、今季海外メジャーも制した西郷真央が使用するモデルと同じ軟鉄鍛造のミズノ『JPX923フォージド』。カーボンとスチールを融合させたトゥルーテンパーの『スチールファイバー i95cw』を装着させている。
ショットの正確性が武器で今季のパーオン率は、70.6349%と前年比2%以上上がっていることから、仲村の武器の1つになっている。「打感がいいし、やさしいし、かっこいい。自分の思った球筋が打ちやすい」と正確性が武器のアイアンショットを支える。シャフトについては「3年ぐらい前に(プロの間で)流行ったと思うんですけど、その時期にテストしたらハマりました。スチールとカーボンのいいとこどりをした印象で、手に伝わる感覚がすごくいい」と思い通りの球を打つ助けになっている。
ウェッジは49・54・58度の3本構成。2017年発売のミズノ『ミズノプロS18』を採用する。「これは替えられないんです。顔もいいですし、打感も。ほかのを使うとちょっと違うなと。球の球さとかも自分の好きな高さで飛んでくれます」とお気に入りのシリーズである。
なにより特徴的なのが、「高校1年生から使っている」というUTだ。4・5UのPXG『0137X GEN2』の2本。優勝したサンデーバックナインは、4つバーディを奪ったうち、3回はこのUTが演出している。
「高校時代にフィッティングをして作ってもらったものなので、9年ほど替えられないんです。自分の思った通りに飛んでくれるんです」と手放せないシリーズになっている。
パターに関しては、師事するツアー通算29勝のレジェンド、吉川なよ子からのプレゼントのオデッセイ『オーワークス #1WCS』だ。「『果乃ちゃんの打ち方でやったらスコスコ入ったよ』と買ってくれました。プロになってちょこちょこほかのパターを使うんですけど、やっぱりこっちがいいなと。センターシャフトが好きですし、インサートも柔らかい打感も好きです」。プロの中でもファンの多い「マイクロヒンジ」インサートを装着した師匠からのプレゼントは、常にバックに入っている。
【仲村果乃のクラブセッティング】
1W:ミズノ ST-G(9.5度/ベンタス TR BLUE 5S)
3・5W:ミズノ JPXプロトタイプ(15・18度/ベンタス TR BLUE)
4・5U:PXG 0317X GEN2(22・25度/ツアー AD U-65 S)
6I~PW:ミズノ JPX923 フォージド(スチールファイバー i95cw S)
49・54・58度:ミズノプロS18(スチールファイバー i95cw S)
PT:オデッセイ O-WORKS #1W CS
BALL:ブリヂストン TOUR B X
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木村のセッティングを調査。関連記事【今季優勝の木村彩子は、なぜ2020年モデルのソールが剥げたUTを使い続けるのか?】を読めば、その秘密がわかる。
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